大乗起信論は一心・二門・三大を説いているといわれます。一心とは衆生心のこと。この衆生心は真如門と生滅門(迷いの心)の二門をもっており、また、体大(本質)・相大(あり様)・用大(作用)の三大という三つの働きをもっているとしたとされます。
しかし自分なりに考えれば、大乗起信論のエッセンスは大乗とは「衆生心」の事であり、この「衆生心」は普遍性をもっておりそれが又諸仏の覚りの本ともなっているのである、というところにつきると思います。密教に於いてもこの大乗起信論の考えをもとに大師の重視された釈摩訶円衍論がでてきて衆生の心を十識(眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識・末那識・阿頼耶識・多一識心・一一識心)としてこの最後の「一一識心」は生きとし生けるものすべてが共有している佛性であり、仏そのものであるとしているのではないかと思っています。つまり衆生は本来大日如来であるということの根拠を示したともいえるわけで、大変重要なコンセプトを提示したということではないかと思っています。大乗起信論をとりあえず終わったので、これから釈摩訶円衍論の「一一識心」を研究していきたいと思っております。
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