福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「握手」の代わりに「合掌」を

2020-03-13 | 法話
「握手」の代わりに「合掌」を

1、 コロナ騒ぎで握手の代わりに拳骨突き合わせて挨拶とか、肘を突き合わせて挨拶、足を突き合わせて挨拶とか世界ではいろいろな挨拶が取りれられつつありますが、どれもなにか攻撃的で殺伐としており心の通う挨拶にはなっていません。この機会に日本では挨拶に合掌を取り戻して挨拶に取り入れ世界に広めるべきと思います。

2、そう思っているとき丁度
円覚寺管長横田南嶺老師の「合掌」という法話がありました。

老師はここで「この座禅会にきていたビジネスマンに聞いた話だが、この人が外国のホテルで泊ろうとしたとき『無宗教』と書いたら宿泊を断られ、『そこをなんとか』と手を合わせると『仏教徒だったのか』といわれて泊めてくれた。」「沢木興道老師は『西洋人はラジオや飛行機を発明したが、東洋人は合掌を発明した。この合掌を発明するにいかに長い時間をかけたことか・・。』といわれた。」「坂村眞民師の『手を合わせる』という詩がある。『手を合わせれば、憎む心もとけてゆき、離れた心も結ばれる。・・両手合わせて拝んでゆこう。手を合わせれば重い心も軽くなり、濁った心も澄んでくる。活かされて生きて花薫る。楽しい世界にしてゆこう。二度とこないこの人生を』とある。」「では何に手を合わせるのか。それは仏である。仏とは天地一杯にあるもの、すなわち無限の可能性である。」「合掌の究極のすがたは法華経の常不軽菩薩である。この菩薩は『あなたは将来、仏様になるお方です』といって会う人すべてを拝んで歩いた。」と説かれていました。

3、密教では合掌は自分も相手も仏であり宇宙であるということを表している印形です。密教大辞典に「密教にては右手を仏界、左手を衆生界、五指を五大(地水火風空)とし、合掌は衆生の五大と仏の五大と融会することを表す。即ち成仏を表す印なり。あるいは定慧相応理智不二を表示す。右は智慧、左は定理なり。・・」なお「十二合掌」として「堅実心合掌,虚心合掌,未敷蓮合掌,初割蓮華合掌,顕露合掌,持水合掌, 帰命合掌(金剛合掌),反叉合掌,反背合掌,横柱指合掌, 覆手向下合掌,覆手合掌」の合掌があげられますが、挨拶等の通常は最初のただ指をまっすぐ揃える「堅実心合掌」でいいと思われます。なお「帰命合掌(金剛合掌)」は行者が修法の時当該尊の印形を忘れたときにはこの金剛合掌ですべての尊の印形に代用できるとされます。
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