今日は僧行教に石清水八幡が示現された日
「石清水八幡宮護国寺略記」
「三所大菩薩を此男山峯に移坐し、即ち御体を安置し奉る縁記」
「右行教(俗称紀氏)専ら業と為して修行し、多年を久送す。而間、恒時に大菩薩を拝し奉ることを欲す。爰に去る貞観元年を以て筑紫豊前国宇佐宮に参拝せり。四月十五日彼宮に参着し、一夏之間、宝前に祇候す。昼に大乗教王を転読し、夜に真言密教を誦念す。六時に断ぜず。大菩薩に廻向し奉る所也。九旬已に畢り、本都に皈らむと欲する之間、七月十五日夜半を以て大菩薩、行教に示し仰せて宣く『吾深く汝之修善に感応す。敢て忘るを忍ぶべからず。須ち都近くに移坐し国家を鎮護せむ。汝祈請すべき者なり』と。行教歓喜之涙眼に満つ。之を瞻仰し慎み弥や倍す。即ち彼の十五日より始め昼夜片時も断ぜず祈請し奉る。同月廿日を以て京上。八月十三日山崎離宮辺に到来す。寄宿の間、更に信心を倍す。祈願申して云く『伏して示現を蒙むらくは、同廿五日夜示されて云く「吾を近都に移坐すべし、王城を鎮護せんが為也と」、即ち何処を撰して、宝体を安置したてまつるべきや、願くは示現を垂れたまへ云々』。即ち夜を以て示下宣たまふは移坐すべきの処は上の石清水男山之峯也」