人間としていちばん尊いものは徳である。だから、徳を高めなくてはいかん、と。しかし、技術は教えることができるし、習うこともできる。けれども、徳は教えることも習うこともできない。自分で悟るしかない。 (松下幸之助)
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第九 惡行の部
一一六 善に急げ、惡に對して心を護れ、福を造りて怠り鈍れば、意は惡行を欣こぶ。
一一七 人若し惡を作すも此を再三する勿れ、惡を樂ふ勿れ、惡の積集は苦なり。
一一八 人若し福を作せば此を再三すべし、福を樂へ、福の積集は樂なり。
一一九 惡果未だ熟せざる間は惡人も尚ほ幸に遭ふ、惡果の熟する時に至れば(惡人は)惡に遭ふ。
一二〇 善果未だ熟せざる間は善人も尚ほ惡に遭ふ、善果の熟する時に . . . 本文を読む
第八 千の部
一〇〇 無益の句より成る一千言よりも、聞きて安穩を得る一の益ある句を勝れたりとす。
一〇一 無益の句より成る一千偈よりも、聞きて安穩を得る一の偈文を優れたりとす。
一〇二 無益の句より成る百偈を誦むも、聞きて安穩を得る一法句を(誦むに)如かず。
一〇三 戰場に於て千々の敵に克つよりも、一の己に克つ人こそ實に戰士中の最上と云ふべけれ。
一〇四 己に克つを勝れたりとす、他の諸人に . . . 本文を読む
第七 阿羅漢の部
九〇 經べき途を已に過ぎ、憂を除き、一切に於て解脱し、一切の縛を斷てる人には苦惱あることなし。(經べき道―有爲の輪廻を指す。)
九一 彼等は精勤し、熟慮して住宅を喜ばず、鵝の小池を棄つるが如く、彼等はあらゆる住處を棄つ。(住宅―生死界。住處―生死界。)
九二 若し人蓄積する所なく、受用度あり、(心)空、無相、解脱に遊ぶときは、其人の行跡は尋ぬべきこと難し、猶ほ . . . 本文を読む
第六 賢哲の部
七六 伏藏を告ぐる人の如く、(人に)避くべきことを示し、訓誡する聰慧者に遭ふときは此の賢人に侶となれ、斯かる人を侶とするときは勝利ありて罪過なし。(伏藏―寶の埋沒してある處。)
七七 教授せよ教誡せよ、不應爲の事を避けよ、彼は善人の愛する所にして不善人の愛せざる所なり。
七八 惡友に伴なはざれ、下劣の人を侶とせざれ、善友に伴なへ、上士を侶とせよ。
七九 法(水)を . . . 本文を読む
第五 愚闇の部
六〇 寢ねざる人には夜長く、疲れたる人には路長く、正法を知らざる凡愚には生死長し。
六一 道を行きて、己より勝れたる人又は己に等しき人に逢はずんば寧ろ獨り行きて誤らざれ、愚者の伴侶とすべきなし。
六二 「我が子なり、我が財なり」と思惟して凡愚は苦しみ惱む、我の我已(すで)にあることなし、誰の子ぞ誰の財ぞ。
六三 愚者にして(己れ)愚なりと想ふは已(すで)に賢なり、愚にし . . . 本文を読む