福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

観音經功徳鈔 天台沙門 慧心(源信)・・4/27

2024-11-14 | 諸経

観音經功徳鈔 天台沙門 慧心(源信)・・4/27

三、題号の下、法華彌陀観音一躰の事。

妙法等の五字は一の巻に書する如し。それに取りて妙法等の五字に就いて法華経と観音と彌陀と一躰と習ふなり。夫れ者、妙法蓮華經といふは漢語也。是を梵語には薩達摩分陀利迦素多藍と説き玉ふなり。薩をば漢語には妙と翻ずるなり。達磨をば法と翻じ芬陀利伽をば蓮華と云。素多藍經と翻ずるなり。しかるを観音の種子尊形三摩耶形に付いて心得るに先ず薩といふは遍口の十字の中のま字(梵字)なり。是即ち観音の種子也。此の三諦不可得のあ字(梵字)を漢語に和(やはらげ)ては妙の字に用るなり。是を天竺には薩といふなり。故に妙と云ふが即観音なり。依って梵漢不同なれども観音法華一躰の義と意得すべき也。さて尊形とは観音宝冠に弥陀をいただき玉ふなり。観音は因位の菩薩、彌陀は果位の佛躰なり。因位の菩薩果位の弥陀を戴き玉ふことは因果一躰の尊形なり。さて法華と云は因果一体の理を説く經なり。依って法華経の因果一体の妙理が尊形に顕れたまふを観音とは申す也。さて観音の三摩耶形とは蓮華あんり。されば観音は手に蓮花を持ち玉ふなり。是即妙法蓮華の蓮華なり。極楽世界といふも蓮華所成の國土也。されば極楽世界の八功徳池の蓮華と云ふも妙法蓮華と意得すべき也。之に依って南岳の随意行願にいはく、昔霊鷲山に在しては法華と名け等云々(溪嵐拾葉集「覺大師(南岳慧師大師のこと)記云。昔在靈山名法花。今在西方名彌陀。五濁惡世名觀音三世利益同一體。」「昔在靈山名法花。今在西方名彌陀。」の語は能の「朝長」「道明寺」「高野物狂」、狂言の「宗論」にも出るが「南岳の随意行願」については不明)是即ち円融三寶の中の法寶を法華経と名くる也。佛法を弥陀如来と名け僧寶を観音と号するなり。されば円融一体の三宝なれば法華経と云が彌陀漢音なり云々。

 

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