前回に引き続き今回も「東海林さだお」さん風に。
塩辛族(旨いもの分類学上確かにこの族は存在する)の中で世間に媚びずに絶滅危惧種寸前の塩辛が「鰹の塩辛」である。同属の「イカの塩辛」はこの絶滅の危機にいち早く気づいたことで女性や子供に真っ先に媚を売り始め、塩分を減らすは甘みをつけるはで、もはや冷蔵庫無しでは生存できなくなってしまった。
しかしながら彼らの努力は、見事に実を結びもはや全国津々浦々にその生息場所を得るに至っている。
一方我らが「鰹の塩辛」は頑ななまでに媚を売ることを拒み、いやなら「買わなくても良いんだよ」「別に俺らは女子供に食われなくても酒飲みが居るもん、ふん!」てな具合だったのが災いして世間から疎まれて見事に生息場所を失い、もはや漁村の一角でひっそりと生息する絶滅危惧種となってしまった。
しかし「鰹の塩辛」は依然として一族の重鎮としてその存在感を誇示してかつての栄光を取り戻すことを夢みているのであった。
先週ふと「鰹の塩辛」が矢も盾もたまらなく食べたくなって、大分ジタバタしたけれども、本家西伊豆産のものを入手した。想定どおりの塩の聞き具合と香り(=生臭さ)で白いご飯とは絶妙のマッチ、大いに満足した。今度は日本酒の友にしてみよう、などと考えている。
そしておまけの一枚。河川敷の景色も場所が変われば、、、