昔歴史でならった世界三大宗教のイスラム教、創始者はマホメッド、その聖典はコーラン。
現代では「イスラーム」、「ムハンマド」「クルアーン」と日本語表記するのが正しいらしい。
イスラム教だけは良く分からなかったので好奇心にかられて解説書を読んでみるとなかなか面白い。
以降面倒くさいから昔の表記で話を進める。
旧約聖書の「創世記」に”アブラハム”という人がおって、神と最初に契約を交わした人と言われている。この人の長孫が「ヤコブ」でイスラエル人の祖先、アブラハムの側室の子”イシュマエル”がマホメッドとアラブ人の祖先。その他の民族はこれ以外の兄弟から枝別れしたらしい。
そもそもアラブの宗教観からいえば、神がモーゼを預言者としてユダヤ教を、イエスを預言者としてキリスト教を、最後にマホメッドを預言者としてイスラム教を、それぞれ興したとされている。
それゆえイスラムこそ最新の神の教えを正しく伝えていると信じている。(様だ。)
神(アッラーというのが名前らしい)の教えを示したものが「コーラン」、マホメッドの教えを伝えたものが「ハディース」、こんなのを暗記している人たちがイスラムの聖職者なのだそうだ。
西暦5世紀に生まれてあっという間に世界中に広まり、その普及の秘密は本を読んだくらいでは良く分からない。不思議な魅力を持った宗教の様で、この宗教を信ずる国々がもし19世紀に近代化を遂げていたら世界は変わってもう少しましになっていたかも知れない。残念なことに歴史の事実ではイスラム世界は大きな遅れをとった。
昔、アレックス・ヘイリーの「ルーツ」を読んだ時、主人公クンタ・キンテはイスラム教徒だった様な記憶がある。
なお、世界中で一番騒ぎを起こしているのはこの”アブラハム”を祖とする宗教を信じている人たちで、唯一絶対の創造主たる神の一番の失敗はここだろう。でも世界を浄化する大洪水も怒りの火で無くなった都市も未だ無い、神様はかなり我慢している様だ。
面白いのは、現代の中東で起きている領土争いは、”神がアブラハムに与えた約束の地”をイスラエルが拠り所としているのに対し、アラブは自分たちもアブラハムの子孫であるから同等の権利を持つとする所、これではこの戦争にこの宗教(アブラハムの宗教)は何の役にも立たない。
くどい様だが、世界中に起きている戦争は、このアブラハムの宗教=キリスト教徒とユダヤ教徒とイスラム教徒によって引き起こされている。
アブラハムの宗教を信ずる人たちに問いたい、「神さんて本当に存在するの?」
(参考資料 「イスラームとは何か」小杉泰:講談社現代新書)