黒澤明の「羅生門」デジタル・リマスター版をじっくりと見させてもらった。
ともかく芸術であって娯楽ではなかった、画面の対比=土砂降りの羅生門とピーカンデリの御白州の語り、汗臭い藪の中での出来事とカメラワーク、となるほどとうなるほどの芸術。
画面はデジタル修復したんで綺麗なんだけれども音声が聞き取りにくくてわかりずらい、昔の邦画の最大の欠点はここ。
昔何気なく(昨今は「何気に」と言うらしい)借りたDVDがウィリアム・シャトナー主演の翻案物で「暴行」と言うのがあった。正確にはポール・ニューマン主演で、千秋実の坊さん役をシャトナーが演じていた。
娯楽作品としてはどうかと思うが、芸術だと思えばなるほど「これが芸術か」という代物。
<内容>
都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得るが、その言葉もまた、二人の言い分とは異なっていた……。
今時こんな映画を作れる製作者や監督はいない。