録溜めした映画「ジャズ大名」、これが素晴らしかった。
時代劇で風刺を効かせた喜劇でありミュージカル、さすがは岡本喜八監督、本当にしみじみ思うことはこの監督の存命中にリアルタイムで観たかった。
この映画は1986年公開だからこの映画製作当時は65歳くらいか、でも邦画は衰退のさなかで活躍場所も少なかったことだろうと思う。
「血と砂」では中国大陸の荒野を「聖者の行進」を若い軍楽隊が演奏しながら行進するシーンで始まり、本作では南部の荒野を黒人4人組がジャズを演奏しながら行進するという自身の作品のパロディみたいな’造り’も大いに気に入った。
(どちらも風景は日本の富士の裾野あたりみたいなのが面白い)
良くは知らないけれどもこの監督さんは映画のテーマを語るのにさりげなく効果的に音楽を取り入れてる様な気がする。
今年の八月もまた「日本のいちばん長い日」が名画座系に掛かるかもしれない、是非行こうかと思う。
そうそう筒井康隆の原作らしいが、このハチャメチャぶりはまさに彼のSF短編の真骨頂、この映画は見事に表現してると思う。
<内容>
江戸時代末期、アメリカから駿河の国の小藩に流れ着いた黒人3人が、音楽好きの大名と出会い、城中でジャムセッションを繰り広げる姿を描く奇想天外なコメディ。筒井康隆の同名短編を「近頃なぜかチャールストン」の岡本喜八監督が映画化。故郷アフリカへ帰るはずが、メキシコ商人に騙されて香港行きの船に乗せられた黒人4人組。ある日、病気で死んだ一人を残し、大嵐の中ボートで脱出を図った3人は駿河湾の庵原藩に助けられる。音楽好きの藩主は彼らの演奏するジャズの虜となり……。(出典:全洋画オンライン)
今の日本の映画監督達は束になってもかなわないだろうと思う。
1986年 『ジャズ大名』予告編