菅を「英雄」に仕立てようとするマスコミ
大手新聞やテレビが、ここに来て菅氏が「あの原発事故のとき東電が撤退していたら、首都圏が壊滅していた」という言い分を大々的に取り上げ、菅氏の手柄として扱っている。しかし、それに対する東電側の反論は無視している
東京電力は、13日、「9月11日放送 TBS『災害報道スペシャル原発攻防180日の真実』における報道について」と題するリリースを出した。
東電側は、「当社が現場からの全面撤退を考え、それを国に伝えたと言う報道がなされていますが、そうした事実はありません」と反論している。
その証拠として、4月8日と5月2日の参議院予算委員会で、菅首相(当時)は「社長にお出ましをいただいて話を聞きました。そしたら社長は、イヤイヤ、別に撤退と言ういみではないんだということを言われました。」(4/18)、「ある程度で経産大臣の方から、どうも東伝がいろいろな状況で撤退を考えているようだと言う事がわたしに伝えられたものですから、社長をお招きしてどうなんだと言ったら、いやいや、そういうつもりはないけれどもと言う話でありました。」(5/2)と発言したことを挙げている。
それにしても各マスコミが菅氏を持ち上げているのは、極めて異常だ。
東京新聞にいたっては、「首都壊滅の危機感」の大見出しを一面トップで報じ、監視を英雄視するような扱いをした(9/6付け)。そればかりか、9/9付け一面コラムでは「菅さんが東電本社に乗り込み『撤退などありえぬ』と押し切ったが、もし事故原発が放置されていたらと想像すると背筋が凍る」「菅さんにも感謝」などと持ち上げている。
一方で、東電側の「事実に反する」と言う反論に正当性があるにもかかわらず、無視を決め込んでいる。東電だけが悪者にされているのだ。
やがて真相は明らかになるだろう。その時、菅氏はまた言い逃れをするだろうし、マスコミも掌を返すだろう。
一方的な言い訳だけ載せてはいけないのは報道のイロハだ。意図的に真実を伝えようとしていないマスコミには、くれぐれも用心しなければならない。(仁)
東京電力のTBS報道に対する反論はこちら
http://www.tepco.co.jp/cc/kanren/11091301-j.html
ザ・リバティWeb http://www.the-liberty.com/article.php?pageId=2&item_id=2849&