転載
20120618NEWSポストセブン
東シナ海に臨む中国の港から、一隻の抗議船が出港した。海上保安庁関係者が神妙な顔で語る。
「尖閣諸島に向かっています。領土問題を訴える過激分子です。でも一隻でよかった。台風が来なかったらどうなっていたか……いまの日本には、神風が吹いたようなものです」
6月中旬に太平洋西部で発生した台風4号。東シナ海は大時化の模様で、上海で予定されていた「ある計画」が見合わせになった。
それが中国漁船による尖閣突入作戦――。
「上海沖の舟山諸島にある港に漁船が結集している」
海上保安庁関係者のもとにこんな一報が寄せられたのは12日のこと。舟山とは上海の南に位置した揚子江河口の港湾都市で、中国最大規模の軍港がある。そこに多くの漁船が結集し現場が騒然としているという。
「中国の過激分子は、台湾や香港の活動家にも呼びかけを行なっている」(同前)
彼らが激憤した背景には、東京都による尖閣諸島購入を打ち出した石原慎太郎知事の発言がある。11日に開かれた衆院決算行政監視委員会。
「自分たちの大事な家に(中国から)『強盗に入るぞ』と宣告されておきながら、戸締まりもしない国は世界中どこにあるか」
中国の尖閣突入作戦が、この6月に計画されたことに関してはもう一つの事情もある。領土問題に詳しいフォトジャーナリスト・山本皓一氏は「実は尖閣突入の動きは去年の同時期にあったのです。中心となったのが世界の華僑らによって組織される『世界華人保釣連盟』です」と語る。
ちなみに、中国では尖閣諸島を釣魚島及其附属島嶼と表記する。「釣」は尖閣諸島を指し、これを死守するという組織である。
話は、中国漁船拿捕騒動の渦中にあった2010年9月に遡る。当時、国連会議に出席するためニューヨークを訪れていた温家宝首相の言動が物議を醸したのを覚えているだろうか。
「釣魚島は中国の神聖な領土」「日本が我々の意見を聞かないのであれば、我々は更なる行動に出る」
実は、この発言は在米華僑らとのレセプションの最中に行なわれたものだった。
「ここ数年の尖閣を巡る日中摩擦に苛立つ在米華僑の愛国心に、温家宝の発言が火を付けた。そして沖縄返還調印40周年にあたる昨年6月17日に800隻の漁船を集めて、尖閣での抗議活動を決行しようという流れになりました」(山本氏)
昨年の計画では漁船のほか大型客船に華僑1200人を乗せて出港する動きもあったという。再び山本氏。
「彼らの主張は『沖縄返還は日米の協定に過ぎない。そもそも沖縄は中国のものだから無効だ』というもの。だから沖縄返還調印の日にタイミングを合わせてきた」
しかし、昨年はその前に東日本大震災が発生。いま抗議活動を行なうと、世界から批判を浴びるとの理由で無期限延期になった。
「今回、東京都の尖閣購入運動に触発され、二年越しに計画を実行しようとしているのでしょう」(山本氏)
なぜ中国の領土問題に華僑団体が立ち上がるのか。中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏の話。
「華僑はもともと愛国心が強く、資金力が豊富で世界的なネットワークもあり大きな動きになりやすい」
今回の運動に関しても香港や台湾の華僑団体と結びつき、世界的な保釣連合が形成されている。事実、台湾から抗議船が出港するという情報もある。とはいえ、国により政治的背景が異なるため、各国によって思惑は異なるようだ。
「台湾の活動家は領土問題よりも漁場問題に関心を持つ。香港の活動家の一部は選挙目当てで、中国当局に内々に『出港したらすぐ捕まえてくれ』とお願いしている人間もいる」(富坂氏)
週刊ポスト2012年6月29日号
幸福実現党、消費税増税反対を声明 今からでも遅くない、増税路線から方向転換を
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4443
民主、自民、公明の3党が、「社会保障と税の一体改革」関連法案をめぐる修正協議で合意したことを受けて、幸福実現党は17日、「国民不在の増税合意によって、『日本沈没』がもたらされようとしている」と、改めて増税反対の声明を発表した。
幸福実現党の主張の概要は次の通り。
■長引くデフレ経済下にあって、増税は愚策の極み。増税は、さらなる景気悪化を招き、失業者や倒産の増加、税収減をもたらすことは明らか。
■財政再建に必要なのは増税ではなく、高い経済成長によってもたらされる税収増。そのため金融緩和と実効ある成長戦略が必要。
■そもそも権力者による課税権の乱用を抑止するために確立したのが議会制度の歴史的沿革だが、納税者である国民の信を問うことなく、増税に突き進む勢力は、議会制民主主義の本旨を完全に逸脱している。
■自民党も景気悪化時に増税を一時凍結する「景気弾力条項」の数値目標の削除を求めた。もはや「自由」「民主」とは名ばかりの、国民の経済的自由を奪う政治勢力に堕したといえる。
■幸福実現党は、「日本亡国」につながる消費税法案の否決へ向けて、引き続き増税阻止に向けた論陣を張っていく。
幸福実現党の声明の通り、この法案は否決されることが望ましい。国民の生活にとってはもちろんのこと、財政再建にとっても、結局は百害あって一利なしだからだ。
民主党は18日、今回の法案を成立させるため、本来21日までの国会の会期を延長する方針を自民・公明に伝えたが、依然として21日中の衆院裁決を目指している。
この悪法を成立させてはならない。「経済成長」を否定する"貧乏神思想"を追い出し、幸福実現党が主張するように、金融緩和・成長戦略を実行すべきである。(晴)
【関連記事】
2012年6月16日付本欄 【新聞読み比べ】消費税増税3党合意 マスコミはどう責任とるか
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4438
2012年4月14日付本欄 本末転倒、増税したいがための景気対策
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4124
アウン・サン・スー・チー氏の「民主化への不屈の精神」――最後は自由が勝つ!
ミャンマー民主化の闘士、アウン・サン・スー・チー氏は16日、1991年に受賞したノーベル平和賞の受賞演説の舞台に立ちました。当時は自宅軟禁で授賞式に参加できず、今回約21年ぶりに実現しました。(6/18 朝日「スー・チー氏がノーベル平和賞受賞演説、21年ぶりに実現」⇒http://goo.gl/N74e4)
ミャンマー(1988年までは「ビルマ連邦社会主義共和国」と呼ばれる)は、1988年に民主化要求デモにより26年間続いた社会主義政権が崩壊しましたが、国軍がデモを鎮圧するとともに政権を掌握。軍事政権時代が続きました。
1990年には総選挙が実施され、スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したものの、軍事政権は政権移譲を行わないばかりか、89年7月から通算15年にわたってスー・チー氏を自宅軟禁下に置きました。
今回、スー・チー氏にとっては24年ぶりの欧州訪問となり、オスロ市内での受賞演説では「ノーベル平和賞の受賞は、自宅軟禁で自由を奪われた私の心を開き、現実と向き合う力を与えてくれた」と話しました。
スー・チー氏は、母親の病気見舞いで帰国した1989年、多数の死者を出した民主化デモに遭遇し、旧ビルマ独立に命を捧げ、今も国民に敬愛されるアウン・サン氏の娘というカリスマも備え、国民民主連盟(NLD)の指導者に祭り上げられました。
当時は学生たちの民主化デモに軍が弾圧、無差別に発砲し、多くの命が奪われていました。僧侶も逮捕され、獄中で惨い拷問を受けていました。
スー・チー氏は、89年逮捕後から軟禁状態に置かれましたが、不屈の精神で民主化を目指し、その姿は弾圧に苦しむ国民の精神的支柱となりました。平和賞がミャンマーの民主化運動に世界の関心をひきつけたことは大きな成果だと思います。
ミャンマーは昨年3月に民政に移行しています。スーチー氏はミャンマーの状況を「前向きな変化が起き、民主化に向けたステップが取られている」としながらも「釈放されていない無名の囚人(政治犯)がたくさんいる」として、早期の釈放に向けて政権に圧力をかけるよう呼びかけています。(6/16 朝日⇒http://goo.gl/fak0l)
世界は今後とも、ミャンマーの民主化の過程を見守っていく必要があります。
さて、圧政下にあって受賞式に出られなかったスー・チー氏の演説が実現したことを受け、やはり注目したいのは、2010年に受賞した獄中の中国の民主活動家の劉曉波(りゅう・ぎょうは)氏です。
当時の中国政府の「犯罪者への受賞だ!」という猛反発ぶりには世界中が驚きました。中国の圧力はひどく、授賞式を欠席する各国大使が続出するほどでした。もちろん劉氏の家族の出席も許されません。
さらに中国は対抗して「孔子平和賞」を創設し、ノルウェーとの自由貿易協定(FTA)交渉を打ち切りました。
そして、今月15日、中国共産党機関紙は「ノルウェーは傲慢さの代償を払え」と断じ、1年半たってもなお報復的措置を緩める気配はありません。もちろん今も劉氏は投獄されたままです。
中国においては、スー・チー氏の受賞演説も「劉氏を想起させかねないので報道は規制されている」ということです。
「アラブの春」やミャンマーをはじめ、各国の民主化への移行や変化に、世界のどの国よりも警戒感を強めているのが中国です。中国では、人権派弁護士や民主活動家に対する監視も強化しています。
スー・チー氏は「我々の究極の目的は誰もが自由で平和に暮らせる世界を作り上げること」と話しました。「自由を求める心」は国や言語を越えて共通します。肉体の死をもってしても守り抜きたいのが「自由」なのです。
中国や専制政治に苦しむ国の解放を願い、今こそ、自由を愛し、民主主義的価値観を共有する国どうしで協力を強化していくことが大事です。
最後は自由が勝つ!――そう確信する、スー・チー氏の受賞式でした。(文責・竜の口法子)
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