私は、この順で行くと五人目の最後です。
私は、ジワジワ迫ってくる恐怖に布団を被り直して、ジッとしていました。
四人が終わったようです。
そして、いよいよ私の番です。
看護婦さんが、私の寝ているベッドに近付いて来る気配がします。」
たまちゃんの声が、話している途中から段々小さくなって来ました。
「 看護婦さんは、私のベッドの横までやって来ました。
少しの間、沈黙の時間が流れました。
多分、看護婦さんは私のベッドの横に立って、私を見下ろしていたのだと思いま
す。
それは、とても長い時間に感じられました。
ここまでやって来る前に逃げ出せばよかったと後悔しました。
私は、布団を掴んでいる手に汗が滲んで来るのが分かりました。
そして、被っている布団が、看護婦さんに引っ張られて、下に徐々にずらされ
て来るのが分かりました。
私は、看護婦さんの顔を見るのが怖くて、ジッと眼を瞑っていました。
私の顔が布団から出て、看護婦さんが屈みこんで、私の顔を覗き込みなが
ら・・・・。」
子分たちは、小さな声が聞こえるように、たまちゃんの方に顔を近寄らせました。
「 おまえだ~~!!」
たまちゃんは、突然、大きな声を出して、なんじゃ殿様の首を絞めました。
「 ぎゃ~っ!!」
「 うわっ!!」
なんじゃ殿様は、引っ繰り返りました。
みんなビックリして、仰け反りました。
リヤカーがグラグラ揺れています。
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