日々の恐怖 12月1日 足に関わる話
関西在住のYさんの話です。
京阪の四条駅の側の橋でこんな経験しました。
10年以上前ですが、家に帰るべく駅へ急いでいました。
いつもなら、夜遅くでも人気があるのに、その時に限って人気がありません。
橋の上で後ろから足音がしました。
ゴルゴ13ではありませんが、後ろを取られるのは好きではありません。
靴紐を直すふりをして、しゃがんで先に行かそうとしました。
足音は一瞬、立ち止まりました。躊躇の気配がありました。
それから足音は再び歩を進めました。
その時、気付いたのですが、足音はヒタヒタと言う裸足で歩く感じのものでした。
足音は私の横をすり抜けて行きました。
足音の主の姿は見えませんでした。
ただ、足音のみが遠ざかって行きました。
足に関わる話でもうひとつ。
私の趣味の1つにエアーガンを使ったサバイバルゲームというものがあります。
いい年をした大人が迷彩服に身を固め、おもちゃの鉄砲を撃ち合う遊びなのですが、結構はまる人が多くて、私もここ10年近く、大阪の服部緑地公園で土曜の深夜に仲間と楽しんでおりました。
4年ほど前の とある深夜のことでした。
時間は夜中の2時を過ぎたころ、雑木林のなかで前線に孤立した仲間の援護のために、私は林の中を30メートルほど全力疾走しました。
夢中で走っておりましたが、後ろから足音もしていますから、味方も一緒に援軍に駆けつけてくれているものだと思っていました。
必死の思いで、孤立した仲間の場所にたどり着き、一気に木の根元に隠れて、すぐに後ろを振り返った私が見たものは、なんと落ち葉が、まるで透明人間が歩いているかのように、交互にへこみながら、その足跡が私の方に向かってくるのです。
そのへこみは、私の直前で、突然終わりました。
最後にへこんだ場所(目の前)を必死で凝視しましたが、なんの痕跡もありません。
正直に言って、そのへこみは大人の体重が掛かった大きさではなく、小さなものでしたが、はっきりと左右交互にへこみながら、こちらに近づいてくる様は異様でした。
不思議なもので、おもちゃとは言え、鉄砲を持っていると、気が大きくなるもので、恐怖感はそれほどなく、理解できないものを見てしまったことによる疑問で頭はいっぱいでした。
普段の私は、信仰心も無く、幽霊も、怪奇現象も信じない人間ですが、この体験だけは、理解できなくて困っております。
なお、この場所は現在は整備が進み、一面の芝生になってしまいました。
昼間は子供の遠足や写生会で賑わう大きな公園ですが、夜中は寂しい場所で、昨年の年末には20歳過ぎの男子の首吊り死体をゲーム中に発見してしまいました。
この方が100倍怖かったです。
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