日々の恐怖 9月3日 防犯カメラ(3)
そこまで聞いて先輩が、
「 分かりました。
一応そちらに向かいます。」
と伝えました。
警備員が、
「 ありがとうございます。
今電話しながらカメラを見たんですが、やっぱりいます。」
と若干震える声で言ってきたので、
「 とりあえず自分が向かうまで警備室に待機しててください。
なんらかの事件の可能性がありますので。」
そう言って同僚(友人の同僚)に、
「 ちょっと行ってくる。」
と簡単に通報の内容を告げて、マンションに向かったそうです。
マンションに着いて、警備室に向かうと警備員が安堵した様子で話しかけてきました。
「 待機している間ずっとカメラを見ていましたが、女性は微動だにしていません。」
そう言ってカメラの前まで先輩を案内すると、女性の映っているカメラを指で指し示します。
「 確かに血塗れみたいですね・・・。」
「 でしょう?
いや、良かった。
実は自分にだけしか見えてなかったらどうしようかと・・・・・。」
少し余裕が出てきたのか警備員が笑って言います。
「 それでどうしましょうか?」
「 そうですね、私が一回見に行きましょう。
それで警備員さんはカメラを見ていてください。
もし逃げれらても、どっちに逃げたのかそれで分かりますから。」
先輩がそう言うと、警備員が非常階段の方から3階に向かったほうが良いと言いました。
これならエレベータを使って逃げるのなら何階で降りたか分かるし、階段で下に逃げたのなら、カメラを見ている警備員が警備室から出てすぐに捕まえに行ける、上に逃げたのならそのまま追いかけれるから効率が良い、とのことでした。
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