大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 8月30日 東京都板橋区(2)

2019-08-30 18:29:49 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 8月30日 東京都板橋区(2)



 ところが、その部屋で寝起きしている佐藤さんだけは、老婆の幽霊を見ない。
親父と鈴木さんが、

「 佐藤、変なもの見たことないか?」

というと、佐藤さんは、

“ きょとん・・・・??”

とするばかり。
 それで、引っ越して1ヶ月して、親父と鈴木さんが黙っているのも悪いと思って、老婆の幽霊を佐藤さんに話した。
 すると、佐藤さんは、

「 う~ん・・・・・・・・。」

と考えてから、みかん箱を部屋の中に置いて、上にワンカップを置いて、

「 先に住んでいるおばあさん、ごめんなさい。
でも、俺は貧乏だから、どこにも行き場がない。
だから、申し訳ないけど、大学を卒業するまでは、この部屋に住ませてもらえないでしょうか?
 毎日お供え物をするのは無理だけど、田舎からお茶とお米だけは送ってくるので、それだけは供えます。
バイト代が入った時には、お花を一輪と、ワンカップをひとつ買ってきます。
どうか、よろしくお願いします。」

と言った。
 親父と鈴木さんは、

“ なに、やってんだろうな、こいつ・・・・。”

と思ったが、佐藤さんが真面目にやっていたので、一緒にそのみかん箱に頭を下げた。







童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------