日々の恐怖 7月17日 昼寝(3)
俺は、何となく、
“ あれかな・・・。”
と思った。
実は数日前、同僚と飲んでいる時に昔話になった。
その時、俺は小学校の時の同級生の話をした。
Bちゃんと言って、目付きが鋭くいつも怒っているような恐い顔の女の子だった。
特に虐められていたとかそんな事はなく、普通に皆んなと仲の良い女の子だったが、ある時交通事故で亡くなった。
その葬式に出た時に、同級生の誰かが、
「 Bちゃんの写真の顔が恐い。」
と言い出した。
確かに白黒の写真は、いつも以上に目付きが鋭く恐い顔だった。
俺も同級生に合わせ、
「 めちゃくちゃ恐いな。」
と言った瞬間、耳元で、
「 こわくないよ。」
とBちゃんの声が聞こえた。
そんな話をした。
それで、
“ ああ、Bちゃんが怒って来てるんだ。”
と思い、直ぐに、
「 Bちゃんごめんなさい、ごめんなさい。」
と、空中に謝った。
その後は特に変わった事はなかったが、何となくAさんに会うのが怖くなってしまった。
ちなみに後日、嫁がAさんに縁側での出来事を聞いたが、昼間はインターホン鳴らしても出ないから本当に直ぐ帰ったとか。
おまけに、
「 勝手に庭に入らないわよ。」
と笑われたらしい。
嫁は絶対に夢と言うが、俺はAさんがわざと話を誤魔化しているようにしか思えなくて、感謝するべきなんだろうけど、どうしていいのか分からず、何だか釈然としないまま今もいる。
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