日々の恐怖 7月28日 地味な子(1)
友人M子が、ある日突然すごいイメチェンをして登校してきた。
仲間のM子は、それまで化粧やおしゃれに興味がなく、常にスッピンで髪も染めず伸ばし放題で、服も黒系統の地味な服を着てくることが多かった。
そんなM子が突然化粧ばっちりして来て、服やアクセサリーも派手な感じで、髪もばっさり切って明るいショートにして、おまけにパーマもあててくるという大変身を遂げ、周囲の友人はみんな驚いていた。
私も、つけまつ毛バシバシで胸ぐりが開いたキャミ&ショーパンといった、おしゃれというよりはケバくなったM子を見て、はじめはM子だと分からずドン引いた。
当然、私を含めた友人みんなが、どうしていきなりおしゃれ?に目覚めたのかM子に聞いたが、M子はいつもお茶を濁していた。
元々M子はおとなしい性格で、友人たちも似たような性格の子が多かったため、次第にM子は周囲から敬遠されて孤立していったが、それでもケバファッションをやめなかった。
その後しばらくしてM子が学校に来なくなり、
「 悪い恋人ができて駆け落ちした。」
「 お水なバイトをはじめた。」
「 借金ができて夜逃げした。」
などという嫌な噂が広まったが、M子は退学してその町から去り、その噂もすぐに消えた。
そして、私もその後二か月程で、両親の仕事の都合で、その町を去った。
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