日々の恐怖 6月17日 妹の話(2)
父は気のせいだろと言い、相手にはしてくれませんでしたが、学校が終わり帰ってくると母が青ざめてました。
「 天気いいから窓を開けといたんよ。
そしたら知らない人が縁側に座ってて話しかけてきたんで、近所の人かと思ったらいきなりおかしくなって・・・。」
空中を見上げ突然笑い出し、大声で威嚇されたらしい。
「 変よこの家、もう嫌。」
母は父に事の顛末を話したが、父は一軒家を買ったのにそんなにすぐに引っ越しできるかといい取り合ってくれませんでした。
しかも、そのあと何度もその変な人が現れたと聞きました。
そしてこの剥製の家にすんで5年たったある日、夜中に私は目を覚ましました。
チャイム音と窓をたたく音が聞こえるのです。
” ピンピンピンピンピン・・ドンドンドンドン!!バンバンバンガツン!”
ピンポンを最後まで鳴るよりも先に連打していて、手で窓を叩いているかと思ったら足で蹴っ飛ばしてるような音も聞こえ怖くなりました。
そんな騒音の中、兄は寝たまま起きなかったのです。
肩をゆすっても、声をかけてもただ静かに寝ていました。
私はリビングに行き、防犯カメラを起動しました。
カメラには何も映ってなかったのです。
でもその間にもピンポンの音、叩く音はなっています。
両親の寝室に行き、電気をつけて声を掛けました。
すると兄とは逆にすぐに起きてくれて、玄関まで走っていきました。
玄関で父が大声で怒鳴っているので誰かいるのかと思いカメラで確認していたら父が一人で怒鳴っている姿が見えました。
戻ってきた父に誰と話していたのか聞くと、知らないおっさんのホームレスが金か要らないものがないか尋ねてきたというのです。
でもカメラには父しか映っていないのです。
後で知ったのですがこの剥製の家の前の持ち主が一人暮らしのおじさんで2年くらい前からホームレスをしていたそうです。
その人が、数日前に川の近くで亡くなっていたそうです。
そして、いまだに変な現象に悩まされながら、皆気にせずに暮らしています。
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