大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 11月10日 国有鉄道宿舎(2)

2024-11-10 10:09:12 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 11月10日 国有鉄道宿舎(2)





 日は山に沈もうとしている。
私は、

” 一見してのどかでいい街だなぁ・・・。
転校してこの街に来たら、どんな毎日だったかなぁ・・・。”

と考えながら、玄関を出て通りまで歩いて自販機のジュースを買って戻ると、
縁側に座った母が驚いて声をかけて来た。

「 今までお前がトイレから風呂場にかけて掃除をしていたのではないか?
下から登って来たから驚いた。
今の今まで音がしていた。」

という。
 私は縁側から駆け上がってトイレから風呂場、台所、寝室と見て回ったが、
何の姿も無かった。
私がさっきトイレから出たら人の気配がしたと母に告げると、とりあえず戸締り
をきちんとして暗くならないうちに帰ろうということになった。
 台所の窓を閉める時、北側の斜面の高いところに墓地が見えた。
上の方に墓地があると母に言うと、斜面の上に寺があると言う。
鍵をしっかり掛けて、この日は帰った。
 父が単身赴任生活を始め、宿舎と機関区、休日は自宅宿舎のある管理局のある
街と、三角ベースのような動きをして三ヶ月くらいが経った頃、

「 あの宿舎にはちょっとお化けのようなものが出るような気がする。」

と言い始めた。
そして、

「 夜寝るのに電気を消すと、障子に人影が写るので、電気を点けて勢いよく障
子を開けると誰もいない。
気のせいかと障子を閉めて電気を消すとまた人影が写る。
気持ち悪いので電気を点けたまま床に就こうとすると、今度は襖を誰かが叩く。
開けようとすると開かないのだ。
食事も外で済ませ、洗濯と入浴だけ宿舎でして、機関区の仮眠室で寝ている。」

というものだった。







 
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