一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

鯨を逸して鶴を得る

2005-04-11 | 飲んだり食べたり
先日酒屋をのぞいたら、酔鯨の純米が置いてあった。
しかしそのときは残念ながら荷物がいっぱいで買うのを断念。

しかし今日酒屋をのぞいたら
既に完売
何本かあったので油断した・・・


しかし、気を取り直して棚を眺めると、土佐鶴の承平が置いてあった。

地元のお気に入りの和食店でのスタンダード。普通の本醸造(精米歩合70%)だが、冷やで飲んでも雑味は感じられず、すっきりとした中に味わいがある酒という印象がある。

なにより1,900円とコストパフォーマンスは抜群。

急に元気になって家に帰る


家に帰って包装紙の後ろを見ると、「土佐鶴」の由来が書いてあった


今を去る千有余年の昔、土佐国司の任を終えた紀貫之は帰洛の途上、蒼海と松原に舞う鶴の一群を眺め、土佐への慕情たっぷりに一篇の歌を詠みました。

 「見渡せば 松のうれごと 棲む鶴は 千代のどちとぞ おもふべらなる」

土佐鶴の酒銘はこの歌の吉兆鶴にちなみます


土佐日記blogさんから引用させていただくと

<「土佐日記」原文>

 かくて宇多の松原を行き過ぐ。その松の數いくそばく、いく千歳経たりと知らず。元ごとに浪うち寄せ枝ごとに鶴ぞ飛び交ふ。おもしろし、と見るに堪へずして、舟人の詠める歌、
 「見渡せば松のうれごとに棲む鶴は千代のどちとぞ思ふべらなる」
 とや。この歌は所を見るに、えまさらず。

<現代語訳>

 こうして宇多の松原を行き過ぎました。その松の数はどれほどなのか、何千年たっているのかわかりません。根元ごとに波が打ち寄せ、枝ごとに鶴が飛び回っています。いいなあ、と見ているうちに我慢できなくなり、船の中の人が詠んだ歌。
 見渡すと、松の枝ごとに住む鶴は、松を千代の友と思っているみたい
 この歌は、実際の場所と比べてみれば全然及びません。



紀貫之が謙遜するほどの景色だったのでしょう。


ついでにわかったのは「承平」の由来。
土佐日記にある紀貫之が国司の館を出発した承平4年の年号から来ているようだ。


こういうことを知れば、お酒の味わいも更に深まるかな?
コメント
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