ライブドア問題の陰に隠れているけど、コクド・西武鉄道も実はかなり問題なんじゃないかと思う、という話。
朝日新聞(アエラ)の記事をもとに西武鉄道を巡る経営再建策をおさらいすると
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株主偽装問題で西武鉄道の上場廃止が決まった後の昨年11月、約1兆4000億円の有利子負債を抱えるとされる西武・コクドグループを立て直そうと、メーンバンクのみずほコーポレート銀行が主導して「経営改革委員会」が設けられた。
委員長は、同行前身の旧日本興業銀行出身の諸井虔太平洋セメント相談役で、みずほコーポレートの幹部が委員に就くなど、「みずほ色」の濃い陣容。
その経営改革委が1月末にまとめた中間報告には、西武鉄道株の約70%を持つコクドを、堤家の資産管理会社(BADコクド)と事業会社(GOODコクド)に分け、GOODコクドを西武鉄道と合併させる案が盛り込まれた。
同時に2000億円規模の増資をし、旧コクドを支配していた堤家は持ち分数パーセントの少数株主に転落。GOODコクドと合併した新・西武鉄道は株式を再上場し、新たな増資先を含めて株主は上場益を得る、というシナリオ。
西武鉄道は約8000億円の負債はあるが、単体決算は黒字の優良企業。一方、約4000億円の負債があるとされる親会社のコクドは、非上場のため詳細な経営内容は不透明だが、バブル崩壊後の地価下落などで資産はかなり傷んでいるとみられている。そのコクドと西武を合併させて再生させようというわけ。
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でもさ、これって一時期話題になった、ライブドアのフジテレビに対するLBOと同じ構図なんじゃないか?
朝日新聞の言うようなLBO(俗にいうLBOとはちょっと違うんじゃないかとは思うけど)すなわち支配株主が自分の借金を買収する子会社の資産の売却によって返す、のと同じ。
違いは親会社の融資元がシナリオを書いているってとこだけ。
これに対しては、他の融資行(東京三菱、三井住友)は文句を言っているらしい。
さらに村上ファンドの村上氏は
*******************************
「改革委は西武、コクドの資産が複雑に絡み合っているので『一体再生』と言いますが、本当でしょうか。西武は、プリンスホテルが立つ赤坂、高輪、品川などの不動産を持っていて、これらの都心の不動産価値を私は1兆5000億~2兆円と見積もっています。不良資産のあるコクドを優良資産を持つ西武と一緒にするのは、西武の株主から見ておかしい」
という。
確かに村上氏の言うことは、動機はさておき筋は通っている。
2000億円規模の増資計画で、みずほが持つ西武・コクド向け債権を株式に転換する手法(デット・エクィティ・スワップ)がとられれば、みずほはニューマネーをつぎ込まずに、将来の上場益を手にすることができる。
*****************************
冷静に考えると、コクドの不始末で手元の株券が上場廃止になった西武鉄道株主は、コクドの債権者を救う義理はない。
普通はこういう場合、民事再生を申し立てて、借金をチャラにし、資本金を減資して(=株主&債権者に痛みを分かち合ってもらって)再建計画を立てるんじゃないだろうか。
なおかつデット・エクィティ・スワップを使えば、自分の焦げ付きそうな債権が健全西武の株式になる、というのも、不公平な気がする。
これこそ「少数株主の権利をないがしろにしている」典型例なのではないか。
でも、マスコミはこの件は飽きた感じ。
そうすると、ニュース配信を既存のメディアに依存しているプロバイダのサイトでもニュースにならない
⇒blogでも取り上げられない
となってしまうが、本当にいいのだろうか。
ちょっと気になるネタではある。
PS
ところで、上の例でのみずほのやり口はどうかと思うが、一方村上ファンドも、上の記事を読むと、みずほに油揚げをさらわれたことに文句を言っているが、結局商談がうまくまとまらなかった(詰めが甘かった)のを、一般株主の大義名分は自分にあるとして経営者を批判するのも、どうかと思うけど。
朝日新聞(アエラ)の記事をもとに西武鉄道を巡る経営再建策をおさらいすると
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株主偽装問題で西武鉄道の上場廃止が決まった後の昨年11月、約1兆4000億円の有利子負債を抱えるとされる西武・コクドグループを立て直そうと、メーンバンクのみずほコーポレート銀行が主導して「経営改革委員会」が設けられた。
委員長は、同行前身の旧日本興業銀行出身の諸井虔太平洋セメント相談役で、みずほコーポレートの幹部が委員に就くなど、「みずほ色」の濃い陣容。
その経営改革委が1月末にまとめた中間報告には、西武鉄道株の約70%を持つコクドを、堤家の資産管理会社(BADコクド)と事業会社(GOODコクド)に分け、GOODコクドを西武鉄道と合併させる案が盛り込まれた。
同時に2000億円規模の増資をし、旧コクドを支配していた堤家は持ち分数パーセントの少数株主に転落。GOODコクドと合併した新・西武鉄道は株式を再上場し、新たな増資先を含めて株主は上場益を得る、というシナリオ。
西武鉄道は約8000億円の負債はあるが、単体決算は黒字の優良企業。一方、約4000億円の負債があるとされる親会社のコクドは、非上場のため詳細な経営内容は不透明だが、バブル崩壊後の地価下落などで資産はかなり傷んでいるとみられている。そのコクドと西武を合併させて再生させようというわけ。
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でもさ、これって一時期話題になった、ライブドアのフジテレビに対するLBOと同じ構図なんじゃないか?
朝日新聞の言うようなLBO(俗にいうLBOとはちょっと違うんじゃないかとは思うけど)すなわち支配株主が自分の借金を買収する子会社の資産の売却によって返す、のと同じ。
違いは親会社の融資元がシナリオを書いているってとこだけ。
これに対しては、他の融資行(東京三菱、三井住友)は文句を言っているらしい。
さらに村上ファンドの村上氏は
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「改革委は西武、コクドの資産が複雑に絡み合っているので『一体再生』と言いますが、本当でしょうか。西武は、プリンスホテルが立つ赤坂、高輪、品川などの不動産を持っていて、これらの都心の不動産価値を私は1兆5000億~2兆円と見積もっています。不良資産のあるコクドを優良資産を持つ西武と一緒にするのは、西武の株主から見ておかしい」
という。
確かに村上氏の言うことは、動機はさておき筋は通っている。
2000億円規模の増資計画で、みずほが持つ西武・コクド向け債権を株式に転換する手法(デット・エクィティ・スワップ)がとられれば、みずほはニューマネーをつぎ込まずに、将来の上場益を手にすることができる。
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冷静に考えると、コクドの不始末で手元の株券が上場廃止になった西武鉄道株主は、コクドの債権者を救う義理はない。
普通はこういう場合、民事再生を申し立てて、借金をチャラにし、資本金を減資して(=株主&債権者に痛みを分かち合ってもらって)再建計画を立てるんじゃないだろうか。
なおかつデット・エクィティ・スワップを使えば、自分の焦げ付きそうな債権が健全西武の株式になる、というのも、不公平な気がする。
これこそ「少数株主の権利をないがしろにしている」典型例なのではないか。
でも、マスコミはこの件は飽きた感じ。
そうすると、ニュース配信を既存のメディアに依存しているプロバイダのサイトでもニュースにならない
⇒blogでも取り上げられない
となってしまうが、本当にいいのだろうか。
ちょっと気になるネタではある。
PS
ところで、上の例でのみずほのやり口はどうかと思うが、一方村上ファンドも、上の記事を読むと、みずほに油揚げをさらわれたことに文句を言っているが、結局商談がうまくまとまらなかった(詰めが甘かった)のを、一般株主の大義名分は自分にあるとして経営者を批判するのも、どうかと思うけど。