一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

さらば立美堂

2007-02-18 | 自分のこと
昨日の葬儀の帰り道。
町屋は唯一残った都電荒川線が通っています。

私が小さい頃の家の最寄り駅はJR(当時は国鉄w)大塚近くの荒川線の停留所でした。
懐かしくなって都電で行くことにしました。


荒川線はそのほとんどが専用軌道なので廃線を免れた線ですが、地元の人の足としてかなり利用されているようです。町屋から王子までは座席はほぼ満席でした。

社内には車椅子の方が2名ほどいました。
改めて注意してみると、路面電車はホームとの段差がなく、ホームと地上の間も50cmくらいしか高低差がないので緩やかなスロープになっている、いわば完全バリアフリーの交通機関なんですね。

また、車内アナウンスで知ったのですが荒川線の定期券は使用者の指定がなく、持参人なら誰でも使用できるそうです。こんな工夫も利用者増に役立っているのかもしれません。



昔の最寄り駅で下車


街の風景はかなり変わっていましたが、銭湯がまだ残っていたのには驚きました。
昔よく出前を取った蕎麦屋もありました。


そこから商店街に出て訪ねたのが一件の本屋さん「立美堂」



ここは僕が子供の頃、毎日のように通ってはマンガを立ち読みしていたところでした。

矢吹丈が真っ白な灰になったのを見届けたのも、がきデカの練馬変態クラブの振り付けを覚え、マカロニほうれん荘の爆発力などを目の当たりにしたのもこの本屋です。

昔はこの半分の間口の狭い店で、そこで2,3時間も立ち読みをしていたら、店員のお兄さんが「椅子貸してやろうか?」と暖かい声をかけられたこともあります。
ホントに毎日といっていいくらい通いつめ、マンガの棚は少女マンガを除いてほぼ読破し、新入荷本も片端から読んでいました。
鷹揚な時代と鷹揚な本屋さんでした(でも店名は「立見堂」ではないですよ)。


先日雑誌「散歩の達人」で大塚が(巣鴨・駒込とともに)特集されているのをぱらぱらとめくったらこの店が取り上げられていて、しかも3月で閉店するとのこと。
閉店前に一度行かなければと思っていました。

店に入ると、当時椅子を勧めてくれたお兄さん(オーナーだったんですね)と会うことができました。30年ぶりなので当然歳はとっていましたが、面影とポニーテールの髪型はそのままでした。

懐かしのマンガコーナーをのぞくと、閉店間際だからかもしれませんが、最近の店には珍しく漫画本に立ち読み防止のシュリンクをかけていないあたり、昔のままだなぁと懐かしく思いました。

本を1冊買ってレジで立ち話。
やはり小さい書店は経営が難しいようで、これかれは図書館などへの配達をメインにして店はたたむことにしたそうです。
「閉店間際なので在庫が少なくてすみませんね」と謝られて、こちらが恐縮してしまいました。
子供のころにお世話になったお礼をして、昔の間口の狭い店の思い出話などを少し。40年の歴史があるそうで、僕の知っている店も最初の店から移転したものだったとはじめて知りました。

3月15日が閉店ということなのでそれまでにもう一度は足を運ぼうと思います。
コメント (10)
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