昨日千葉でタクシーに乗って、11月からタクシーが全面禁煙になるということを知りました。
知らなかったのですが、タクシーの禁煙化はかなり進んでいるようです。
千葉県も11月からタクシー禁煙へ
(2007年8月29日23時51分 日刊スポーツ)
千葉県の法人、個人の両タクシー協会は29日、協会加盟のすべてのタクシー約7600台を11月から全面禁煙にすると発表した。神奈川県は7月に先行、来年1月には東京都の法人タクシーでも始まる予定。
法人タクシーの全国組織「全国乗用自動車連合会」によると、都道府県単位の禁煙は、神奈川のほか、長野、大分、静岡で既に始まっており、山梨、富山、岐阜、愛知でも導入が決まっている。
東京でも実施されるんですね。
非喫煙者の私としては歓迎です。
一方で東京のタクシーは値上げも決まりました。
都内タクシー、12月値上げ 初乗り710円
(2007年10月19日(金)13:28 朝日新聞)
加算運賃を含む値上げ率は7.22%で、初乗りの上限運賃は現在の2キロ660円から同710円、加算運賃は現在の274メートルあたり80円から、288メートルあたり90円になる。値上げは10年ぶり。
初乗りでも10円玉を用意しないといけない(おつりが90円と小銭が増えてしまう)というのが相変わらず面倒くさいという瑣末な問題のほかに、毎日新聞の解説記事タクシー値上げ:規制緩和、思惑外れでは以下のような問題を指摘しています。
◇参入増え過当競争
「運転手の取り分は年30万円程度の増加にしかならず、他産業との賃金格差はまだ埋まらない」--。業界団体の東京乗用旅客自動車協会の堀清孝広報委員長は値上げを評価しつつ、上げ幅に不満を隠さない。
聞くところによると、運転手の歩合は会社によってバラバラらしいので、値上げした分運転手に還元されるかどうかわかりません。給料が安くてもなり手がいるのであれば上がりにくいということになってしまうと思います。
◇運転手「客離れ心配」
「値上げで生活が楽になるかどうかは会社の判断次第。むしろ利用者が減るのではと心配」。
その意味ではインタビューに応じた運転手さんの「会社の判断次第」というところが実感なんでしょう。規制緩和をしたので賃金水準まで役所は言えないでしょうから。
一方で客が減るかについては、この前乗った個人タクシーのベテラン運転手さんの話では、今まで何回も値上げのたびに「客が減る」と騒がれたがそんなことはなかったそうです。客の増減は景気のよしあしの影響が一番大きいとか。
個人タクシーは深夜専門の人が多いのでそういう実感でしょうが、運転手一人当たりの売り上げでいえば、新規参入による台数増の影響の方が大きいようにも思います。
新規参入は地方の会社が東京に、というMKタクシーのようなものもありますが、多くは運送会社の転業が多いそうです。
運賃の上げどまりやトラックへの投資や駐車場など既存のインフラを転用できることを考えるとタクシーへの転業の方がまだもうかるらしいです。
◇割引合戦続く大阪
これまでに値上げが決まったのは、全国90地区のうち13地区。ほかに34地区が審査中だ。しかし、値上げする東京地区を尻目に、過当競争ともいえる激戦が続き、値上げ申請すらできない地区も多い。
その一つが大阪だ。現在は95%のタクシーが「運賃5000円を超過した分は半額」となる割引を採用するなど、業界全体が共倒れ寸前の状況。運転手の賃金は毎年減っており、男性の平均年収は約327万円だ。
確かに大阪に行くと特に夜の盛り場は客待ちの空車があふれています。
「運賃5000円を超過した分は半額」というのは確かにかなり大胆な料金設定ですね(大阪だと家がそんなに遠くないのでこの料金が適用される人は少ないのかもしれませんが)。
でも、そこまでの過当競争にもかかわらず車の台数が減らない、というのはなぜなのでしょうか。個々の会社にとっては売り上げ減になるのと売り上げ減の約半分は運転手の歩合の減少なので固定費はまだまかなえるということからで我慢比べをしているのでしょうか。
なんとなくどこかに合成の誤謬が生じているような感じがします。