といっても宮崎県知事の話ではありません。
守屋前次官「随意契約でいい」 接待業者を推す
(2007年10月21日(日)08:36 朝日新聞)
防衛省の事務次官だった守屋武昌氏(63)が在任中の今年7月、航空自衛隊次期輸送機CXのエンジン調達をめぐって、新興の軍需専門商社「日本ミライズ」(東京都港区)と「随意契約すればいいじゃないか」と、天の声とも受け取れる発言をしていたことがわかった。このエンジンは総額で1000億円近い大型案件。不透明な取引とみられないよう競争入札の方向だと部下は説明したが、それでも同社に便宜を図るよう促した。日本ミライズの社長(69)は「山田洋行」(同区)の専務時代に守屋氏をたびたびゴルフ接待しており、こうした親密な関係がミライズ寄りの発言になったとの見方が出ている。
小池百合子大臣と留任騒ぎでもめた守屋前防衛事務次官ですが、「大物次官」という報道の割には失礼ながらあまりぱっとしない人相風体なので、省内の人心を掌握しているとか、ものすごい切れ者で防衛政策に通暁し各国の国防関係者の受けがいいとか、「外務省のラスプーチン」と言われた佐藤優氏のような理論+政治家との太いパイプがあるとかいろいろ想像していました。
ところが最近の汚職疑惑報道が事実だとすると、かなりオールドスタイルの大物というか単なる「悪者」だったようです(当然有能な部分もあるのでしょうが)。
これでは見たまんまで、意外性がなさすぎです。
一方で相方の小池元防衛大臣は相変わらず元気です。
小池・元防衛相が「暴露本」 守屋氏との暗闘、赤裸々に
(2007年10月19日(金)19:01 朝日新聞)
自民党の小池百合子元防衛相が、人事をめぐる守屋武昌・前防衛事務次官との確執の内幕を記した「女子の本懐~市ケ谷の55日」(文春新書)を出版した。小池氏は失言で辞任した久間元防衛相の後任として7月に就任し、8月末まで女性初の防衛閣僚を務めた。守屋氏については「官邸を自由に泳ぎ回り、私の人事案阻止を訴えていた」とし、「これでは『ひとり二・二六』」と厳しく批判している。
著作の中で小池氏は、守屋氏に次官を退いて同省顧問に就くよう勧めた際、「顧問では生活できない」と拒否されたことも紹介。「女性の新参大臣は赤子の手をひねるようなものだと考えたのだろうか」と振り返った。
安倍前首相や塩崎恭久元官房長官とのやりとりも描いた。小池氏が辞表を示して人事案を決定するよう迫ると、安倍氏は「悲しそうな顔」をして「辞めるなんて言わないでください。お願いだから」と慰留したという。
「時の権力者を見つけてすり寄るのが上手い」という評判ですが、それに加えて、今度は「水に落ちた犬を見つけて真っ先に石を投げる」とか「踏み台になりそうな人物を見つけて真っ先に踏んづける」技術も身に着けたようです。
もっとも、やりすぎさえしなければ、それらは政治家としては必要なスキルのひとつではあると思います。
ただ、守屋前次官は制服組でもないし『ひとり二・二六』というのはネーミングとしては派手だけどはずしてますよね。
これでは、単なる話題づくりと思われても仕方ありませんよね。
それに、いちいち「女性の」というのをつけるのはやめたほうがいいと思うのですが・・・
こちらもなかなかスタイルは変えられないようです。