またまたアルモドバル映画。1988年スペイン作品
女優のぺパ
一緒に住んでいるイヴァンが留守電に「別れよう」というメッセージを残して消えた。
イヴァンは俳優で一緒に仕事をしている間柄。
大切な相談があるのになぜかすれ違ってばかり。
イヴァンはどうやら女と旅に出るらしく、元嫁とよりを戻したのかしら、と元嫁ルチアの家まで押し掛けるが有力な情報はない。
ぺパの部屋は不動産屋を通じて貸間にする予定で下見にやって来たのがカルロスとマリサ(中央)
カルロスはイヴァンの息子だった。
ついでに友人カンデラ(左)も押し掛けてきた。
カンデラは付き合っていた男が過激派だった、そして逮捕された、というテレビのニュースを見てパニック状態に。
ぺパの留守中電話をかけまくり。つながらないので思い余って押し掛けてきたのでした。
戻ってきたぺパがイヴァンのメッセージを期待しながら留守電を再生するとカンデラのメッセージばかりが入っていてブチ切れて電話を投げ飛ばす。
とまあ、クセの強い、隣に住んでいたらさぞかし騒がしいだろな~という面々。
そうこうしているうちに刑事がやってきて
なぜか刑事と一緒にルチアもやってきて(エレベーターでたまたま一緒になっただけですが)もうぐちゃぐちゃ。
ルチアもまたイヴァンがどこぞの女と旅行にいくらしいとの情報を得てそれはあんたでしょ!とぺパに脅し?をかけにきたのですが、
どうも第三の女がいるらしい・・・。
ルチア(カルロスの母、イヴァンの元嫁)役のフリエタ・セラーノは「ペイン・アンド・グローリー」でサルバドーレの母役でした。
はい、もめごとの元凶イヴァン
マンボタクシーの陽気なドライバー。
ぺパがタクシー捕まえようとするとやたら現れる。
ぺパが出演している洗濯洗剤のCMというのがありまして、
「私は殺 人犯の母です。息子の服は今日も血まみれ。でも〇〇で洗うと・・・ほら真っ白」
というブラックなCMで可笑しいです。
こんがらがって取っ散らかって、でも一生懸命な女たち。
カラフルでポップなファッションもインテリアもとてもステキでした。
最後にアントニオ・バンデラスはこの映画では・・・脱ぎませんっ
ものすごく久しぶりに「欲望の法則」を鑑賞。
アルモドバル監督の映画を初めて観たのがこの映画でした。その時はレンタルビデオ(VHS)で観たと思うのですが、今回DVDで鑑賞。
87年のスペイン映画。
映画監督パブロの新作の上映会が開かれ、観客のひとりがアントニオ。
映画に陶酔しきっているようでパブロにつきまとう。
パブロにはファンという恋人がいる。
右のカーリーヘアの男の子がファン。
ファンはしばらく田舎(海の家みたいなのをやっている)へ帰るので「手紙書いてね。浮気しないでね」
みたいなことを言って田舎へ帰ったけど、パブロはついついアントニオと関係してしまう。
このアントニオの「はじめて」のシーンがういういしくてやたらかわいいです。
アントニオとはちょっとした遊びのつもりだったけれど、アントニオの方は「本気」と書いてマジと読む?!
パブロの困惑も顧みずやたらと世話を焼きまくり、パブロのファンへの手紙を盗み見て嫉妬の炎を燃やす。
まずいと思ったパブロがやんわりと「君とは付き合えない」みたいな手紙を渡すも
「あれ、捨てたよ、本気じゃないでしょ?僕のこと好きでしょ?」
って感じで聞く耳を持たない。ポジティブといえばポジティブなんですけど思い込みが激しくて粘着質のどうしようもない困ったちゃんだったのです。
アントニオも実家へしばらく帰るので(実は田舎の名士のご子息)
「手紙書いてね。でも男の名前だと母が気にするから名前は女性名前にして」
と言われ仕方なくラウラ・Pという女性名で手紙を書くのですが、この女性名がのちのちややこしいことに発展します。
パブロ ファン アントニオの三角関係もどろどろですけどパブロの兄のティナ(右)がまた
「神学校で神父様に・・・」+「両親が離婚したのは私のせい、私とパパは・・・」という過去あり。
これ以上のどろどろってある?!
そして兄は姉になった・・・。演じているのはカルメン・マウラです。
この人もアルモドバル作品の常連ですね。
アントニオが思い込み激しくて粘着質で身勝手で・・・というとんでもないヤツなんですが、なぜか映画が終わるころにはいじらしくてかわいい存在に変わっていました。
この映画は初めて観たアントニオ・バンデラスの映画でもあります。
1985年の米映画「シュア・シング」をDVDで鑑賞。
東部の大学生ギブ。(ジョン・キューザック)
英語の成績が大変残念なことになっており、同級生で優等生のアリスンに泣きつく。
アリスンによる補習をしてもらうことになったもののさぼることばっかり考えているギブ。
さらに「女の子とよろしくやる」という下心バレバレで愛想をつかされてしまう。
夜空を見上げるギブとアリスン。調子よくて薄っぺら~な感じのギブですが星座の話をしている時だけちょっとカッコいい。
カリフォルニアの大学に進学した悪友ランスから手紙が来る。
” 夏休みにこっちへ来いよ。「シュア・シング(絶対オッケーの女の子)」がお前を待っている ”
で張り切ってカリフォルニアを目指すギブ。
ヒッチハイク広告で乗せてもらうことになった歌好きカップルの車にはなぜかアリスンが。
アリスンもまたカリフォルニアに住むボーイフレンドの元へ行くところで、カップルが元気に歌う車の後部座席で険悪なギブとアリスン。
険悪の次は壮絶な口喧嘩、その後警察沙汰まで引き起こし、さすがのホトケの歌好きカップルもブチ切れてギブとアリスンは荒野に置き去りにされてしまう・・・
こんなところに置いて行かれても困る!と必死のギブは
「お願いだ。おいていかないでくれ、ちゃんと歌も歌うから!」
と懇願するのがおかしい・・・。
途方に暮れる2人ですが、ヒッチハイクをしながらカリフォルニアを目指します。
相変わらず険悪な2人ですがアリスンがアブナイ親父の車にひとり乗り込んでしまったのをギブが助けたことでちょっとギブを見直して2人の距離が近づく。 (いい加減そうに見えるけど実はいざとなったら頼れる男、かも。やるときはやる男、ギブ!)
旅の終わりころ、お互いにとっても気になる存在になっていました。
優等生の女の子と調子のいい男の子の凸凹青春ロードムービー
ロードムービーって好きな作品が多いのですが、この映画も大好き。
なんとか目的地についたものの、ギブの目的が「絶対オッケーの女の子」とよろしくやること、だと知ったアリスンは失望してケンカ別れ。
その後アリスン×大真面目なボーイフレンド と ギブ×絶対オッケーの女の子 それとぞれのカップルでパーティ会場へ行き出くわす。
相手のことが気になって仕方ないのに、素直になれない。
旅から帰ってきたギブのレポートのタイトルは「シュア・シング」
その内容は・・・?ちょっと泣いちゃいます。
ずいぶん前に観た映画ですが久々に観たらやっぱり楽しかった。
ジョン・キューザックは「セイ・エニシング」もよかったけど、「シュア・シング」のほうが好き。
フツーの男の子だけどとってもチャーミングで、調子はいいけどどこか憎めない・・・。
そんなジョン・キューザックは今日は誕生日なんですって。(ぎりぎりやな・・・)
54歳。おめでとうございます。
ユナイテッドシネマで「ペイン・アンド・グローリー」を観ました。 公式HP
世界的な映画監督サルバドールは、脊椎の痛みから生きがいを見いだせなくなり、心身ともに疲れ果てていた。引退同然の生活を送る彼は、幼少時代と母親、その頃に移り住んだバレンシアの村での出来事、マドリッドでの恋と破局など、自身の過去を回想するように。そんな彼のもとに、32年前に手がけた作品の上映依頼が届く。思わぬ再会が、心を閉ざしていたサルバドールを過去へと翻らせていく。 eiga.comより
アルモドバル監督+アントニオ・バンデラスですもの、ものすごぉく楽しみにしていた映画です。
半分ご隠居生活みたいになっている、サルバドーレのかつての監督作品が上映されることになり、32年ぶりに主演男優アルベルトに会う。
ケンカ別れした相手ですが、久々の再会にわだかまりも消えて打ち解ける。(ついでにヘ ロイン吸引の手ほどきも受けてしまう)
薬でふらふらになっている間に、サルバドーレのPCの中に「中毒」の脚本をみつけたアルベルトは上演させてほしいと懇願する。
それは昔の恋人フェデリコとのプライベートな物語。
世に出すつもりはなかったサルバドーレですが、作者を明かさないことを条件に許可します。
ひとり芝居「中毒」上演後に観客のひとりが楽屋へアルベルトを訪ねる。
それはフェデリコで、自分とサルバドーレの物語りだと悟り、涙ぐんでいました。
連絡先を聞いてサルバドーレを訪ねてやって来ます。
かつての恋人と思い出を語り、過ごす穏やかな時間。
長い間胸につかえていたことがつぎつぎと溶けていく。
母のこと。
かつて暮らした村へ連れて行ってほしいという願いをかなえてあげられなかった。
ひょんなことから自分を描いた一枚の水彩画の存在を知る。
幼いころサルバドーレ一家が住んでいた洞窟の家の壁を修理してくれた青年エデュアルドが描いた絵。
50年を経てその絵が手元にやってきて、甘酸っぱい思い出も戻ってくる。
ヘ ロインを断ち、本格的に病気の治療をして、サルバドーレは新しい作品を作りを始めます。
半分引退状態だったサルバドーレ。でも過去と向き合うことで、また、前に進んでいく。
毒の多い登場人物とか激しい展開とかはなく静かに染みてくる映画でした。
出演者+監督勢ぞろい。
アントニオ・バンデラスは白髪も多くてちょっと枯れた感じのビジュアルですけど
せくすぃですね
ユナイテッドシネマで「ストーリー・オブ・マイ・ライフ 私の若草物語」を観てきました。
ユナイテッドシネマへ行ったのは3月の「ミッド・サマー」以来3か月ぶりでした。
南北戦争時代に力強く生きるマーチ家の4姉妹が織りなす物語を、作家志望の次女ジョーを主人公にみずみずしいタッチで描く。
しっかり者の長女メグ、活発で信念を曲げない次女ジョー、内気で繊細な三女ベス、人懐っこく頑固な末っ子エイミー。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる幼なじみローリーからのプロポーズにも応じず、自分が信じる道を突き進むジョーだったが……。 eiga.comより
マーチ家の4姉妹。
有名なお話ですけど、こういう話だったっけ?というところもあり・・・。
シアーシャ・ローナン演じる次女のジョーがさばさばととってもオトコマエ?な女の子でキモチいい。
四女エイミーはどっかで観たことある、と思ったら「ミッド・サマー」のフローレンス・ピュー
おしゃまで生意気、計算高くて憎たらしいところもある、エイミー役がはまってました。
幼馴染のローリーとジョーは腐れ縁の悪友同士みたい、だけどとってもいい関係。
ローリーはジョーにプロポーズするのですが耳を貸そうともしない、ジョー・・・ローリーが切ない。
ぐさーっときました・・・。
まあ、いい友だちだから幸せな結婚ということにはならないかも、ですけど。
そういえばこのふたり、「レディバード」でも共演してましたね。
悩みながら傷つきながら、それでも精いっぱい生きていくヒロインたちは美しくてたくましい。
ステキな映画でした。
まったく知らなかったのですが、ジョーのニューヨークのアパートの隣人ベア教授役でルイ・ガレルが出ててうれしかった。
それからマーチ家のお金持ちのおばさまがメリル・ストリープ。こちらはちょっとおどろいた。




犀川べりを通り

川のサギを見ながら歩く。



