「詩人の恋」(ネットフリックスで配信始まりました。)を観に行ったとき、あるシーンに既視感を感じました。
それは詩人のテッキが年下の青年セユンに「君の面倒はみるから一緒に暮らそう」とダイナーみたいな場所で申し出るシーンです。
その時思い出したのは「ラブ&デス」という映画でした。
1997年 イギリス映画
監督 :リチャード・クウイートニオスキー

相当昔に1回観たきりなんでウロ覚えですが大体こんな感じの話で…
イギリス人作家のデアス(ジョン・ハート)がたまたま入った映画館でE.M.フォスターの映画を観るつもりが間違ってアメリカのアイドル映画を観てしまう。(「ホット・パンツ・カレッジ2」っていかにもノーテンキな感じ)
「こんな低俗な映画観る必要なし」と映画館を出ようとした時、主演のロニー・ボストック(ジェーソン・プリーストリー)に心を奪われ、その後彼をみるために何度か足を運ぶ。
アイドル雑誌を買ったりビデオを手に入れたり。そしてロニーが住んでいるアメリカ、ロングアイランドまで行ってしまうのです。(推しのためなら海も超えちゃう〜)なんかかわいいです。
ジェーソン・プリーストリーのロニー役は「ビバリーヒルズ高校白書」セルフパロディのみたい。
ロングアイランドでロニーの家を見つけ出しロニーの馴染みのバーで情報収集してなんとかロニーに近づき顔見知りになり…
やがて演技について語り合うくらい親密になる。台本の内容について、とかそんな話もしたんじゃなかったっけかな。
そして演技者としてさらに高みを目指すために面倒をみるから一緒に来ないか 的なことを言ったんじゃなかったか、と思います(うろ覚え)
そして「若者が年配者に庇護を受けるのは別に恥ずかしいことではない。例えばランボーとヴェルレーヌは…」とデアスがいうとロニーは「スタローンのランボー」を思い浮かべたみたいですが
名優ジョン・ハートのどうしようもなくロニーに惹かれていき自分でも信じられない行動力を発揮する英国紳士役が可愛くておかしくてちょっと切なかったです。
また観る機会があったらぜひ観たいです。

霞が池


桜満開!

ユナイテッドシネマ金沢で 華連(ハス)のかがやき を観ました。 公式サイト
家業(れんこん農家)を嫌って大阪の信用金庫で働いている山田良一(平岡佑太)。市役所で働く恋人もいて結婚も考えています。
仕事で躓き、悩んでいた時に金沢の父親が脳梗塞で倒れたと連絡が入ります。
同じころ農林水産省の官僚 神野恵子(栗山千明)がれんこん農家の視察にやってきます
仕事と並行して実家へ戻り家業を手伝う良一ですが、父の後を継ぐか廃業して休耕畑にしてしまうか決断を迫られます。
恋人は大阪で役所勤めをしているし、それを「やめてついてきて」というのも彼女はイヤだろうし・・・と悩んでいる良一(ちょっと優柔不断なところあり)に「決めるのは彼女。彼女の気持ちも考えないで勝手に判断するのはおかしい」と言い切る恵子はさばさばっとしてカッコいいです。
平岡佑太は「浅見光彦シリーズ」が好きなんですけど、母にタジタジしている光彦をちょっと思い出すような役でした。
この映画「種まく旅人」という ”日本の「食」を支える第一次産業を応援するき映画” のシリーズの4作目。これまでに「種まく旅人 みのりの茶」(2012年)、「種まく旅人 くにうみの郷」(2015年)、「種まく旅人 夢のつぎ木」(2016年)の3本が公開されているそうです。
れんこんは大好きな食材の一つ、なのですがてんぷらがいちばん好きかな。
ちょっと面倒ですが、すりおろして団子にしておみそ汁の具にする、というのもおいしいし体が温まります。冬によく作る献立です。
シネモンドで MISS ミスフランスになりたい を観ました。 公式サイト
2020年フランス映画 監督:ルーベン・アウヴェス
ボクシングジムで子どもたちの指導の手伝いをしているアレックス(アレクサンドル・ヴェテール)
子どもの頃の夢は「ミス・フランスになりたい」。
ある日幼馴染と再会して、彼が幼いころの「ボクサーになる」という夢をかなえているのを知り、自分も忘れかけていた夢を叶えたいと思います。
住んでいるアパートで「ミス・フランスになりたい。」と宣言。「協力してほしい」と住人たちにいいます。
大家のヨランダを中心にたなこの面々。
「男がミスフランスになれるはずない」と最初は相手にしなかった面々もアレックスの真剣さに打たれて協力します。
普段からハイヒールを履き、コルセットで締め上げて来るべきコンテストに備え、メンタル面の強化はボクサーの同級生にイメージトレーニングしてもらう。
ローラとアレックス
アレックスは予選を通過して勝ち進んでいく。
でも有名になっていくうちにアパートの仲間たちをないがしろにして、みんなを失望させる。
そして、自分も見失っていく・・・
でも仲間たちにけしかけられて、励まされて、また夢を追いかける
はじめにアレクサンドル・ヴェテールありき、という映画。
ジェンダーレスのモデルであるヴェテールのインスタグラムを見た監督が連絡をとって書き上げた脚本だそうです。
普通にとっても美しいんですけど、お化粧した時の破壊力!
この角度も美しいです
ユナイテッドシネマ金沢で「ノマドランド」観ました。 公式サイト
2020年アメリカ映画 監督:クロエ・ジャオ
車上生活者を描いたロードムービーです。ノマドとは遊牧民のこと。
ネバダの企業城下町で暮らしていたファーン(フランシス・マクドーマンド)。
リーマンショックによる企業倒産で職を失い、キャンピングカー生活をすることになります。
アマゾンの箱詰めやダイナーのキッチン担当、
キャンプ場の掃除の仕事など、季節労働をして日銭を稼ぎます。
行く先々のノマドと知り合い交流する。
ノマドのコミュニティがあって、情報交換や生活必需品の交換など、みんな和気あいあいとしています。
でもしばらくするとそれぞれ次の地へと旅立っていきます。
キャンピング場所で知り合ったデイブは何かとファーンを気にかけていてそれはいいとして亡き夫との思い出の品(食器)を割られてしまった。
そんなデイブはノマドの生活に別れを告げ、息子一家と暮らすことを選ぶ。そのデイブの家へ会いに行ったファーン。
温かい食事をとり、清潔なベッドで眠り、デイブの家族に暖かく迎えられる。デイブは「ここで一緒に暮らそう」とファーンに申し出るのですが、でもデイブの元を去る。
壊れたキャンピングカーの修理代を借金をしに行った姉の元でも「もうキャンピングカーでの生活はやめてここで暮らして」と言われますが、ノマドの生活を選ぶ。
ノマドは「ホームレス」じゃなく「ハウスレス」だというファーン。不安がないわけではないノマドの生活を続け誇り高く生きている。
暗くて重くて気が滅入る感じの話なのかな、と思っていたのですが、(明るくもないけど)暗くない。
ファーンたちの毎日の生活が静かに、優しく流れていくだけ。
まるでドキュメンタリー映画を観ているような気になったりもしたのですが、ファーンとデイブの俳優さん以外は本当のノマドの方々なんだそうです。
アメリカ西部の風景が壮大で美しく、流れる音楽は染みてくるようでした。
ノマドたちは別れの時に「さよなら」とは言わずに ”See You!"と言う。
またいつかどこかできっと出会えるから、なんだそうです。


Robbie Dupree - Steal Away
J・D・サウザーじゃないですよ
ロビー・デュプリー 「二人だけの夜」80年頃のヒット曲です。
イントロがなんとなく「ホワット・ア・フール・ビリーブス」に似ている、と話題になっていたと思います。
この曲も好きなんだよね〜。
サントリークラフトボスのCMで「ホワット・ア・フール・ビリーブス」が流れてきて、「ドゥービーブラザーズ?なんかちょっと違う感じがするんだけど」
と思ったりもしたのですがドゥービーブラザーズで合ってるようで・・・。
スズキハスラーの「気になる女の子」の時もそうだったのですがCMで流れてくるとちょっと違う風に聴こえたりする。
The Doobie Brothers - What A Fool Believes (Official Music Video)
この曲がヒットしたとき、ちょっとびっくりしまして、それまでイメージしていたのは、こんな感じとか
The Doobie Brothers - Listen To The Music (Live)
こんな感じとか
Take Me In Your Arms (Rock Me a Little While) (from Rockin' Down The Highway: The Wildl...
ストレートでハードなサザンロックという感じだったのが、しっとりしたおとなな感じへ。
ヴォーカリストが変わったことで音楽性も随分と変わったんですね。






ユナイテッドシネマ金沢で「ミナリ」を観ました。公式サイト
2020年映画 監督 リー・アイザック・チョン
1980年代のアメリカでの韓国からの移民一家のものがたりです。
アーカンソーの田舎に引っ越ししてきたジェイコブの一家。(妻モニカ、アンとデビッドの姉弟)
養鶏場でひよこの鑑定をしながら荒れた土地を耕して農業をする、という夢があります。
妻のモニカは田舎での生活に不安を感じます。デビッドは心臓の病気を抱えていて、何かあっても病院が遠い、というのも不満です。
この地で農業をして成功したい、というジェイコブとこんなところに住みたくないというモニカは毎日のようにケンカばかり。
でもソウルに住むモニカの母を呼び寄せて同居する、ということでモニカは手を打ちます。
やってきたおばあちゃんは、料理もあんまり得意じゃないし、孫のおやつやら飲み物やらすぐに「ひと口ちょうだい」っていうし、孫の相手をしてといわれれば花札はじめるようなちょっとお品がないおばあちゃん。
はじめは嫌っていた子供たちでしたが、おばあちゃんにいたずらしたのにデビッドのことをかばってくれたり…段々と馴染んでいく。
おばあちゃんは川のそばの土地にミナリの種を撒きます。ミナリは雑草のようにたくましく育ち、食べておいしく薬にもなる香草だという。
ジェイコブは広い荒れ地を開拓して作った畑の水が枯れてしまったり、おばあちゃんが体が不自由になってしまったり、次々と試練が訪れます・・・
山あり谷ありの一家のものがたりが淡々と流れていきます。
この家族ならどんな試練もミナリのようにたくましく乗り越えていくのでしょう。
デビッドの近所の子供がデビッドに「なんで顔が平たいの?」というセリフがあって「お、テルマエかよっ!」とウケました!
おばあちゃん役のユン・ヨジュンは韓国ドラマでちょくちょく見かける気がするのですが、「センス8」でサン(ペ・ドゥナ)のムショ仲間の役が印象的。
ミナリのおばあちゃんは英語ができない設定でしたが、「センス8」では英語のセリフでした。
金沢コロナシネマワールドで 太陽は動かない 観ました。
2021年作品 監督:羽住英一郎 原作:吉田修一 公式サイト
秘密組織の諜報員鷹野(藤原竜也)と田岡(竹内涼真)。胸に時限爆弾仕込まれていて毎日時間内に解除の手続きをしないと爆死必至
ふたりの任務は次世代型太陽光エネルギーの開発情報の入手で同じく韓国の諜報員や中国企業が情報を狙って暗躍します。
韓国の諜報員 アンディ・キム
冒頭はブルガリアでのシーンで爆破シーンとか、列車上でのアクションとかド派手だしはらはらどきどき。やっぱ大きなスクリーンで観るのがいい!という映画でした。
よくわからなかったのが、突然田舎の海辺の風景になり、高校生の男の子たちが更衣室をのぞき見しようとしている・・・というシーンになったとき。
これって鷹野∔田岡のバディの話と並行して起こっている、現在の話?それとも彼らの少年時代、過去の話??となんだかよくわからず、ぽか~んになってしまった。
わからないまま観ていくうちに、鷹野の少年時代の話だった、というのがわかってさらに親から虐待を受けていた子供だった鷹野は組織に引き取られて南の島で諜報活動の訓練を受けていた、というのが分かってきます。
鷹野たちのボス(佐藤浩市)
もうひとつわからなかったのが、ラスト近くのアンディ・キムのセリフ。ヘリコプターのバリバリいう音にかき消されてなんだかよく分からなかった。
(後から、必死で調べましたけど)
わからないところはあったものの、だれることなく突っ走る110分でした。
エンドロールに映像が流れるのですが、観たことないシーンが出てきて
「え、このシーンなんで見逃したのかな?ひょっとして居眠りしてた?」
と思ったら次から次へと観たことないシーンが流れてきてこの映画がWowowのドラマの映画化だった、と悟りました。
ドラマのシーンの映像だったんですね。
いやいくらなんでもこんなにぐっすり寝てるわけないわ~