シネモンドで観ました。
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2023年 ジョージア、スイス合作
監督、脚本:エレネ・ナベリアニ
原作:タムタ・メラシュビリ
エテロ:エカ・チャブレイシュビリ
ムルマン:テミコ・チチナゼ
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東ヨーロッパ、ジョージアの田舎に住む
エテロ、48歳、結婚歴なし、ひとり暮らし。
亡くなった父と兄から受け継いだ日用品店を営んで暮らしている。
“ひとり暮らし”をご近所さんたちに噂されても気にしない。
ある日山でブラックベリー摘みの最中に足を踏み外し崖から転落しそうになる。
九死に一生を得たエテロは死について考え、大胆な行動を起こす。
店に出入りの配達のおじさんムルマンに相手にロストバージン。ふたりは人目を忍んで関係を続ける。
これまで波風立てずに過ごしてきたエテロの人生がものすごいウネリの中へ入っていく。
「死」を感じたことが彼女を突き動かしたのでしょう。
不思議なお話でした。
エテロ役の女優さん、無表情でユニークな女優さんでした。
映画.comの公開予定映画のチェックしていたら「湖の見知らぬ男」があった。
一般公開(と呼んでいいのよね?)するんや〜
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東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で観た時の感想はこちら。↓ちょっとネタバレ。ご注意を。
アラン・ギロディ監督作品を一挙に3作品公開するそうです。
観に行きま〜す 
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ユナイテッドシネマ金沢で「アーサーズウィスキー」を観ました。
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2024年 イギリス映画
監督/製作/原案:スティーブン・クックソン
リンダ:ダイアン・キートン
ジョーン:パトリシア・ホッジ
スーザン:ルル
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発明家だった夫アーサーを亡くしたジョーン。
親友リンダ、スーザンと共に夫の研究部屋(庭の掘立小屋)を片付けていたら蒸留酒(ウィスキー)を発見。3人で飲んで目覚めると若返っていました。
容姿は若くてもファッションやら会話はおばちゃん
の3人は…
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ナイトクラブへと繰り出します。
ノリノリで踊るポーズがまんまトラボルタ(サタデーナイト・フィーバー)で笑ってしまう。
若返りの効能は6時間程度で時間になると白髪がちらほら出て来たり手がシワシワになって来たり。
ウィスキーの在庫が残っているうちに“やりたいことを全部やる!”と3人はラスベガス旅行に出かけます。
結局自分は自分。ありのままでいい。
そしてやりたいことはできるうちにやるべき!と なにやらエールをもらったような気持ちになりました。
元気なおばちゃんの映画です。
3人がラスベガスで観に行くドラァグクイーンのショーのゲストにボーイジョージが出て来てびっくり 
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ひさびさに「カーマカメレオン」が聴けてうれしかったです。
シネモンドで「ロボットドリームズ」を観ました。
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2023年 スペイン・フランス映画
監督・脚本 パブロ・ベルヘル
原作 サラ・バロン
ニューヨークに住むひとりぼっちのドッグはテレビ広告で見た「友だちロボット」を注文します。(ロボットは完成品が届くのかと思っていたら組み立て式だった)
一緒に地下鉄に乗って出かけたり公園で踊ったり、ふたりは楽しい毎日を過ごします。
ある夏の日ビーチで遊んだ帰りにロボットは故障して動けなくなってしまう。ドッグが泣く泣くビーチに置き去りにして修理道具を用意して再びやって来た時にはビーチは閉鎖されていました 
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ドッグは海開きする来年6月にロボットを取り戻しにいく!と決めて、釣りとかスキーなど新しい趣味、新しい出会いを始めるのですがロボットがいない淋しさを感じてしまいます。
セリフがないアニメーションですが、ドッグの気持ちもロボットの気持ちもズーンと伝わってきました。
絵がシンプルですごくかわいい。
ドッグ、ロボットのほかにも登場する動物たちが生き生きしてるしかわいいし。(中華街にはパンダがいた)
アース、ウィンド&ファイヤーの「セプテンバー」がテーマソングみたいになっていて楽しい曲なのに、今聴いたら泣きそう。
ユナイテッドシネマ金沢で「ぼくとパパ、週末の約束」を観ました
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2023年 ドイツ映画
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ミルコとファティメの長男、10才のジェイソンは自閉症。
こだわりが強く自分のルールから外れるとパニックを起こしてしまう。
授業中に自分の考えを譲らず結果的に授業を妨害することになったり、同級生にからかわれてケガをさせたり。
ジェイソンの興味は天文学や量子力学などでサッカーに興味はないのですがクラスメイトに好きなチームを聞かれて自分も推しのチームがほしい、と思います。
実際の試合を見て決めたい、と言い出し、毎週末パパと一緒に各地の試合観戦に出かけます。
騒音、人に触られること…ジェイソンが嫌い、と言うより堪えられないことがスタジアムには溢れている。
でも推しを見つけるためにいくつかの「イヤ」には目を瞑ろうとするしパパは根気よく付き合い盾になって守ってくれる。
家族愛に溢れて、最後は気持ちのいい話で終わってよかった。
ユナイテッドシネマ金沢で「2度目のはなればなれ」を観ました
2023年イギリス映画
監督 オリバー・パーカー
バーニー マイケル・ケイン
ルネ グレンダ・ジャクソン
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2014年イギリス、ブライトン。
老人ホームで妻のルネと静かに暮らす退役軍人のバーニー89歳。
杖または歩行器(お達者カーみたいなやつ)を使って移動。ルネと外出時はルネの車椅子を押す。
ある日ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典に参加するために施設職員に内緒でフランス ノルマンディー行きのフェリーに乗ります。
ルネとはなればなれになるのは人生で2度目。
それでも行きたい、行かねばならない理由がありました。
2人の若い頃(戦時中)と2014を行ったり来たりして話は流れます。
出会った頃、バーニーがルネを朝焼けを見に連れて行き、その美しさに2人感動するのですが、今も目覚まし時計を4時台に鳴らして朝焼けを見る生活をしているなんてすてきだわ。
そして年老いた2人のやり取りはユーモアと深い愛情に溢れていました。
英国発“旅するじいちゃん映画”といえば
それから
(↑過去記事にリンク貼ってます)
みんな無茶するじいちゃんですな〜 
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そしてSNSで拡散→有名人 ってところが同じだね 
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「2度目のはなればなれ」はマイケルケインの引退作品で、グレンダ・ジャクソンの遺作だそうです。
ユナイテッドシネマ金沢にて
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2023年 イギリス・ギリシャ映画
監督 モリー・マニング・ウォーカー
タラ、スカイ、エムの仲良し3人組はイギリスからクレタ島のマリアへ卒業旅行にやって来ます。
ひとりだけバージ ンのタラはこの旅の目標はズバリロストバージ ン。
飲んで騒いでパーティに明け暮れる毎日。
やがてその“機会”がやって来ます。
捨てたらさぞかしキラキラできるのかと思っていただろうのに何かが違う。
苦くて虚しい気持ちに襲われたタラに「急いで大人にならなくてもいいんだよ」と言ってあげたいです。
ノーテンキな青春映画かと思っていたけど結構深刻で重かったです。
タラがカラオケで歌うシーンがあって歌というよりほとんど絶叫
なのですが
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「僕を名前で呼んでもいい、ナンバーで呼んでもいい」
という歌詞の字幕がついていて
「これってザ・ワン・アンド・オンリー!?」
(ちょっと音程が怪しすぎるが)と私の心が騒ついた。
はたしてニック・カーショウ作詞作曲、チェズニー・ホークスの「ザ・ワン・アンド・オンリー」だったのでした 
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さて、「ザ・ワン・アンド・オンリー」で検索したら“夜景のステキなバー”と“競馬の馬”ばかりがヒットしてちょっと淋しいアタシです 
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シネモンドで 「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」を観ました。
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2022年 イギリス映画
監督:へティ・マクドナルド
原作・脚本:レイチェル・ジョイス
ハロルドフライ:ジム・ブロードベント
モーリーン:ペネロープ・ウィルトン
定年退職し妻と暮らすハロルド・フライのもとに届いた手紙。
かつての同僚クイーニーからのもので、末期癌で入院中のホスピスから送られたものでした。
返事を出そうと家を出たものの投函するのを躊躇い、ホスピスまで歩いて直接クイニーを励まそう、と思いつきます。「僕が行くまで死んじゃいけない」とクイニーに伝言して歩き出します。
妻のモーリーンには道中電話して事情を伝えたけど呆れられて怒られて…そりゃそうだ。無謀な旅に出るならせめて準備してから出てほしいよなぁ。ハガキ出しに行ったついでに800キロ先へ行って来ます、って電話で言われても 
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息子デービッドのことで妻とはわだかまりを抱えています。
ボロボロになり挫けそうになりながらも親切な人々に助けられて歩き続けるハロルド。
野宿したり牛舎のワラをベッドに眠ったり。川で水浴し、野草を調理して空腹を満たす。
コメディっぽい話かしらと思っていましたが結構重い話でした。
人生終盤に差し掛かったハロルドが起こした奇跡、そしてハロルドとモーリーン夫婦の再生の話でもありました。
行く先々の田園風景や石造りの建物が本当に美しくどこか懐かしい風景に見えました。
おじちゃんが旅に出るロードムービーといえば「君を想いバスに乗る」をちょっと思い出しました、がこちらは準備の上ちゃんとバスで移動してた。
シネモンドにて
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イタリア・フランス・ドイツ作品
1858年。
ボローニャのユダヤ人街のモルターラ家に兵士たちがやって来て7歳のエドガルドを連れ去る。
キリスト教の洗礼を受けたエドガルドを異教徒の両親の元で育てることは教会の法に触れるから、というその理由に納得がいかない両親(そして観客
)
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やがてユダヤ人のコミュニティや世論も巻き込み息子を取り戻すための裁判にまで発展します。
エドガルドはなぜ洗礼を受けたか、というと生後6ヶ月で重い病を患った時に当時の乳母(女中)が「亡くなった時に天国へ行けなくてはかわいそう」と勝手に自己流で洗礼した、というもの。
その洗礼は有効なのか、その乳母の行動がなぜ教会の知るところとなったのか。
実話を元にした映画。
重い話でしたが歴史ある建造物の重厚さに圧倒され、美しい風景に魅了されました。
引き裂かれた家族の心情が痛いほど刺さります。泣き叫ぶ7歳の少年エドガルドがいたわしい。
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こちらは成長したエドガルド。レオナルド・マルテーゼが美しい。
「蟻の王」でエットラを演じてましたがこっちも辛い役だったな 
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ユナイテッドシネマ金沢で「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」を観ました。
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監督: ジェームズ・ホース
ニコラス・ウィントン:
アンソニー・ホプキンス
若き日のニコラス :
ジョニー・フリン
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1987年。年老いたニコラスが娘夫婦と孫のためモノで溢れた部屋の片付けを始めるところから始まります。(捨てられネーゼで色々ため込むじいちゃんみたい
)
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書斎にある古いバッグには色褪せたスクラップブック。
それはニッキーがかつてナチスから救った子供たちの資料でした。
1938年。プラハ。
ナチスから逃れてきたユダヤ人難民の子供たちをイギリスに避難させようと奔走する人道活動家:ニコラス・ウィントンと仲間たち。
里親を探しマッチングして子どもたちを次々とイギリスに送り出します。
しかし開戦の日が来て列車に乗せることができなかった(救出出来なかった)子どもたちのことをニコラスは忘れることがありませんでした。
49年の時が流れてこのスクラップブックがニコラスに奇跡のような出会いをもたらします。
時代が前後するけど複雑じゃなく、正体不明みたいな謎の人物もいない。
観客が話に置いていかれることも、丸投げされることもなくきちんとした(?)ストーリーが2時間に収まってほっとして感動して終わりました。
なんか礼儀正しいとでもいいますか、ちょっとクラッシックな王道の映画を観た気がします。
まあ
「何が何だかよくわからんけどなんか凄いもん観た」
という映画も好きですけど。
ユナイテッドシネマ金沢で「異人たち」観ました。
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2023年イギリス映画
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2023年イギリス映画
監督・脚本 :アンドリュー・ヘイ
原作: 山田太一「異人たちとの夏」
アダム: アンドリュー・スコット
ハリー: ポール・メスカル
父 :ジェイミー・ベル
母 :クレア・フォイ
40代でライターのアダム。12才の時事故で両親を亡くし祖母のもとで育つ。
今は1人でマンションでひとり暮らし。
新作の執筆のため生まれ育った家を訪ねると亡くなったはずの両親が暮らしていました。
息子を心配してあれこれ質問攻めの父と母。少年のように甘えるアダム。
いくつになっても親子は親子なんだと思いました。
アダムは子供の頃言えなかった「ゲイであること」を伝えます。
並行して同じマンションに住むハリーと愛し合うようになります。
初めてキスした時アダムが咳き込んでしまい「ひさびさだったから息継ぎのタイミングが分からなくて…」
というのがおかしいやらかわいいやら…
でもずっと孤独だったんだなと思わせるシーンでした。
失われた時間を埋めるかのように両親との時を過ごすアダムですが、「亡くなった人たち」と過ごす時間は長くは続かず、やがて別れの時がやって来ます…
1988年の映画「異人たちとの夏」は観てませんがどういう感じか興味があります。
主人公が「ゲイ」という設定はもちろん映画「異人たち」のオリジナル設定で、これは必要か?とはじめは思いました。
でも、「子どもの頃ゲイが原因でいじめられていた」というアダムの告白に「わかってやれなくて申し訳なく思う」という父の後悔や、子どもを持てないことに対する母の心配など、両親の愛情がいっそう感じられたと思いました。
イオンシネマ金沢で「ドッグマン」を観ました。
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2023年 フランス映画
監督・脚本:リュック・ベッソン
ダグラス:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
エブリン:ジョージョー・T・キップス
フランス映画ですけど英語です。
ニュージャージー。
女装した男が運転し、何十匹もの犬を乗せたトラックが警察に止められる。
警察に収監された男は精神科医相手に生い立ちを話し始める。
男の名はダグラス。
暴力的な父親に犬の檻に閉じ込められた少年時代。心の支えになってくれたのは犬たちでした。
非道な父に銃で撃たれ車椅子生活を余儀なくされますが、父親と檻からは解放されます。
やがてドラァッグクイーンとなりキャバレーのショーに出ることになるダグラス。そのもう一つの顔は犬を操って金持ちの家から貴金属を盗ませたり、悪どいヤクザを襲わせてコテンパにしたりする犯罪者でもありました。
犬たちがダグラスにすごく懐いてて、ダグラスが犬を支配していると言うよりもむしろ犬の方からダグラスのお役に立とうとしているみたいでした。
(お利口なワンちゃんたちがいじらしい)
サイコに見えたり、世捨人のように見えたりするダグラスが初恋の女性のことを語る時に見せる笑顔は無邪気な少年のようで、そのギャップにちょっと驚いてしまった。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズはちょっとエキセントリックな役が多い俳優さんのようですが笑うと可愛いんだな 
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他の出演作もチェックしたいと思います。
イオンシネマ金沢の午前十時の映画祭で「愛と哀しみのボレロ」を観ました。
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愛と哀しみのボレロ - Wikipedia
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1981年 フランス映画
製作・脚本・監督:クロード・ルルーシュ
音楽:
フランシス・レイ/ミシェル・ルグラン
振付:モーリス・ベジャール
出演
ロベール・オッセン /ニコール・ガルシアエブリーヌ・ブイックス/フランシス・ユステール/ジェラルディン・チャップリン/ ジェームズ・カーン/ダニエル・オブリフスキ/ジョルジュ・ドン/リタ・ポールブールド
1936年に始まるモスクワ、パリ、ベルリン、ニューヨークの芸術家(音楽家、舞踏家)たちの半世紀にわたる波瀾万丈の人生。
父(母)と子を同じ俳優さんが演じているので若干ややこしいけどダレることなく、のめり込むように観ました。3時間超えだったのですが「そんな長かったん?」と思いましたわ。43年前に観た時もそうだったと思う。
その際購入したパンフレットをみたら、各家族の年表が載ってました。
最後はダンサー、指揮者、歌手…それぞれの芸術家(その子たち)がパリでのチャリティコンサートに集まります。
そこで演奏されるラベルのボレロは圧巻でした。
セルゲイ(ジョルジュ・ドン)のダンスが力強く、たくましくそして美しかったです。
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こちらはボレロじゃないけど。
2/25 ユナイテッドシネマ金沢で「落下の解剖学」を観ました。
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日曜日の映画館は久しぶりでした。
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2023年 フランス映画
監督・脚本 ジュスティーヌ・トリエ
サンドラ サンドラ・ヒューラー
ヴィンセント スワン・アルロー
雪深いフランスの山荘でサミュエルが転落死する。
自殺か事故か殺人か?
サミュエルの妻サンドラが殺人容疑で起訴される。ふたりの息子ダニエルは事故の後遺症で視覚障害があった。
ドイツ出身で人気作家の妻と教師をしながら文筆業への夢が諦められない夫。
息子の事故のこと、家事のこと、話すことば(妻は英語で話す)…はじめはちょっとしたすれ違いや小さな不満だったことが大きく膨れ上がって行ったようです。
裁判が進むうちに、家族の闇が浮き彫りになっていく。
152分と長い映画でしたが飽きることなく最後まで引きずられた感じ。
結末はスッキリはしなかったけど。
弁護士役スワン・アルローがちょっとやつれ気味のイケオジ
美しかったです。
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2/12シネモンドにて
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2022年 フランス映画
監督・脚本 クリストフ・オノレ
リュカ・ロニ ポール・キルシェ
カンタン・ロニ ヴァンサン・ラコスト
イザベル・ロニ ジュリエット・ビノシュ
リリオ エルバン・ケポア・ファレ
17歳の冬に父を交通事故で亡くしたリュカ。
悲しみの中精神崩壊しそうなリュカを心配した兄カンタンは自分が暮らすパリのアパートへリュカを連れて行きます。
画家の卵の兄はリリオとルームシェアをしていてリュカはリリオに恋心を抱く。
親友の弟だからと相手にしてくれないリリオでしたがリュカはリリオの秘密を知ることになります。
大胆かと思うとガラスのように繊細で砕けそうなリュカ。
なんとか悲劇で終わりませんように、と祈るような気持ちで観てしまった。
リュカがリリオとパリの街をジョギングするシーン。嬉しそうに走るリュカが可愛らしい
流れる曲はシルヴィ・バルタンの「あなたのとりこ」
好きな曲です。