くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

計画通りの旅立ち。

2014-01-04 | 日記

お正月も 三が日を過ぎましたので‥‥

これは昨年 暮れの話です。
我が家とはもう40年以上の お互い夫婦での付き合いとなる 親友の
母上が 暮れの28日に亡くなりました。

だいぶん前から 腹部がチクチク痛かったらしいですが そこはそれ
がまん強い 90歳の大正女です。

病院へも行かず そのうち治るだろうと過ごしていたら 座っておれない
ほどの痛さとなり 救急車で運ばれたそうです。

腸閉塞という病気らしく すぐに開腹手術を受けましたが ときすでに遅く
帰らぬ人となりました。

暮れの30日がお通夜 31日の大晦日がお葬式となり 両日参列しました。


彼女の兄弟は 兄が1人おり 兄夫婦は母親と同敷地内に家を持ち しかし母の
希望で棟は別 台所やお風呂も 別所帯で暮らしておりました。

彼女の父親が亡くなって8年経ち 高齢で1人暮らしの母の家を たびたび訪れて
おりましたが 腹痛のことは娘にも言わなかったそうです。

お通夜の晩に 彼女とその兄に聞いた話で 母上が生前決めた通りのお葬式が
執り行われることを知りました。 

それは 自分のお葬式の段取りを総て決めてあり 旅立ちに着ていく着物はこれ
このフトンを使い 葬儀場はここ 新聞の死亡通知は 高齢ではあるが病気療養中
や天寿全うと載せないこと といった総ての決まりです。

そして1年前の 昨年のお正月に 娘の車でいっしょに金融機関を回り 預貯金を
下ろして 娘と2人の孫に それぞれ封筒に入れ お金を渡したというのです。

「わたしが亡くなったあと 財産を分けてくれと 兄ちゃんに言ってはいけない
このお金は そのための 形見分けだから」
と元気な1年前に 言葉を添えたといいます。

高齢で足が悪かったけれど 頭はしゃっきで 新聞を隅々まで読み 親の死後
子ども達の みにくい財産争いが絶えない昨今を ちゃんと知っていたのです。


そして 女がお正月に逝けば 続いて7人の葬式を出すことになるという 田舎の 
迷信を 遺族が心配することのないよう ちゃんと暮れに亡くなり 大晦日に天国
へと旅立ちました。

なんという 準備万端の 自分の旅立ちでしょうか 
皆が聞き 呆れたり 感心したりでありました。

年配の参列者は 私もこうする お手本を教えてもろぉたと お通夜の晩は
改めて故人を偲んだことでした。

総て 計画通りの旅立ちをした母上は 今ごろは 8年ぶりにご主人と会って
いることでしょう。
 

              

               


              
                            

コメント (28)
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