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血液のカフェイン濃度からパーキンソン病を診断する手法を発見

2018-01-04 | 健康・病気
 パーキンソン病
 世界中で約1000万人(2030年には3000万人)が罹患している神経疾患である。日本人の1000人に1~1.5人(60歳以上では100人に1人)が発症していると言われ、わが国で2番目に多い神経変性疾患である。この病気は進行性の運動機能障害と、典型的症状としての制御不能な震えを特徴とし、中枢神経細胞の機能障害、次いで神経変性、細胞死をもたらすものである。
 最近の研究より、パーキンソン病患者の中脳黒質神経細胞数の減少が、上記症状発現の少なくとも10年以上前から進行していることが明らかになっており、できるだけ早期にその予兆を見つけ、治療介入する「先制医療」の重要性が示唆されている。2002年頃からカフェインの適切量(コーヒー1日1~2杯程度)の摂取がパーキンソン病発症予防効果を示すことが複数の疫学的研究からわかってきたが、そのメカニズムは不明であった。
 順天堂大などのチームが米科学誌に発表した(1月3日付け)。
 「患者はコーヒーなどに含まれるカフェインを小腸から吸収する力が弱いため血中濃度が低く、発症につながっている可能性がある。血液のカフェイン濃度を調べて神経難病のパーキンソン病を診断する手法を発見した。」
 チームは、コーヒーなどのカフェインにパーキンソン病の発症予防効果があるとの報告に着目。患者108人と健康な人31人から血液を採取し、カフェイン濃度を比較した。摂取するカフェイン量はほぼ同じでも、患者の血中濃度は健康な人の3分の1だった。さらに9種類の関連物質の濃度も患者では低く、これらを調べることで、発症初期でも病気を診断できると確認した。カフェインには脳の神経の細胞を保護する作用があり、小腸からの吸収力が低い人は神経が傷つきやすいとみられる。
 チームの服部信孝・順天堂大教授は「皮膚からカフェインを吸収させて血中の量を増やせば、発症を予防したり、進行を遅らせたりできるかもしれない」としている。
 ◆カフェイン
 世界中で最も消費されている精神興奮作用を持つ化合物。アデノシン受容体(A1およびA2Aサブタイプ)拮抗作用を持ち、本作用により神経細胞への興奮作用を示すとされる。
 カフェインはヒト体内で合成することはできず、シトクロムP450であるCYP1A2によりその95%が分解される。心血管系への作用、抗腫瘍作用、神経保護作用等が報告されているが、とくに男性パーキンソン病患者での発症予防・症状改善効果が強く示唆されている。

 昨日は朝から雪。その雪が今日も道に残っている。夜に、スーパームーンが見えるかな。
 ◆スーパームーン (Supermoon)
 「スーパームーン」という用語は天文学ではなく、占星術に由来する。天文学では近点の満月を、Perigee full moon、新月をPerigee new moonと呼称している。
 スーパームーンは、満月または新月と、楕円軌道における月の地球への最接近が重なることにより、地球から見た月の円盤が最大に見える。天文学的に外からの視点で説明すると、太陽-地球-月系において、月が地球に対する近点(近地点)にあると同時に、太陽と地球に対し月が衝(望)となった時の月のことである。