平成30年度入学生で欠員1名です。
入学希望者は、なるべく早く学園にお問い合わせください。
4月中に入学できる人が対象です!
都会育ちのあなたを海の男に育てます。
漁師の技術を学び、船の生活に適応します。
漁業学園で、1年間をすごしませんか?
新年度が始まるまでの期間を利用して、卒業作文を紹介しています。
9人目です。
シラス漁が盛んな県西部の漁村出身です。
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僕がこの一年を振り返ってみて、とても大変だったと思いました。
まず、初日に入学式を行って、まったく知らない人達の顔を見て、こんな人達と一年をやっていくのは先が思いやられるなと思ったのが正直なところです。
ですがそんな気持ちもいろんな行事を重ねるごとになくなっていきました。
そして一学期に主に大変だったことは、カッター訓練と遠泳大会です。
まずカッター訓練では、けっこう重い棒を持たされて漕いだので、すぐに筋肉痛になって大変でした。
ですがなんとか最後までやりとげようと決心するきっかけになりました。
次に遠泳大会です。
遠泳大会では、本番前はずっとプールで泳ぎ続けるというものがあって、最初はとてもきつくて、根(音)をあげてしまいそうだったけど、なんとか自分の限界突破をすることができたので、乗り越えることができました。
そして次に二学期です。
二学期はなんといっても、一カ月の遠洋のカツオの航海が一番印象的です。
僕はあまり船に酔わない体質なので、そういう面では大変ではありませんでしたが、
カツオを釣り上げるのはとても大変でした。
ですがいろいろと作業を終えた後で食べる魚売りは格別においしかったです。
とくに白米がとてもおいしかったです。
さらに船内では双眼鏡で鳥の群れを探すという作業もあり、これがけっこう大変でしたが、
いつかみつかる今日みつかると自分に言い聞かせてがんばりました。
こうして一年を通してきて、いろんな事や行事がありましたが、今では全部良い思い出です。
この学園を卒業してさみしくなると思いますが、これはさよならという意味じゃないと思います。
悲しみの先に続く僕たちの見らに向けてがんばっていきたいと思います。
理由は始まりはいつだって、何かが終わることだと思います。
本当に今まで指導して下さった先生方今までほんとうにありがとうございました。
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この人は、学園でも珍しい漁師の家庭に育ちました。
ご両親は食堂経営ですが、おじいさんが釣船をやっています。
県内の高校を卒業し、おじいさんと同じ船に乗って助けるために学園に来ました。
沿岸漁業を小さい船(19トン以下)でする場合、海技士免許は不要です。
そんな理由から、海技士の勉強に力が入らなかったのは残念でした。
海技士の試験に受かる、受からないは別にして勉強したことは必ず役に立つからです。
せっかく学園に来たのだから、学べることは、すべて学んで欲しかったと思います。
ともあれ、おじいさんを助け、早く一人前の漁師に育って欲しいと願っています。
学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
園長のつぶやき
漁師が収入を増やす方法は、魚をたくさん捕ることです。
だからと言って、捕った魚が二倍になると、売り上げが二倍になる...
とはなりません。
商店だったら、二倍売れば、二倍の売り上げになります。
でも、漁業や農業などの一次産業は違います。
象徴する言葉に「大漁貧乏」と言うのがあります。
たくさん魚を捕り、市場にたくさん水揚げすると、値段が下がってしまします。
だから、水揚げが少ない方がもうけが増えることもあります。
漁業は自然を相手に、天然の魚を扱うので、とくに難しいところです。
ところで。
学園の入学者は長く定員割れが続きました。
その最大の理由は知名度(ちめいど)が低いこと。
漁師になりたい若者は少なくありませんが、漁師になるための学校を知らない。
入学者のほとんどが「たまたま学園のことを知った」と言います。
ですから、ブログにしても、ホームページにしても広報活動をがんばっています。
おかげで、年々、見学者が増えています。
が、
見学者に比例して受験者が増えない。
また、今年は合格者から、過去最大の辞退者が発生。
...で一人の定員割れとなりました。
この原因を、私はずっと考えていました。
最近、気がついたことがあります。
広報を一生懸命すれば、多くの人に知ってもらえます。
その中には、
「漁師になりたい」
というより
「今の生活から抜け出したい」
という人がいます。
それが、増えているのでは?と思うのです。
学園の受験者は中学生が減り、高校生、社会人が増加しています。
なかでも、高校一年生、高校二年生で見学する人の中で
「今の学校を辞めて、すぐにでも学園に来たい」
と言う人がいます。
別に、高校は卒業すれば良いですよね?
なぜ、わざわざ中退したいのでしょうか。
社会人でも職を転々としている人。
どうして、いくつも転職するうちの一つが漁業なんでしょう。
そんな人達は、学園に見学に来た時は漁師になるつもりだったと思います。
でも、その後に「もっと楽なもの」が現(あらわ)れたら?
みなさんはどう思いますか?
これが現実でも、学園の広報はがんばります。
本当に漁師になりたい人の目に触れることも増えているはずです。
とくに来年度は、AO入試を行います。
学力ではなく、本当に「漁師をめざしているのか」を見極めたいと思っています。