(承前)
以前も書いたが、たくさん見て回ろうと思ったら、遠くて、かつ、早い時間からあいている会場を、まず朝イチで目指すことが基本である。
「BIG BUDDHA PROJECT」は朝9時から開いている。
丸3年を迎えようとしている新型コロナウイルス禍は、表現の機会を制約すると同時に、さまざまな表現に直接間接の影響を与えてきた。
おそらく、アーティストコレクティブ(グループともいう)Ge . . . 本文を読む
会期が長いからといって安心しているとすぐ会期末になってしまい、またもや反省している。
タイトルからして、見て笑えるアートなのかと思ったけど、きびしい言い方になっちゃいますが、あまり笑えない。筆者の感性がゆがんでいる可能性が高い(なにせ、家族がテレビのバラエティ番組を見ながら笑っていてもどこがおもしろいのかわからないことのほうが多い)のだが、しかし、むしろこの社会情勢で「アートで笑う」というの . . . 本文を読む
「河口真由美個展 夢の通ひ路」とおなじギャラリーで同時開催されていた個展。
アップが遅れたのは他意は無く、申し訳ありません。
河口真哉さんは、絵画ではなく、言葉や映像、立体造形などを用いてインスタレーションをがっちりと作り込む若手作家。
まあ、半世紀前ならいざ知らず
「インスタレーションだから新しい、すごい」
という時代でもないし(ただ、近年は札幌の作家で少数であることは確か)、これまで . . . 本文を読む
(承前)
「喫茶休養林 隣」から徒歩1分の「cafe 結」。
店内で是恒さくらさんの作品が展示されていたので、せっかくなのでワンプレートランチを食べながら鑑賞することにしました。
公式サイト( https://www.shi-ra-oi.jp/arts2022/shiraoi/ )から引用します。
2019年から度々訪れてきた北海道苫小牧市に、2021年秋から半年間暮らしました。その . . . 本文を読む
(承前)
つづいて「喫茶 休養林 隣」。
「休養林 隣」って、ずいぶん風変わりな店名だなと思っていたら、「休養林」という名の喫茶店の隣という意味でした。
白老文化芸術共創の会場名は、前項の「旧しらおい発掘堂」といい、よそから来た人には難解なものがありました。まあ、どうしようもないとは思うのですが。
ちなみに「休養林」のマスターは今回のフライヤーの絵を描いた人。今回の「隣」も、以前はマス . . . 本文を読む
ストレートフォトではなく、レタッチ(修整)ソフトで、広告やエアコン、看板文字などを消し去った都市風景の写真です。
会場になったト・オン・カフェのサイトからコピペします。
写真のデジタル加工によって窓、室外機、広告物などを消去した“ 裸の” 都市を表現したシリーズです。作家はレタッチによって街の“ ノイズ” を消去し、東京の特異なランドスケープを象徴的に浮き上がらせるとともに、見慣れた都 . . . 本文を読む
(承前)
30年以上にわたって札幌の現代アートシーンを引っ張ってきた端聡さん。
一昨年にも個展を開いていますが、そのときは平面だけで、立体の展示は札幌国際芸術祭2017以来5年ぶりに見ることができました。
冒頭画像はインスタレーション「賑やかな磁場」。
新作です。180 × 180 × 210センチある大作。
その仕組みについて正確に述べることはできませんが、上からつるされた磁石片が . . . 本文を読む
(承前)
話の順番が前後しますが「鉄と光の芸術祭」を主催しているのは、札幌と室蘭の有志でつくる「Muroran Art Project」。
「芸術祭ってなんだ?」とあらためて問うと、ひたすら話が長くなりそうですが、だいたいの共通認識を言うとすれば
・ギャラリーや美術館での一般的な個展・グループ展ではなく
・作品発表以外にワークショップや公演なども同時に行われ
・大都市開催以外では、その . . . 本文を読む
(承前)
室蘭駅を降りて、すぐに目についたのがこの看板のような作品。
高橋喜代史「東を西に変える」(2022。W3500× D1900× H2000)。
キーボーこと高橋喜代史さんの作品は、ほんとに分かりやすいよなあ。
もしかしたら「分かりやすい」ことは現代アート業界ではそれほど良いことだとされていないフシもありますが、少なくとも筆者には、かなりの美質だと思います。
あるいは . . . 本文を読む
永桶麻理佳さんと永桶宏樹さんによるユニット「故郷 2nd」が、札幌で活動を始めてから10年になるのを機に、回顧展を開いています。
「こきょうセカンド」と読み、これまでの表記「故郷 II」をことし改めました。
1階の「SCARTS(スカーツ)モール」に、「ついたてアート」などを並べ、3階の「SCARTS スタジオ」に、薄暗い空間で光る作品を並べています。
1階には、2018年の新道展で発 . . . 本文を読む
道内には多くの陶芸家がいますが、用途を離れた立体造形やインスタレーションを主軸に制作・発表する作り手は全体からみるとほんのわずかで、長年取り組み続けている人といえば、この下沢敏也さん(札幌)を措いてほかにいないでしょう。
8月7日に見た展示です。
「Re-birth」は再生の意味で、下沢さんが長年、作品の題にしています。
今回は「Re-birth [gathering of silenc . . . 本文を読む
およそ1カ月間札幌に滞在していた小西佐和さんの個展が、3日間という短い日程で開かれています。
東京の「美学校」に学び、仕事の合間に制作や発表をしていましたが、退職を機に北海道を訪れていました。
会場は展示スペースと、1階奥の和室の2カ所。
和室のインスタレーション「sensorium ventorum 風を感覚する器官」は、綿毛?をつなげたひもを天井からおよそ20本つるしたものと、テーブ . . . 本文を読む
正式名称は
Let’s Make Cows Flyプロジェクトの予告展示 /島袋道浩 SHIMABUKU Pre-exhibition “Let’s Make Cows Fly Project” by SHIMABUKU
です。
くわしくは、さっぽろ天神山アートスタジオのサイトに書いてあります。
https://tenjinyamastudio.jp/ets-make-cows-fly . . . 本文を読む
戦後北海道を代表する芸術家のひとり阿部典英さんが2014年、札幌から小樽に転居したときいたときは、おどろきました。
1939年(昭和14年)生まれですから、すでに70代半ば。正直いって、その年齢であらたな挑戦をする姿勢に、脱帽したのです。
今回、会場でばったり会った際に聞くと、大学を辞めると制作や作品保管の場所に困ることが予想されたので、かなり以前からアトリエとして使える建物を探して、小樽の . . . 本文を読む
※ 第1段落の年を2カ所、真ん中付近の人名を1カ所、それぞれ直しました。おわびして訂正いたします。
2019年、北海道フォトフェスタ のポートフォリオレビューでグランプリを受賞し、ことしは道立三岸好太郎美術館の若手紹介企画グループ展「 #みまのめ 」にも出品するなど、写真と現代アート両分野にまたがる活躍を見せている札幌の桑迫さんですが、筆者は、作家がオリジナリティのある試みに取り組んでいること . . . 本文を読む