回顧と展望

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古代エジプト王朝成立の時期判明

2013年09月04日 12時35分47秒 | 日記

英国の考古学者などからなるチームがエジプトの最初の王朝の成立について、新たな鑑定方法を使用した結果、これまで考えられきた以上に短期間で原始的農業集団から王による支配国家に変化したとする報告が9月4日のProceedings of the Royal Society Aに発表された。これまで考えられていた以上に当時、エジプトでは急激な社会変化があったためである。

今回の調査結果によれば、古代エジプトの初代王Ahaが即位したのは紀元前3100年ころになるという。また、エジプト古代王国の場合、他の古代文明に比べて極めて特徴的なのは、成立時点で既に現在の国家のように領土の概念が明確であり、国境と言う概念があったという。

これまで紀元前4000年ころまでと考えられていたナイル河流域での定住及び集団の形成、いわゆる先史時代は紀元前3700年から3600年ころまでに修正された。そして紀元前3100年にはこのような集団社会は王による支配体制への移行したと考えられるとしている。即ち、定住してから王国成立までのこの移行期間は従来考えられていたよりも300年から400年短い期間に起きたということが判明したわけだ。この移行期間は、たとえばメソポタミアなどでは数千年を要していたと推定されていることから興味深い事実である。この研究チームは最初のエジプト王Ahaに続く7代の王と女王の在任時期も確定しているが、それによれば、第二代のDjer王はその治世50年に及ぶことになり、こんな長期にわたる在位は当時としては考えられないことから、Djer王治世の間、実際にはこれまで歴史に登場していない王あるいは女王がいたあるいは王国は一旦滅亡し、再興された可能性もあるとしている。

エジプト王朝の成立時期に関する今回の発見は考古学上極めて大きな意味を持ち、これまでのエジプト史、さらには古代史が塗り替えられるかもしれない、古代への興味を掻き立てる発見である。

http://rspa.royalsocietypublishing.org/content/469/2159/20130395

 

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