ニューヨークには空港が3つある。最大なのはジョン・F・ケネディ空港(JFK),次いでニューアーク空港(場所はニュージャージー州だが、広い意味でニューヨークの空港と言われる。ちょうど千葉県に所在する成田空港が新東京国際空港と言われるように)。今はこの二つが国際空港で海外からの便が発着する。そして、最後にラ・ガーデイア空港。テニスの全米オープンが開かれたクイーンズ地区にある、主として国内線用空港。
日本からの便はJAL,ANAともにJFKに到着するから、残りの二つにはあまりなじみがないかも知れないが、ニューアークにはアメリカの航空会社の便が発着しているので日本からアメリカの航空会社を利用すればここに到着することがある。
国内線専用のラ・ガーデイア空港は今、改装工事の真最中。これまで、他の二つに比べて古い、小さい、不便と言う印象があったのだが、この工事によって少なくとも古い、小さいということは無くなる。鉄道の足がない、と言う弱点は今回も解消されなかったが、駐車場が大きくなるので、自動車を利用して空港に向かう限りには随分と便利になるだろう。
せっかくの改修工事だが、コロナのためにニューヨーク州はいくつかの他州からの旅行客に対して2週間の隔離を条件付けているから、観光目的などではほとんど利用客がいない。ほかの空港の例にもれずここもまるでゴーストタウンのようだ。
ニューヨークと日本との往来では、すべてJFKを利用したが、シカゴに出張するためラ・ガーデイア空港を利用したことがある。所要時間は2時間半、乗っている時間だけを言えば東京から大阪に新幹線で移動したようなものだが、都心までのアクセスを考えるともっと遠い。それに、シカゴは有数の大都市でニューヨークをライバル視しているようで対抗心も強い。そこにいる人もプライドが高いので、慎重に話題を選んだ方がいいと感じた。その時はかなり微妙な案件だったのでなおの事そう感じたのかもしれない。
その他には、カナダのトロントに行った時にも利用した。大した用事ではなかったし、時間もあったので近くのナイアガラの滝を見物した。ナイアガラの滝つぼを回る遊覧船に乗って、水しぶきを受けるので全員ナイロンの透明なレインコートを着せられたことを思い出す。カナダ有数の観光地であるナイアガラの滝は今年は閑散としていただろう。
ラ・ガーデイア空港の今の様子を写した動画が送られてきた。
https://www.youtube.com/watch?v=lHTRNWUWDq8&t=1s
それを見ると人影は全くと言っていいほどない。いつになったら、かつての賑わいが戻ってくるのか、あるいはもう二度と戻ってこないのか。ここは、クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演の「ハドソン川の奇跡」で映画化された、2009年1月15日にハドソン川に不時着したUSエアウェイスのエアバス機が出発した空港でもある。ガランとしたロビーや車の影もない高速道路の様子を見ているとそんな感慨に耽ってしまった。
ラ・ガーデイア空港全景(Wikipedia)