ロンドンの友人からメールで、スペイン、フランスに続いてイギリスでもここ1-2週間以内にコロナウイルス感染者数の第二波が到来するとの見方が有力との連絡があった。その背景としてはマスクの着用が徹底していないこと、好天により人出が多かったこと、学校が再開されたことに加え、さらに重要なことは、PCRテストの能力が向上しかつ検査希望者が増えてきたことにより(検査能力は現在は一日平均20万件)確認件数が増えてきたことによる。
問題となる入院患者数はスぺイン、フランスで急増しており、イギリスもそれに続くものとみられる。この打開策として機能しそうな、さらなる行動制限(パブの営業時間短縮など)や一部での都市封鎖は避けられないだろう、と。
ただ、もし、全員がマスクを着用すれば感染者数は劇的に減るものとみられるのだが、メディアに登場する政治家は誰もマスクを着用していない。これでは国民に示しが付くはずがない。この点日本のように政治家が率先してマスクを着用してメディアに登場しているのと大いに違う。さらに、火に油を注いでいるのは与党保守党の国会議員がマスク着用が義務付けられている列車内でマスクを着用せずに乗車し、着用を忘れた、などと弁明したことで、それらは世論の厳しい批判に晒されている。
そんな中で彼は奥さんと一緒に感染を避けるため、専ら週に2-3回車で1時間足らずのところに所在するナショナルトラストの公園巡りをしている、ナショナルトラストは完全予約制で密集と言うこともなく、感染対策も徹底しているためだ。また、家族の一人がフランスのリヨンで働いているので、ジュネーブ経由で車により訪ねることや、彼にとっては長年の習慣になっているフランスでの2-3週間の休暇を取ることも考えているが、感染状況いかんでは直前にとりやめることもありうるだろう、と。
イギリスはこのところ日によっては4千人を超える新規感染者の確認もあり、何らかの手を打たないと爆発的な感染拡大が予想される。欧州では最も多い死亡者数を記録しているイギリスだけに、ジョンソン首相も今度は対応を間違えるわけにはいかないだろう。
EU離脱交渉にも暗雲が立ち込めており、イギリスの将来には不透明感が増しているようだ。
マスクを着用せず、距離もとらずにパブを楽しむ人たち(インデペンデント紙)