スーパーの棚にあった、この缶詰さんのラベルを見て、ワタクシは“はた”と膝を打ったのであります。
外来語をカタカナで覚えてしまっていることが多いこの時代、その元の意味を、何かの機会にあらためて知る、ということがありますね。その小さな発見が、この缶詰さんのラベルによってもたらされたのであります。
英語で“ヴィエナ ソーセージ”と書かれてありますが、ヴィエナというのは音楽の都ウィーンのことであります。社交ダンスのウインナーワルツも、英語ではヴィエナワルツと発音するのであります。
何となれば、我々が幼少の頃から親しんだ“ウインナーソーセージ”というものは、ウィーンのソーセージだったのであります。
個人的なコーフンがおさまったところで、ラベル裏側を見てみる。
こんなカラフルな調理見本が、何とも言えず楽しい気分を引き起こすものですなぁ。暗い背景にダンスク風の大きな器という、なかなかに品の良さを感じさせる写真であります。
かくのごとし。今日はこのままフォークを突き刺して食べるのであります。それでは失敬して、一口...。
柔らかいです。肉をすりつぶして使用したかのような、柔らかさ。そうして、鼻から抜ける香りにはレバーっぽい臭いもまじっております。絹ごしのような舌触りとは対照的に、野趣さえも感じさせる芳香なのであります。ちなみに汁はかなりしょっぱいです。
これがあのウィーンで発祥したソーセージなのでしょうか。ウィーン少年合唱団もこれを食べて育ったのでしょうか。この絹ごし食感こそ、あの柔らかい美声を生み出す秘密なのでしょうか...。
いや、一寸お待ちなさい。
その地域とは何の関係もないという名前の食べ物もありますなァ。例えばスパゲッティ・ナポリタンなぞという料理は、ナポリにはない食べ物であります。別の国の人間が名付けてしまった名前なのであります。となると、このウインナソーセージはどうなのだろうか知らん。
謎を残しつつ、また一本...。
内容量:113g
原材料名:食肉(鶏肉、豚肉)、食塩、コーンシロップ、植物性蛋白、ぶどう糖、乳蛋白、香料、酸化防止剤(エリソルビン酸Na)、発色剤(亜硝酸Na)
原産国:米国