とうとう、暑い日が続くようになった。
ついこのあいだまで、鳴きはじめのウグイスを聞いては「おい、まだまだ下手だな」とからかったり、透き通るような新緑を眺めては感嘆したりしていたのだが。
まこと、月日の経つのは早いものだ。
一年前の缶詰ブログを見てみると、8月5日の記事では“缶詰生誕200周年”を記念して、ドイツの缶詰で赤葡萄酒なぞ飲んでいたようだ。
ああ、季節は巡る。酔った頭もぐるぐる回る。ちなみに今日は蕎麦焼酎を飲んでいる。缶詰は無論、タイ産である。
これもまた、表記は殆どタイ語である。しかし「炸血蛤肉」と「Seasoned Cockles」というわずかな外国語(ん?)から推すに、これはハマグリの缶詰らしい。かほりは佃煮に煮ているが、少し東南アジア風のスパイスも入っているようだ。
つまんで食べてみると、心地良いピリ辛で美味い。しかし咀嚼して飲み込む段階になると、それが突然、激辛にヘンボーする。なんだなんだ、この二段階ロケット方式は...?
かくのごとし。ワタクシ、このアジアンテイストをどうしても征服したくなり、とっとと和食にしちまった。すなわち、戻したひじきとともにきんぴら風に炒りつけ、刻んだ大葉をたっぷりと混ぜ込んだのだ。
一汁一菜、清く貧しくたくましく。ハマグリについていた味が沁みだし、軽く振った酒がそれを丸くまとめてくれたのだが、これが何とも懐かしい素朴な味わいとなった。まるで、盆に訪れる田舎の家での食事のようなのだ。
ああ、スキンヘッドになったdii-chaiさんよ。タイの缶詰さんは実に奥深いものだなあ。同じアジアの民なのだよなあ。
(このあと必要以上のしみじみが小一時間続く)
内容量:90g(わはは、今回は判明しているぞ)
原材料名:タイ語表記のため不明
原産国:タイ