肉の缶詰には心が躍る。
「この缶の中いっぱいに肉が詰まってるんだ...!」
そう思うと、愛おしくてたまらない。
愛おしいあまりに開けられず、何年も手元に置いてあったりする。
で、こちらもそんな愛おし缶のひとつ。2010年にフランスで買ったポークパテ缶であります。
賞味期限を過ぎて4年も経っているのだが、そんなのは些細な事であります。
開缶!
表面に脂肪が浮き、その下の肉には焦げ目がついている。
缶に「オーブン焼き」と書いてあるから、一度焼いて表面に焦げ目をつけてから缶に充填したのか。
いや、きっと缶に充填してから表面だけを炙ったのだと思う(そのほうが簡単だ)。
さて、これをきれいに取り出すにはどうするか。
缶を両手でつかみ、側面をもみもみしてみる。
すると、内側に貼りついていた肉がはがれたので、逆さまにしてトントンしてやった。それですっと出てきた。
かくのごとし。
逆さまに出したので缶底部が上になったわけだが、そこには焦げ目がついてなかった。
つけあわせにバゲットを切り、マスタードも用意した。
ひと口分をナイフで切り取って、まずはそのままいただく。
むっ。甘くて、香ばしい匂いがする。ウマいです。
豚肉そのものに焼きたてのパンのような匂いがある。そこにブランデー的な香りも加わっているらしく、それが甘い匂いにつながっている。
肉の合間にレバーも混ざっていて、そこを噛むとレバーらしい風味がある。
しかし、飲み込んでしばらくすると、舌の上にかすかな渋みが残った。
酸っぱ辛いマスタードをつければまったく気にならない程度ではある。
きっと、賞味期限を過ぎて、味の経年劣化が起こったのでありましょう。
缶の裏を見ると、油性ペンで「2.14ユーロ」と値段が記してあった。
今のレートで計算すると260円。かなりリーズナブルなパテ缶でありました。
内容量:200g
原材料名:豚脂肪、豚レバー(最大で29.5%)、水、小麦粉、卵、外皮(豚皮のことか?)、塩、香料、砂糖、アルマニャック
原産国:フランス