缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

スウェーデンのアンズタケ缶

2016-01-25 10:22:01 | 蔬菜

 こちらはスウェーデンからやってきたアンズタケの缶詰。LiLiCoさんからいただいたものだ。

 彼の地ではよく食べられているキノコで、缶詰でも日常的に利用しているそうな。

 日本ではあまり聞かないキノコだが、物の本によるとわずかな毒を含むそうで、毒キノコに分類している図鑑もある。

 とはいえ、ヨーロッパでは広く食べられているキノコで、イタリアのポルチーニと並ぶほど有名らしい。

 いただいてから時間が経っていたので、缶の一部にサビが浮いてきた。

 しかしフタが膨らんでいないので、中は無事と判断し、開缶したのであった。

 

 イージーオープン式のフタを開けると、中にはみずみずしいアンズタケがぎっしり詰まっていた。

 キノコ缶ではよくある、酸味料のすっぱい匂いはほとんどしない。

 ひとつつまんで頬張ってみると、適度な塩気が利いていて、かつ松の木の匂いがしている。

 自然な味わいであります。

 

 かくのごとし。

 湯がいた菜花と一緒にバター&オリーブ油で軽く炒め、塩こしょうしてみた。

 アンズタケの素朴な風味に、バターとオリーブ油のコクが加わり、なかなかウマい。

 ここに醤油を垂らし、かつぶしをかければ白飯のおかずにもなるでありましょう。

 あるいは、ベシャメルソースなどでこってりと仕上げても美味しいと思う。

 料理意欲をかきたてる、素朴で美味しい缶詰であった。

 

内容総量:184g

固形量:110g

原材料名:アンズタケ、水(ヨーロッパでは水も原材料に表記するところが多い)、塩、酸味料

原産国:スウェーデン

 

 

 


松茸の缶詰

2015-11-06 08:56:44 | 蔬菜

 

 空は高く澄みわたり、ひよどりが鋭い声で鳴き交わす。

 秋、真っ只中である。

 土地によっては初秋かもしれぬ。あるいは晩秋かもしれぬ。

 それはこの際おいておき...。

 秋といえばきのこ。きのこといえば松茸である。

 実は松茸は、明治の時代から缶詰になってきた。

 しかし松茸が高級化路線を歩み続けた結果、松茸缶詰も数が減ってしまった。

「あの松茸さまを、なにも缶詰にしなくたって...」

 そんな思いもあるのだろう。

 そんな時代だからこそ紹介申し上げたいのが、この缶詰である。

 

 開缶!

 タテ切りになった松茸が、薄い醤油色の汁に浸っている。

 予想以上に数が多い。

 皿に出して確認してみよう。

 

 かくのごとし。

 まず驚くのが、その大きさである。

 タテ四つ切りくらいにしていると思うが(個体差によって変わると推測)、1本1本がデカい。

 かさは丸く膨らみ、はちきれそうである。

 長さも、長いものでは10センチちかくある。

 箸で持ち上げるにも重たいその1本を、まずはひと口...。

 やっ、歯応えが素晴らしい。しゃくしゃく、こきこきと音がする。

 これは一口大に切ってから食べたほうがいいだろう。それくらい噛み応えがあるのだ。

 味付けは、昆布だしを中心にした和風味。やや薄めなのがよし。

 試しに半量をバターとともにホイル焼きにしたら、実にウマかった。

 翌日には、残った半量を刻んで炊き込みご飯とした。すなわち2人家族で2晩、愉しめたのである。

 これで価格は1,800円。1食あたりにすると450円。投資額は回収できたと思う。

 

固形量:80g

内容総量:300g

原材料名:まつたけ、液体昆布だし[昆布エキス(還元水あめ、昆布、食塩)、食塩、その他]、液体和風だし(かつお節、かつおエキス、食塩)、みりん風調味料、砂糖、しょうゆ、調味料(アミノ酸等)、酸味料、糊料(キサンタンガム)

原産国:日本(滋賀県 販売・松茸屋魚松

販売価格:1,800円(税別。上記松茸屋魚松で電話・FAXで買えます)

 

 


黄色いトマト缶

2014-06-29 12:48:09 | 蔬菜

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イタリアでも珍しいという黄色いトマト缶

 缶詰の魅力は、世界中の料理や食材が味わえること。
 中には非常に珍しいものがあったりして、
(中は一体どうなってるんだろ?)
 開缶前のわくわく缶たるや、たまらないものがある。
 今回ご紹介するのは、イタリアから輸入されているホールトマト缶。それも、黄色いトマトを使っているという変わり種だ。
 ラベルのデザインも素晴らしい。はたしてどんなお味なのだろうか。期待がぐんぐん高まってくる。




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開缶! 確かに黄色だイエローだ




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ボウルに開けるとこんな具合。匂いは赤いトマト缶と変わらず




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 取りあえず、みじん切りにんにく&オリーブ油とともに加熱。パスタを作ることにした。
 加熱前にひと匙、スプーンですくって食べてみたが、味は赤いトマトよりもコクが少なく、あっさりした印象だ。
 しかし、この味の評価は自分でも信用できない。なぜなら、黄色という色彩の影響があまりにも強く、トマトを食べている気がしないのであります。




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 かくのごとし。
 具はツナ缶とブラックオリーブ。味付けは塩・黒コショウのみで、なるべくトマトの味が分かるようにした。
 しかしこうして見ると、トマトの黄色はパスタの色と馴染んでしまい、存在缶が薄れてしまった。
 何はともあれ、ひと口…。
 むっ。紛う方なきトマトソースのパスタであります。
 加熱によって酸味が薄れ、そのかわりコクが増している。目をつぶって食べれば、赤いトマト缶と変わらない。
 しかし目を開けると黄色い色彩に影響され、何か不思議な食べ物を味わっているような感覚だ。
 これはパスタより、野菜の煮込みなどに使うといいかもしれない。
 その野菜がピーマンやインゲンなど、緑色であればコントラストも鮮やかになるだろう。
 いや、それよりも赤いトマトを使えばいい。
(黄色と赤。強烈なコントラストになるぞ!)
 と缶がえたのだが…。
 それではトマトのトマト煮ではないか。




 固形量:245g
 内容総量:400g
 原材料名:トマト、トマトジュース、クエン酸
 原産国:イタリア(輸入はモンテ物産
 参考価格:180円くらい






味のあるやつ「味わらび」

2014-06-07 11:50:03 | 蔬菜

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福島・東信食品[味わらび]
園山俊二的風景がステキだ

 梅雨時になると、僕は高校時代を想い出す。
 仙台の片田舎にあった高校は、裏が雑木林になっていた。自然観察クラブに所属していた僕は、クラブの時間になると、ひたすら裏山を歩き回った。
 梅雨時にだって、ちゃんと上下合羽を着込み、ブーツを履いて歩き回った。
 クラブ開設時は、ほかの生徒も一緒だったはずだ。
 しかしひとり減り、ふたり減りと、櫛の歯が抜けていくように参加者が減っていった。
 最後には、僕ひとりで歩き回っていた。
 なぜ、ひとりでも歩き回ったかというと、えーと。
 どうしてだろ。
 きっと、ひとりの時間が好きだったんだと思う。
 青年期には、そんな気持ちになることがあるのだ。
 ある日のこと。裏山が火事になった。
 一夜にして黒こげになった裏山は、翌週に歩いてみると、辺り一帯が焦げ臭い匂いに満ちていた。
 そして、足元にはわらびやぜんまいが、一気に生え伸びていたのであります。




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開缶! 採りたてのような鮮やかな色

 天然の焼き畑状態になったことで、雑木林は山菜だらけになっていたのだ。
 僕は欣喜してわらび&ぜんまいを摘み取った。それからしばらくのあいだ、フレッシュな山菜を堪能したのであります。
 さっ、そこでだ...。
 この缶詰[味わらび]は、旬の時期のフレッシュな風味が味わえるのがすごい。
 東信食品はいわば山菜のプロで、ほかにもぜんまいや山うど、キノコの缶詰を出している。
 太くて柔らかい原料を厳選し、缶ぺきなアク抜きを施す。
 わらびの場合は一晩水に浸けるが、晩のうちに何度も水を取り替えるという。
 それを薄味に仕上げているから、わらび本来の味と香りが分かるのであります。




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 かくのごとし、その1。
 かつおぶしを乗せるだけで、それはもうウマい。
 表面はさっくり歯触りで、中はねっとりしている。それがわらび本来の食感なのだ。




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 かくのごとし、その2。
 蕎麦に乗せれば、それだけで本式の山菜蕎麦となる。
 蕎麦屋に行けば山菜蕎麦が食べられるが、塩蔵品を戻した山菜を使っている店も多く、それは美味しくない。
 この缶詰を使った方がずっとウマいんであります。

 東信食品では、山菜はすべて放射線検査証明書付きのものを使用し、さらに自社工場から出荷する段階でも放射線検査を行っている。Img_0891
 福島第一原発事故の風評被害と、今でも闘っているのだ。




 固形量:240g
 内容総量:450g
 原材料名:わらび、しょうゆ、食塩、みりん、PH調整剤
 原産国:日本(福島・東信食品)
 直販価格:3缶セットで1,410円(税込) 


 





愛媛のご当地缶「江戸ッ子煮」

2014-05-17 12:07:32 | 蔬菜
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素朴で愛らしい外観


 ご当地缶詰が、いよいよ熱くなってきた。
 テレビでも雑誌でも「ご当地缶詰」というキーワードがたびたび出てくるようになった。
 こうなれば、
「しめたもの…」
 であります。
 地元では愛されているが、けっして全国区ではない。そんなローカルな缶詰たちが、ついにスポットライトを浴びる時代になったのだ。
 と、いうことで本日は愛媛のご当地缶詰。
 その名も江戸ッ子煮であります。




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中身は牛肉入りの野菜うま煮だ




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 かくのごとし。
 天盛りにした木の芽以外はすべて缶詰。具が多彩で嬉しい。
 何が入っているか見てみると、牛肉、大豆、昆布巻き、たけのこ、しらたきの5種。しかも昆布巻きはちゃんとかんぴょうで巻いてある。
 あらかじめ湯煎で熱々にしておいたので、レンズ越しにいかにもウマそうな匂いが立ち昇ってくる。
 では、失敬してひと口…。
 むっ。少し甘めで、味が濃くない。それでいて、何だか独特の後を引くコクがある。
 このコクの秘密は、カレー粉のような香辛料が加えられているからだ。
 これこそが江戸ッ子煮の特徴なのであります。
 大豆は表面がぱりっとし、中はふっくら。たけのこはしゃきしゃき。しらたきはしっかり味が染み、牛肉は煮詰まった感じだが味が抜けていない。
 昆布巻きも、ウマいおつゆをたっぷり含んでいる。

 ところで、江戸ッ子煮という名の由来だが…。
 同社の方にお聞きしたところ
「恐らく、の話しですが」
 と前置きしてから、こうおっしゃった。
「少なくとも戦前からあった商品らしく、当時は輸出も見込んでいたようです。そこで、日本のものと分かりやすいように名づけたという話しです」
 なるほど。それで、愛媛産だけど江戸ッ子なのだ。




 固形量:110g
 内容総量:160g
 原材料名:白滝、大豆、筍、砂糖、醤油、牛肉、昆布(干瓢巻き)、食塩、香辛料
 原産国:日本(愛媛県 アール・シー・フードパック社)
 参考価格:380円程度(税込)