缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

熟成さんま缶を真俯瞰でいただく 

2017-11-23 13:49:14 | 魚介

読者諸賢よ! 

今回は特別な缶詰を取り上げたい。木の屋石巻水産の「さんま水煮 南高梅入り」というやつであります。

これは2016年に同社が限定製造したもの。女川漁港に水揚げされた新鮮なさんま(刺身で食べられるほど)を、その日のうちにカットして缶詰にしている。

同社が誇るフレッシュパックというもので、冷凍原料は使われていないのだ。

ベースは水煮(塩味)だが、そこに和歌山のこんぶ梅と梅酢を加えてある。

発売当時に買い、丸1年のあいだ缶棚に置いて熟成させたのだ。

 

賞味期間は3年だから、つまり2016年10月1日に製造されたということ。

丸1年経って、さんまの身と調味液がほどよく馴染んだ頃合いのはず。本当はもっと寝かせたかったが、食べたくなっちゃったのだから仕方ない。

とはいえ、さんまの不漁が続く昨今は、さんま缶自体が貴重であります。

 

開缶!

何と美しい切り身でありましょう。青背の魚は皮目が命。

表面に浮いているのはさんまの脂分だ。DHA、EPAがたっぷり含まれ、密封されていたから空気に触れていない。

何となれば、酸化してない脂なのだ。きっと身体にいいだろう。

赤く見えているのがこんぶ梅だと思う。

 

ここでひと技。

缶汁だけをそば猪口に注いでおこう。同時に飯を炊き、ねぎと大葉を刻み、湯を沸かしておくのが理想。

 

かくのごとし。

炊きたてのご飯にさんま、大葉、白髪ねぎ、酢生姜を乗せた。

缶汁は熱湯で倍に薄め、刻んだねぎとゴマを散らしてスープとした。

では、失敬してさんまの身をひと口...。

むっ。梅の味がしないぞ。脂の乗ったさんまのうまみが口中に広がるばかりだ。

しかし何だか香りがいい。そうか、これは梅ダイレクトではなく、隠し味として働いているのだな。

じっくり味わうと、確かにただの塩味より味わいが一段深い。

そして、スープが凄い。

うまみが舌を包み込み、背骨を伝わって脳髄をじじーんと痺れさせた。首筋のうぶ毛が逆立つ。

例えて申せば、羅臼こんぶに本枯かつぶしを惜しげもなく投入した出汁のようなインパクト。

今度食べるときには缶汁ぶっかけご飯もやってみよう。

 

 

固形量:120g

内容総量:170g

原材料名:さんま、梅酢、こんぶ梅、酒精、調味料(アミノ酸等)、酸味料、甘味料(スクラロース)、ビタミンB1

原産国:日本(製造・木の屋石巻水産)

※終売