先日、我が家に火鉢が入った。
なに、火鉢といっても大仰なものではない。いわゆる手あぶりという、小振りのものだ。
こうなると、ちょいと酒でも飲みたくなるのが人情というもの。
「冷えたのを、きゅっといきたいねぇ...」
「気取ったグラスなんかよりさ、茶碗でいきたいね...」
と、あくまでも「...」を重視した思想および行動を取るようになるのである。
ところがここに、洋食のザワークラウトが登場するのがこの缶詰ブログの特色なのである。
おりしも、本日は缶詰の日(10月10日)。ワールドワイドで、メジャーで、かつドメスティックでヨロレヒな缶詰さん(意味混迷)の登板を誰しも期待した日なのである。
この人選、いや缶選は、極めて厳粛に行われたことは言うを待たない。
きこきこと旧式の缶切りで開ける。これがヨロレヒのザワークラウトである。
缶詰の刃を入れた段階で、ついと酸っぱそうな匂いが立ち昇った。これは期待出来そうな予感である。匂いというもの、これ即ち記憶を呼び覚ますもので、馬鹿には出来ないものである。
かのプルーストが、マドレーヌを紅茶に浸して味わったとき、そのかほりで膨大な記憶がよみがえったという。それがあの大作
を生み出すきっかけとなったのである。
そこで私もザワークラウトの匂いを、じっくりと嗅いでみたのである。
かくのごとし。
一所懸命匂いを嗅いだが、私には特に思い起こされることはなかった。当たり前である。私は生まれも育ちも、生粋の日本人なのである。
何となれば、「あとは食うだけ」ということになる。
それでは失敬して、一口...。
おや、甘みが殆ど感じられない。かと言って酸っぱいだけでもなく、程よく発酵している。これは辛口と言えるのではないだろうか。
一度、興味本位でザワークラウトを自作したことがあったのだが、その時はだいぶ砂糖を使用して甘く作った憶えがある。勿論、何かのレシピを参考にしたのだが。
あるいは洋食屋などへ行ってザワークラウトを食べるときも、どこでもこれよりは甘い味付けである。
本場のザワークラウトは、こういう味なのかもしれない。ドイツ方面へ行ったことがないので分からないのだが。思ったより淡泊で、大人の味わいなのである。
内容総量:300g
固形量:285g(中身たっぷり)
原材料:ドイツ語のため解読出来ず
原産国:ドイツ