パッケージが可愛いのだ
僕は金目鯛の煮付けに目がない。
鮮やかな赤い皮と、びっくりしたような大きな目。
その姿、まるで金魚を大きくしたようで、実に愛らしい。
物の本で調べてみると、金目鯛は“鯛”と名が付いても、タイの仲間ではないという。キンメダイ目キンメダイ科という、独立した種族であります。
この愛らしいキンメちゃんを、砂糖と醤油で甘辛く煮付けたものが、伊豆の名物なのだ。
上品な脂を内包した白身。唇や目の周りのぷるぷるしたとこ。頬の筋肉。ヒレの付け根の歯応え。
1尾頼めば4,000円近くはする高級魚だが、これを相手に地酒をやるのが、堪えられない。
そんな高級魚のキンメちゃんが、なんと缶詰になったという。
現在、試作を終えたところで、12月下旬には市販される予定。缶詰ブログでいち早く、そのお味をお伝えしようと思う。
開缶! 左から水煮、油漬、バジル入りオリブ油
キンメの美しい皮目。舌の上でとろり、溶ける
鮮やかな皮の色が一番よく出ているのが油漬。綿実油を使っていて、味付けは塩のみ。
ほろほろと崩れる柔らかい白身に、香ばしい綿実油が染みこみ、実にウマい。
湯煎で温めてやるとさらにGoodであります。
塩のみで味付けした水煮。あっさりとした身肉で、奥からじわり、脂がにじみ出る。上品な煮魚という印象だ。
バジル入りオリブ油(オリーブ油を“オリブ油”と表記してるのがいい)。
バジルの風味がしっかりと利いていて、一転してイタリア~ンな缶詰になっている。
上記2種と色合いが違うのは、バジルの色がしみ出したからだという。
このキンメ缶は伊豆・下田の特産品として売り出される。
それというのも、下田の金目鯛は高級魚として名高いが、それは魚体の大きなものに限られる。
初夏に揚がる小振りのキンメは、魚価が下がりがちで、
「付加価値をつけて活用できないか」
こう考えた伊豆漁協関係者が、缶詰にすることを思いついたのであります。
缶詰ならお土産として、気軽にバッグに放り込める。それでいて、中身はあの垂涎のキンメちゃんなのだ。
まさに缶詰の面目躍如。快哉を叫ぼうではないか。
固形量:64g
原材料:油漬(キンメ、綿実油、食塩)、水煮(キンメ、食塩)、バジル入りオリブ油(キンメ、オリーブ油、バジル、食塩)
原産国:日本(伊豆・下田、製造は由比缶詰所)
予定価格:500円(税込)
※当面は伊豆漁協の直売所で販売予定