缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

ライ麦パンの缶詰

2014-12-23 10:35:05 | パン、ケーキ類

今年も聖夜がやってくる。

はたして何を食べようか。

鶏もも肉。ケーキ。酒の肴にオードブルいろいろ…と、これらはすべて夕食メニューだ。

聖夜の朝食はどうするのか。

朝からお祝いしたっていいではないか。

「そうだ。我々はこれまで、聖夜の朝食をちっとも考えてこなかったじゃないか!」

と義憤をおぼえ、机をどんと叩く。が、すぐに

(聖夜を前にして憤っちゃいけないヨ)

と反省し、冷静になる。

ともかく、いつもと同じ朝食では味気ない。和食はダメ。納豆とお新香でご飯などというのは絶対ダメ。

洋食でなければならぬ。それも、普段は味わえない洋食で、忙しい朝にささっと用意できるもの。

そこまで缶がえて、ついに思いついた。それはライ麦パンの缶詰であります。

ぱかっと開缶!

酸味のある発酵した香りが立ち昇る。まるでエールビールのような、素晴らしく食欲をそそる香りであります。

これはショーマッカーというパン屋さんがドイツから輸入しているもの。スライスしたライ麦パン(直径約9cm)が15枚、ぎっしり入っている。

かくのごとし。

スクランブルエッグとソーセージを添えて洋食気分を盛り上げた。

さてこそ、ライ麦パンをひと口...。

むっ。甘酸っぱい味が口中に広がっていく。普段食べている小麦のパンとはまったく違う。

ライ麦の大粒が結集したような状態なので、ひと粒ひと粒の噛み応えも楽しい。

それらを丁寧に噛んでいると、滋養がすべて体内に入ってくるようだ。

素朴。単純。質実。まさにドイツのイメージであります。

試しにクリームチーズをつけてみると、コクとうまみが加わって一気にゴーカになった。

まさにクリスマスの朝にふさわしい缶詰でありました。

 

内容量:500g

原材料名:ドイツ産無農薬ライ麦、自然酵母、てんさい糖、塩

原産国:ドイツ(輸入販売 東京都/ショーマッカー

 

 

 

 

 


『缶詰の現場から』マルハニチロ北日本・青森工場

2014-12-04 14:27:43 | 取材もの 缶詰の現場から


青森市に着いたのは夕刻であった



 読者諸賢よ!
 今年もいよいよ押し詰まってきたが、僕はぷらりと工場見学に行ってきた。
 マルハニチロ北日本の青森工場であります。
 同工場はサバ、ホタテ、イカを中心に缶詰を生産している。とくにサバ缶の生産量は約8割と主力事業だ。
(ちなみに日本で一番売れてるサバ缶はマルハニチロブランド。サバ缶市場の約5割を占めている)
 青森工場では、ほかにも“死ぬほど辛い”新シリーズ[アジアン味]や[おうちでバル気分]シリーズ、他社ブランドの受託製造も行っている。
 取材時は山崎工場長にお話を伺い、場内を製造課・奥山課長にご案内いただいた。折しもサバ缶生産の最盛期だったので、その生産ラインをとくとご覧いただきたいのであります。




山崎氏(右)と奥山氏。満面の笑顔なのは前夜一緒に呑んじゃったからである




冷凍サバを解凍するスペース。八戸港で鮮魚のサバを調達した日は、むろん生のまま使う
このあと金属検知機で釣り針などが残ってないかチェックする




サイズを大別する。缶詰に使えない小さな魚体はパイプのすきまから下へ落ちる仕組み




さらに手作業でサイズを分け、カッターで切るために頭を揃える(これは小さいほう)
このラインの左奥でカッターが回転しているのだ




頭を落とし、内臓を除去し、筒切りになったとこ。身が新鮮なのがよく判る
このあと再度、金属検知機へ




身の大きさや向きを揃えてラインへ収め、自動肉詰フィラーという便利な機械で缶に詰める




身が横になったり缶からはみ出たりしたものは手で直す。重量チェックとその調整も行う




調味液を入れて…




中の空気を抜きつつフタを密封




じゃんじゃん作られております!




レトルト殺菌釜で加熱。同時に骨まで柔らかくなり、味も中まで染みこむわけだ




X線検査を経て賞味期限印字を行い、箱詰。最後に保管倉庫へ


 取材中とくに興味を惹かれたのは、場内を清潔に保つための様々な工夫があったこと。
 その意志は当然、商品作りにも反映されるわけで、例えばこんな手作りの注意書きがあちことにある。



 奥山氏によれば、こういうカイゼンは従業員が自ら行っているそうだ。これには缶服してしまった。
 
 近年は大手メーカーよりも中小メーカーに注目が集まりがちだが、製造現場の苦心はどちらも変わらない。一番大切なのは心配りであります。
 マルハニチロ北日本の青森工場では、確かにその心配りが見られましたゾ。