料理店、旬膳さとりの味を再現したという高級缶詰
安けりゃ何でもいいという風潮に抗う、闘う缶詰だ
ようやくに、寒さが緩んできた。
遙か富士山まで見渡せた澄明な大気も、ここ数日は霞がかかっている。
気温が上がったためである。
折しも、南房総では菜の花が見頃だという。
(間もなく春だ)
こう思うだけでそわそわしてくる。
(春になったら、まずは花見だな)
(酒を持って、缶詰持って、と。どこ行こうかな)
桜の下で、杯になみなみと注がれる吟醸酒。
さっと強い風が吹き抜け、辺り一面は桜吹雪。周囲から喚声が上がる。
「やっ、お先に失敬。んくんくんくっ...」
「いい飲みっぷりですなァ」
「ささっ、ご返杯」
「これはこれは、お気遣い痛み入る。うくくっと...。いい酒ですなァ」
妄想に、矢も楯もたまらず、思わず立ち上がる。立ち上がったはいいが、どうにもならぬ。部屋の中を徘徊する。
取りあえず、缶詰だけでも準備しておくか。
今回、もっとも期待している卯の花
開缶すると一見、ポテサラのようだ
かくのごとし。おからのきめが細かい
甘さをかなり抑えた味付けだ
先月発売されたばかりの、さとりの缶詰の新シリーズ。
『卯の花』『ピリ辛こんにゃく』『切干大根』の3種を、ツナ缶くらいの小さなサイズで展開している。
花見に持って行くのによさそうな総菜ばかりである。
ピリ辛こんにゃくは小さな丸こんにゃくが愛らしい
かくのごとし。じっくりと味が染みてすごくウマい
切干大根はお揚げさん、干し椎茸の入った正統派
かくのごとし。かなり味が濃く、飯が1合食べられそう
もう少し薄味のほうが、筆者は好みである
さればこそ、かくのごとし。
妄想に嬉しくなって開缶してしまったが、実際の春にはまだ遠かった。
さっきも暖房を入れたばかりである。
こうなれば部屋の中で、妄想花見を続行するほかないのだ。
「さあ一献」
「むっ、いただこう。んくんくんく...と。さっ、君も1杯やりたまへ」
「まあ、いいんですの? それではひと口だけ...うふふ」
「こういうのを、差しつ差されつというのだな」
「あれ、桜の花びらが、あなたの髪に...」
さっきと違い、相手が女性になっているが、どうかご容赦いただきたい。
これが妄想花見のいいところなのだ。
『卯の花』
内容量:90g
原材料名:鶏肉、ぶなしめじ、乾燥おから、醤油、清酒、みりん、砂糖、植物油脂、鰹節エキス、チキンエキス、調味料(アミノ酸等)、酸味料
『ピリ辛こんにゃく』
内容量:65g
原材料名:こんにゃく、醤油、鰹節エキス、植物油脂、食塩、唐辛子、調味料(アミノ酸等)、水酸化カルシウム
『切干大根』
内容量:65g
原材料名:醤油、みりん、砂糖、切干大根、干し椎茸、油揚げ、植物油脂、調味料(アミノ酸等)凝固剤
原産国:日本(東京都・サンライズ)
参考価格:Amazonで525円