缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

わしたポーク

2008-04-27 22:01:33 | 

Washita1400

 今回の缶詰は、スパムによく似ている『わしたポーク』なんであります。
 わしたというのは、沖縄の言葉で「私たちの」という意味なのだそうだ。
 しかしポークというわりには「鶏肉入り」なんていう表記があったりする。
 やはり沖縄は大らかというか、大ざっぱというか。そういう気質が、一寸羨ましいなー。




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 おっ、巻取鍵が付属してますぞ!
 こいつで金属をくるくる巻き取って開けていく作業は、数ある缶詰さんの中でも、もっとも開缶心地のよいものなのだ(変な言い方)。
 表面の包装をはがすと、ブリキの地肌がとても美しいです。




Washita3300固い金属をくるくる巻き取っていく。
この作業が大変に気持ちいい。
幼少の頃、この巻取鍵をなぜかたくさん収集しておりました。
宝箱に、たくさん入っておりました。








Washita4400やっ、何だこのへこみは?
缶にみっちり入ってないではないか。
へこみ分を損した気分ではないかっ。
しかし、これも沖縄の大らかさか。








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 スライスして、さらに縦半分に切る。
 本日はスパム寿司、じゃなかったわしたポーク寿司を作ってみようではないかい。




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 しっかりと焦げ目がつくまで焼く。
 最初に弱火でじっくり加熱して、わしたポークの脂を引き出しておくと、油を引かなくてもOKであります。
 仕上げにショーユをひと回し。




Washita7400_2右手で酢飯を握って形をつくる。
酢飯(シャリ玉)は22g。
と、小僧寿しでは習ったよ。







Washita8400_2ネタの上に乗せて。
細く切った海苔で巻いて、っと。







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 ささ、でけました。
 このいびつさ、歪み具合がいい。
 箸で持ち上げると壊れそうな脆さ、はかなさが愛らしい。
 22gが適正とか言いながら、大きさは不揃いでキメてみた。
 これぞシロート寿司の醍醐味なのであります。
 それでは失敬して、一口...。
 むっ、なかなかイケる。食感は魚肉ソーセージに限りなく近く、そこにぶーちゃん臭と鶏レバーの風味がわずかに混ざる。
 魚肉ソーセージの食感なので、かりかりと焦げたあたりが美味い。
 わしたポークはスパムよりも脂分が少ないようだ。塩分もスパムの塩分控えめ商品(レスソルトバージョン)よりさらに控えめ。
 スパムの場合、ショーユを使うと明らかに塩分摂りすぎのような気がするものだけど、これなら安心であります。
 最終的にはマヨネーズを少々乗せて、コクを足したところでお味は完成したのでありました。




 内容量:180g
 原材料名:食肉(豚肉、鶏肉)、ばれいしょでん粉(遺伝子組み換えでない)、食塩、黒糖、香辛料
 原産国:日本(沖縄物産公社HO)




追:この記事は『catpaw』“SPAMをどう食べる?”と、
『ぽんすけ日記』“わしたポーク(今日だけ缶詰ブログ)”にトラックバ~ック!!




炸魚の缶詰(笑う魚ブランド)

2008-04-20 12:24:32 | 魚介

Smilingfish1400
炸魚とは揚げた魚のことらしい

「春なのにぃ~ お別れですかぁ~♪」
 ちょいと冷える今日の東京。朝から曇天でもあり、なぜかこんな切ない曲が頭に浮かんだりする。
 しかし、春である。
 家の前の通りも、八重桜、ハナミズキ、チューリップ、ジャスミンなどなど、花が満開なのである。
 そして春は、物事が動き出す時期。
 我が缶詰blogも、来月はAMラジオ番組出演、再来月は東京カルチャーカルチャーでのイベント出演と、にわかに活動的になってきたんであります(詳細は追ってお知らせいたしますです)。
 読者諸賢よ! 筆者はこれからも缶詰エバンジェリストとして、面白い缶詰たちをどんどんご紹介していく所存であるぞよ。

  


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缶を包装紙で包んであるのが珍しい
包み方も木訥そのもので大変よろしい

 ところでみなさん。
 このブログは便宜上、記事をカテゴリに分けております。
(右側のサイドバーに『カテゴリ』というメニューがある)
 その中で、もっとも閲覧数が多いのが『魚関係』というカテゴリなのだ。
 2位の『肉関係』に比べて、ほぼ倍の閲覧数がある。
 やはり我々は魚食民族、缶詰といえば魚なのであろうか。なかなか興味深い結果ではある。

 


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 包装紙を広げてみる。
 プルタブを描いたイラストと、オレンジ色のチェッカー模様が実に個性的。
 笑う魚ブランドのトレードマーク、SMILIMG FISHの顔付きが愛らしい。
 外国産の缶詰は、こんなところに魅力があるのだよなあ。




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開缶はモダーンなプルトップ




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 かくのごとし。
 魚を筒切りにして、油で揚げてから味付けしているようだ。
 わずかに魚の生臭さが立ち昇る。個体の大きさは鰯程度。包装紙を見ていただければ分かる通り、表記はすべてタイ語なので、何の魚か不明であります。
 それでは失敬して、一口...。
 むっ、以前ご登場いただいた笑う魚ブランドの味付け蛤を思い起こさせるお味。甘辛く、ぴりっと小気味いい唐辛子の辛さがあとを引く。
 あの、ほら、鯵の南蛮漬けというやつがありますね。油で揚げて、赤唐辛子入りの甘酢に漬けたやつ。
 感覚としてはそれに似ていて、さらに色々な香辛料が絡み合っている。しかし酢は使っていないようだ。
 背骨が意外と硬い。しっかりと奥歯で砕いてから嚥下しないとキケンな感じがする。
 包装紙の愛らしさと違って、意外にも“ホネ”のある缶詰なのであった。




 内容量:90g
 原材料名:タイ語ゆえ、なーんも分からんです
 原産国:微笑みの国タイランド
追:この缶詰は『チャイディーな世界』のchai-diiさんからの贈り物であります。
 缶詰blogがやっていけるのも、こうしたみなさんのご協力があったればこそ、であります。
 ということで『チャイディーな世界』“コムローイ”にトラックバック!




鯨缶詰ノスタルジア

2008-04-03 11:26:34 | 

Kujira1300

 給食の話って、盛り上がりますね。
 とくに、自分と近い世代の人と話すと盛り上がる。
「小学校のときの牛乳はテトラパックだった」
「ちょうど米飯給食が始まったときでねぇ」
「小麦粉のたっぷり入ったカレーが美味かったな」
 と、想い出話は尽きない。
 給食こそが、学校での一番の楽しみだった、という人も少なくない。
 かくいうワタクシが好きだったメニューはというと。
 いろいろとあるけれど、その中でも鯨肉の竜田揚げとケチャップ和えを挙げたいと思う。
 ケチャップ和えというのは、鯨肉を一度唐揚げ(竜田揚げだったかも)にして、ケチャップを絡めて炒めたものだったと思う。
 いつの時代も、揚げ物は子供の大好物なのであります。





Kujira2300
鯨肉缶詰もプルトップ式になった

 この缶詰は、先週浅草に桜を見に行ったおり、鯨肉専門店で見つけたもの。
 鯨の缶詰といえば甘辛い大和煮がほとんどなので、この焼き肉というのは珍しい。
 そもそも、今では鯨肉自体が珍しいものとなった。
 1缶300円ということで迷わず購入。
(鯨肉って、何年も食べてないなー)と、指折り数えてみると、少なくとも5~6年は食べていないことが判明した。





Kujira3400

 かくのごとし。
 焼き肉というよりは煮肉という風体である。
 ともあれ、なつかしの鯨殿である。
「どんな味だったかなァ」と、期待を込めて一口...。
 やっ、これはどうしたことか、カレー味がするではないか。
 パッケージには“カレー味”なぞと書いていない。店員さんも「鯨本来の味が楽しめます」なんておっしゃっていたのだ。
 渋い顔つきとなったのが自分でも分かる。せっかくの鯨殿にカレーをまぶすとは、大胆というか、斬新というか。
「ンナローッ! せっかく久しぶりだったのに」
 悔しかった。
「オレの青春を返せ」
 激昂のあまり、理不尽な怒りも沸き上がる。
 泣きながら食していくと、歯ごたえはやはり鯨肉特有のもの。みっしりと繊維が満ちた肉質で、合間に入っている脂身がそれを緩和している。
 わずかに獣臭いところも、あのなつかしの鯨殿であった。
「それにしても、ンナローッ...」
 うなりつつ、背を丸めながらも、しっかりと堪能してしまう。
 そして食後のお茶を飲んでいると、思いがけないところでノスタルジーが顔を出した。
 鯨肉の線維が、歯の間に挟まっていたのであります。
 懐かしさに嬉しくなって、台所から楊枝をもってきて歯の間をしきりにせせった。
 このシーハシーハが味わえるのはやはり、クジラ缶ならではの魅力なのであります。




 固形量:55g
 内容総量:85g
 原材料名:ヒゲ鯨赤肉、砂糖、しょうゆ、でん粉、豚脂、カレーパウダー、食塩、香辛料、調味料(アミノ酸等)、糊料(グァーガム)
 原産国:日本(丸水札幌中央水産)