缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

缶・瓶詰料理の壁を打ち破れ! その実験と考証

2008-02-19 20:59:30 | 缶詰考察

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 缶詰や瓶詰を使って料理をする場合、その独特の風味がどうしても鼻につく場合がある。
 それゆえ、どんな高級缶・瓶詰を使っても
「んー、所詮は缶詰料理だなァ」
 というB級の評価をいただいてしまうのである。
 例えば、サバの水煮缶。
 サバは本来、血合と脂の混じった香ばしい匂いがするものだが、水煮缶になると、どことな~くネコ飯的な匂いがする。
 サバに限らず、魚関係の缶・瓶詰はどうしてもネコ飯的匂いが強い。また、濃い味付けもやはり独特のものだ。
 そういう風味は最後まで残る。これを業界では『缶・瓶詰料理の壁』とよび、業界人ならびに一部の缶・瓶詰マニアから恐れられているのである(ウソですけど)。
 私は、この問題の解決に取り組みたい。
 正面からのぶちかましで壁を突破したい。
 そこで今回実験するのは、瓶詰の鮭ほぐし身なのである。




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まず酒を煮切る

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それをオリーブオイルと混ぜる

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 こうして酒・オリーブオイルのミックス液を作り、瓶詰の鮭ほぐし身にかけてみたのである。
 その目的は、

1、瓶詰の鮭特有のネコ飯的匂いを緩和したい
2、旨味調味料的な味を打ち消したい
3、オイルを加えて身のパサパサ感を改善したい

 の3点であった。
 では、検証のため一口...。
 ふーむ。む、むむ。煮切った酒のおかげで、かなりの甘さが加わってしまった。これは予想以上であった。
 それから当然ではあるが、オリーブオイルのかほりが強く出ている。これはオリーブオイル好きの人なら構わないが、より普遍的な味を求める上では不利であろう。
 ただの思いつきでやってみた結果、目的の1と3は改善されたものの、2の旨味調味料的な味は最後まで残っている。そこで...。

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こっそりと大葉を刻み...

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 こっそりと混ぜ込んでしまった。大葉の香りは絶大なものだから、これは一種のズルなのである。しかし今回は、どうか許してやってください。




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酢飯をよそって...

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 かくのごとし。
 海鮮丼を食べたかったのだけど、材料がまぐろとイカしかなかったのである。
 そこで瓶詰鮭ほぐし身のご登場を願ったわけであった。
 今回の主役は、あくまでも鮭ほぐし身である。
 この写真からも、そのことは充分みなさんに伝わっていると思う(伝わらないかナ)。
 さて、さっきズルをしてから3時間ほど経過したこともあって、鮭ほぐし身は酒・オリーブオイルタレに馴染んでいる。大葉のかほりも身に移り、実験第一回目としてはまあまあの結果となった。
 しかしズルをしたのが最後まで気に掛かった。
 缶・瓶詰特有の風味を消す万能タレの開発は、まだまだ続きそうである。




あけぼのかに缶に接写で迫る 続き

2008-02-17 12:45:31 | 魚介

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 にんにくがほどよく色づいたら、赤唐辛子を取り出してトマト缶を投入。
 この色とかほり、食欲をぐんぐん促進しますなー。
 火力は中火でいきましょう。




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 かに缶は脚と雑肉を分けておくのも手。Crab5400
 盛りつけで脚を上に載せると、ちょいと見た目がいいのだ。
 ところで、トマト缶はたいてい400gくらいの量がある。
 残りはタッパー的なもので冷凍保存しましょう。
 このあたりでパスタ用の湯をぐらぐらと沸かせておきますです。




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 トマトが少し煮詰まったところで、カニ雑肉を投入。
 カニがトマトの水分を吸っていくので、お湯を適量ブチ込んで、煮詰まりすぎないように調整しますです。
 ソースがとろっとしたあたりで火を止める。
 塩・胡椒で薄く味付けしておきましょう。
 この手順のどこかでパスタを茹で始めるのがうまい段取りであります。





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 初公開、調理および撮影中の風景であります。
 撮影のタイミングを逃すまじ、と照明や三脚が調理器具とごっちゃまぜであります(写ってないけど、足元あたり乱雑をきわめる)。
 さて、パスタの茹で上がり3~4分前になったら、ソースを加熱して生クリームを投入しまっす。
 カニの脚も投入し、しっかりと混ぜておくんであります。
 最後に味見して、塩胡椒で調整。




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 芯の残るやや固めのアルデンテでパスタを湯から上げ、ソースと絡めていく。
 ここでパスタにソースを吸収させるように、しっかりと加熱しながらあおる。
 そのためにもパスタは固めで上げておきましょう。




 

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 かくのごとし。
 カニ缶を一缶使っただけあって、カニの身がたっぷり入った贅沢なパスタとなった。
 では、失敬して一口...。
 ふむ、ふむ。非常に柔らかくて芳醇なかほり、お味であります。
 カニのパスタといえばワタリガニのパスタが有名でありますが、そのワイルドな味わいとはまったく違う。
 ふわりと甘くて、何というか実に暖かく優しい味わいなんであります。
 とはいえ、実はワタクシ、それほどカニ好きではないのだ。
 何となれば、カニを目の前にしても何らコーフンすることはなかったんであります。
 取りあえず
「ぜーたくしたな」
 というのが最終的な感想でありました。了







あけぼのかに缶に接写で迫る

2008-02-15 17:28:33 | 魚介

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 カニと聞いて目の色を変える人は多いという。
「カニは高いんだかんに!」
「滅多に食べられないんだかんに!」
 と、普段は大人しい人が、むくつけき人物に変身する恐れもあるという。
 しかしワタクシは心静かにいたいと思う。
 目の前にカニ料理が並ぼうとも、穏やかでありたいと思う。
 東に病気の子供アレバ、行って「このカニ食べなよ」といい、
 西に疲れた母アレバ、行ってそのカニの殻剥きを手伝ってやりたいと思ふ。




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 本日は、あくまでも心穏やかに料理を執り行いたいと思う。
 メニューはずわいがにのパスタである。
 使用するのは『あけぼの金線べにずわいがに』である。
(定価1,000円を昨年の缶・びん詰フェアにて半額で購入)




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 ぱっかんと開缶。
 例の紙に包まれたお姿だが、この紙は硫酸紙(硫酸を含んでいるわけではない)というシロモノ。
 この紙に包むことによって、カニに含まれる硫黄分が缶の鉄分と結合するのを防いでいるのだ。
 結合すると、どーなるのカニ? 何でもカニの身に黒い斑点ができるらしいがに(日本缶詰協会HPより)。

 えー、材料は二人分です(きょうの料理の後藤さん風に)。
 トマト缶150gCrab4300
 パスタ(リングイネ)180g
 にんにく1片
 オリーブオイル大さじ3
 ローリエ1枚
 オレガノ小さじ2/3
 赤唐辛子半分
 生クリーム80g
 塩・胡椒適量
 そして本日の主役、カニ缶が1缶となっております。




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にんにくは横に切れ目を入れて...




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次は縦に切れ目を数本
(横・縦とも最後まで刃を通さない)




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あとは薄くトントンするです
包丁は常に研いでおきましょう




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 冷たいフライパンにオリーブオイルとにんにく・赤唐辛子を入れてから火に掛ける。
 熱くしたフライパンに材料を入れると、すぐに焦げてしまうのであります。
 ところで、突然ではありますが、今回はここで終了したいと思う。
 今夜にもこの続きを撮影し、かつ出来上がりを食し、次回配本(配信か)へとつなげていく所存なのであります。




 カニ缶
 内容量:135g
 原材料名:べにずわいがに、食塩、砂糖、増粘多糖類、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、pH調整剤
 原産国:日本(北海道産カニ)あけぼのブランド(ニチロ)

 トマト缶
 内容量:400g
 原材料名:トマト、トマトジュース、塩、酸味料
 原産国:イタリア






GaGa®サバの南蛮漬け

2008-02-09 12:33:35 | 魚介

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 白皚々、東京に雪降りぬ。
 こんなに雪の降る冬は珍しいような気がする。
 東京では、三月にまとまった雪が降ることはよくある。
 しかしそれは一日だけなのである、
 こうして一月二月と、雪の降る日が何日もあるのは、珍しい気がする。
 それがどのくらい珍しいかというと、えーと。
 とくに想い出せない。
 まあ、そのへんはあまり追求しなくてもいいとして。
 こうして暗い空に閉じこめられていると、気分も鬱々としてくる。
 こんなときに救世主として現れるのが、微笑みの国タイランドの缶詰なのだ。




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古式ゆかしいキコキコ式開缶

 これは揚げたサバを「Sweet&Sour Sauce」に漬けたものと書いてある。Mackerel3300
 つまりサバの南蛮漬けということであろう。
 これを本日はサンドイッチにしてみたい。
 魚のサンドイッチなぞ、聞き慣れない読者諸賢もいるかと思う。
 しかし西洋には、そのような食べ方があるらしいのだ。
 特にイタリアやイギリスあたりにあったような気がする。
 チャップリンの映画にも出てきたような気がする。
 どうも本日はすべてにおいて「そんな気がする」に基づいて進行していくような気がする。




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 かくのごとし。
 外観を見る限り、特に美味そうだとも、不味そうだとも思えない。
 ただ、やっつけ料理だという印象は非常に強い。
 しかし肝心のサバ南蛮漬けからは、あろうことか、ニチロの『いわししょうゆ味』缶にそっくりのかほりが漂ってくる。
 ともかくも、一口...。
 ややっ。お味も『いわししょうゆ味』缶に似ている、ような気がする。
 そもそも、いわしとサバはまるで違う魚なのだが、
「これいわしだよ」と出されたら、きっと自分は分からないような気がする。
 しかし咀嚼が進むにつれ、唐辛子の辛みが口中を支配してくる。
 酸味もわずかに感じられる。
 繊維質の多い食感は、やはりサバ独特のものだ。
 それがバターの香る甘いパン(Pasco製)と、しゃくしゃくのサニーレタスとあいまって、そのー。
 あいまって、えー、「とても美味しい」と言いたいところだが。
 やはりやっつけ料理のお味という気がする。
 せっかく陽光の降りそそぐタイランドの缶詰を、台無しにしてしまったような気がする。

 どうもあれですな。「そんな気がする」なんてあやふやな意思に基づいた行動というのは、最後まで煮え切らないものですな。




 内容総量:150g
 固形料:100g
 原材料名:サバ、砂糖、トマトペースト、チリ、パームオイル、タマネギ、塩、にんにく、保存料
 原産国:タイ