缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

可愛さで買う「ままかり缶」

2020-01-18 11:50:14 | 魚介

かつて「可愛いだけじゃだめかしら」というフランス映画があった。

主演のイザベル・アジャーニがめっぽう可愛かったので

(いいですいいですまったくもって何の問題もありません!)

と心の中で叫んだものだ。

見た目がいいということは、すごく得をするということである。

これはもう、古今東西変わらぬ真理である。

だからこんな可愛い缶詰を見つけてしまったら、迷うことなく買ってしまうのである。

 

ままかりってどんな魚だっけ。

そう思い図鑑で調べてみると、ニシン目サッパ属とある。

コノシロと比べて味がさっぱりしている、とも書いてある。

むむっ。どういう魚なのかサッパり判らぬ。

とりあえずニシンの仲間、ということで理解しておく。

 

さあ今年も張り切って参りましょう。開缶!

大きさはオイルサーディンくらい。それを筒切りにして、ころりころりと詰めてある。

全体から立ち昇る匂いもオイルサーディンそっくり。ローリエも入っているけど、香りがあまり主張してこないのが好ましい。

ひと口頬張ると...。

オイルサーディンによく似ております。歯触りはしっかりしていて、口中で身肉が崩れていくとモロモロした食感がある。

オイルサーディンはもっときめ細かく溶けていくから、食感はけっこう違うわけだ。

味付けは塩と調味料のみ。塩気はやや利いている。

 

かくのごとし。細かく切ったにんじんと一緒に、酢漬けにしてみた。

ままかりは、かつてコハダのように寿司ネタになっていたそうな(図鑑に書いてあった)。

それを読んだら、何だか酢漬けにしてみたくなったのだ。

果たして、これはこれで美味しい。ポルトガルのエスカベッシュみたいになった。

酢漬けといっても、全体に酢を振りかけたら、すぐに食べてしまうのがよろしい。

長時間浸けておくと、身がぼそぼそになって不味いんであります。

ともあれ、見た目だけで買ったままかり缶。広島出身でありました。

 

内容総量:68g

固形量:40g

原材料名:ままかり、菜種油、食塩、香辛料、調味料(アミノ酸等)

原産国:日本(販売:阿藻珍味 広島県福山市) 

参考価格:499円(税別)

 

 

 


熟成さんま缶を真俯瞰でいただく 

2017-11-23 13:49:14 | 魚介

読者諸賢よ! 

今回は特別な缶詰を取り上げたい。木の屋石巻水産の「さんま水煮 南高梅入り」というやつであります。

これは2016年に同社が限定製造したもの。女川漁港に水揚げされた新鮮なさんま(刺身で食べられるほど)を、その日のうちにカットして缶詰にしている。

同社が誇るフレッシュパックというもので、冷凍原料は使われていないのだ。

ベースは水煮(塩味)だが、そこに和歌山のこんぶ梅と梅酢を加えてある。

発売当時に買い、丸1年のあいだ缶棚に置いて熟成させたのだ。

 

賞味期間は3年だから、つまり2016年10月1日に製造されたということ。

丸1年経って、さんまの身と調味液がほどよく馴染んだ頃合いのはず。本当はもっと寝かせたかったが、食べたくなっちゃったのだから仕方ない。

とはいえ、さんまの不漁が続く昨今は、さんま缶自体が貴重であります。

 

開缶!

何と美しい切り身でありましょう。青背の魚は皮目が命。

表面に浮いているのはさんまの脂分だ。DHA、EPAがたっぷり含まれ、密封されていたから空気に触れていない。

何となれば、酸化してない脂なのだ。きっと身体にいいだろう。

赤く見えているのがこんぶ梅だと思う。

 

ここでひと技。

缶汁だけをそば猪口に注いでおこう。同時に飯を炊き、ねぎと大葉を刻み、湯を沸かしておくのが理想。

 

かくのごとし。

炊きたてのご飯にさんま、大葉、白髪ねぎ、酢生姜を乗せた。

缶汁は熱湯で倍に薄め、刻んだねぎとゴマを散らしてスープとした。

では、失敬してさんまの身をひと口...。

むっ。梅の味がしないぞ。脂の乗ったさんまのうまみが口中に広がるばかりだ。

しかし何だか香りがいい。そうか、これは梅ダイレクトではなく、隠し味として働いているのだな。

じっくり味わうと、確かにただの塩味より味わいが一段深い。

そして、スープが凄い。

うまみが舌を包み込み、背骨を伝わって脳髄をじじーんと痺れさせた。首筋のうぶ毛が逆立つ。

例えて申せば、羅臼こんぶに本枯かつぶしを惜しげもなく投入した出汁のようなインパクト。

今度食べるときには缶汁ぶっかけご飯もやってみよう。

 

 

固形量:120g

内容総量:170g

原材料名:さんま、梅酢、こんぶ梅、酒精、調味料(アミノ酸等)、酸味料、甘味料(スクラロース)、ビタミンB1

原産国:日本(製造・木の屋石巻水産)

※終売

 

 

 

 


アニバーサリーな時鮭(ときしらず)缶

2017-09-18 13:05:39 | 魚介

こちらはスハラ食品の時鮭(ときしらず)缶。

同社の創業110年を記念して、今年の7月に造ったのだそうな。

時鮭は4月から6月頃にかけて北海道沿岸で獲れるシロザケであります。

通常、晩秋に獲れるシロザケ(アキザケ)が極上とされるが、時鮭はそれよりも

「脂が乗ってウマい!」

という人が多い。

秋ではない時期に獲れるから時知らず、すなわち時鮭であります。

 

開缶。

切り身が巨大だ。まるで高価なさば缶を見ているようだ。

食欲をそそる匂いが鼻腔を直撃してくる。

それは鮭缶の匂いではあるけど、魚の匂いが強くなく、とても上品であります。

 

皿に開けてみる。

この厚み、まさにステーキ。

ここに大根おろしをかけて、ぽん酢醤油とかお醤油かけて食べちゃってもいいのだけど...。

どうしますかな。

 

スハラ食品は札幌の企業、ということでバターを加えることにした。

あとは玉ねぎスライスとハンダマを千切って乗せて、フタをして軽く煮る。

 

かくのごとし。

鼻腔をくすぐる匂いがさらにパワーウプ!

これを失敬しまして頬張りますと...。

うっふーん。

脂の乗りがすごいです。

背身ですら脂がサシのように入り、舌の上でしっとりとろける。ハラスの部分は言うに及ばず。

その魚系脂肪に動物系脂肪のバターが絡んで、奥深い味わいになっております。

ここに味噌を入れればちゃんちゃん焼きになるのだけど、それは普通の鮭缶でいいな。

貴重な時鮭だもの。味付けはバターだけでいいな。

 

内容量:150g

原材料名:ときしらず(さけ)、食塩

原産国:日本(製造・マルハニチロ北日本)

希望小売価格:1,000円

 

9.22追記 販売店情報

北野エース東武池袋店、東京スカイツリータウンソラマチ2F、松屋浅草店、マルイ北千住店で10月1日から販売開始だそうです。

 

 

 

 


博士が好きな牡蠣缶

2017-06-08 19:23:19 | 魚介

缶詰博士がこよなく愛するのは、竹中罐詰の「天の橋立 かきくん製油づけ」であります。

税込で800円オーバーの高価格品ではありますが、その分の価値はちゃんとある。

 

かくのごとし。

これはLサイズの商品である。

竹中さんはとても正直な造り手なので、毎回、詰めた牡蠣のサイズをMとかLとかLLとか、表示してくれる。

数量も表示してくれる(今回はL 5〜8粒と書いてあった)。

粒が大きい方が嬉しくなるが、缶心のお味は、MでもLLでも変わらないようだ。

 

これを湯せんで温めると、燻製とは思えぬほど食感がぷりぷり。

そして噛みしめれば、尋常じゃないうまみが湧き出してくる。

むっ...。こうして思い出しても唾が出てくるほどである。

 

内容総量:105g

固形量:70g

原材料名:かき、綿実油、食塩、調味料(アミノ酸等)

原産国:日本(京都府宮津市・竹中罐詰)

参考価格:831円(税込)

 


明太子の油漬け缶なり

2017-01-10 09:38:07 | 魚介

110日は明太子の日である。

なぜかというと、日本で初めて明太子が発売された日だからである。それは昭和24年のことだったそうな。

その明太子は、博多のふくやが開発・発売したのであった。

何となれば、明太子の本家本元はふくやと言えるわけであります。

そうして、今回紹介するのは、そのふくやが開発した明太子の油漬け缶詰なのであります。

 

開缶! 

色が生の明太子のように赤くない。でも、こっちが自然な色合いのように見える。

袋から取り出した魚卵の粒がぎっしり、油に浸っている。その油は綿実油という、綿の種から絞った高級な油を使用している。

スプーンで口に運ぶと、さらっとした綿実油のあとで、明太子の一粒一粒がぷちぷちと弾ける。

初めて体験する食感である。

弾けた粒から魚卵のうまみが出てきて、それが瞬時に綿実油のうまみと合わさる。

熱々ご飯にかけると、油をまとった明太子が米を包み込む。これも生の明太子ではありえない現象である。

加熱した明太子には独特の香ばしさもあり、ご飯がぐいぐい進んでしまう。

でも...。

明太子といえばスパゲッティも美味しいのだ。そっちも試してみよう。

 

かくのごとし。

具は茹でたほうれん草と大豆缶である。

作り方はとても缶たんで、ボウルに明太子缶(全量)とバター20g、大豆、茹でて水気を絞ったほうれん草を混ぜておき、そこに茹であげた熱々スパゲッティを入れてかき回しただけである。

1缶でスパゲッティ160g(乾燥状態)、つまり2人分が作れた。

ただ、油は缶詰に入っている分では足りない。オリーブオイルを足してもいいのだが、明太子にはバターのほうが相性がいいようである。

乳製品特有のコクが、魚卵の風味と合っているようである。

 

生の明太子は足が早いが、この缶明太子なら常温で2年は保つ。

そう思えば明太子好きには大安心である。

 

内容量:85g

原材料名:辛子明太子(すけとうだらの卵、食塩、唐辛子、その他)、綿実油、調味料(アミノ酸等)酸化防止剤(V.C)、ナイアシン、発色剤(亜硝酸Na)

参考価格:税込756円

原産国:日本(製造:静岡・由比缶詰所)