缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

トロピカルフルーツ

2004-11-25 22:12:36 | 果実

『婆修行』“マフィン対決”、『不埒な天国~Paradiso Irragionevole~』“Baci di Dama”、『Spicchi*di*Sole』“しょうがのジェラート”、『**国境を越えて**』“チェリーのシロップ漬け”~にこっそりとトラックバックである。 
 最近みなさんのブログには、美味そうなおやつの記事が多いのである。私は左党だがたまには甘いものも食いたくなるので、いつも強い刺激を受けるのだ。しかし夜更けにコンビニさんを徘徊しても、売っているのは一寸食指が動かぬものばかり。なにしろみなさんが紹介してらっしゃるのは手作りマフィンだのクッキーだの、シンプルで簡素なものばかり。メーカーの大量生産品じゃあ敵わぬ敵わぬ。そこで想い出したことがある。ある缶詰さんを夏のあいだ冷凍庫に放り込んでおいたはずなのだ。

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 ああ、こんなことに。ガチガチですぜ。スプーンがまるで刺さらない。暫く放置。
~1時間経過~
 全然変わってないみたい。待ちきれずに表面をペロリ。う~ん、うんまいぞう!
~2時間経過~
 ようやく端のほうがゆるんできた。すかさず隙間にスプーンで攻撃。じゃきじゃきシャリシャリ。一旦鍋に移して、とりあえずグラスにブチこんでみる。

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 かくのごとし。一寸イカすではないか。ここまで手間の掛かった缶詰さんは初めてだ(凍らせたのが悪いけど)、缶詰のくせに手間とらせやがって生意気な(放っておいたのが悪いけど)、などと罵りながらもたっぷりとスプーンですくって口中へ。
 シャキシャキ、サクサク。うんまいではないか。普段だったら絶対にこんな缶詰さんは食べないだろうに、実に美味い。ああ、しかし。後頭部がキーン。お腹がきゅーっ。はごろもトロピカルフルーツの逆襲である。さっき罵詈雑言を吐いたのがいけなかったのだろうなあ。すまんすまん、どうか許して。
 ああ、腹痛い...。でも美味い...。一缶全部食べそうだ。

内容総量:425g、固形量:250g
原材料名:果実(パインアップル、パパイヤ(赤、黄)、グァバ)、砂糖、クエン酸、乳酸カルシウム
原産国:タイ


Maedeh® チキンシチュー

2004-11-15 18:31:26 | 汁物
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 本日はイランのテヘランからいらした、大変珍しい缶詰さん。
 fesenjanシチューというものなのだが(読めません)、この料理名で検索するとレシピを紹介しているサイトがあった。Iranian Stewと紹介してあるから、きっとイランを代表するシチューなのだと思う。
 ただしパッケージ形態が、えー、そのう、いわゆる缶詰とはビミョーに違うのである。レトルトのパックに近いものと考えたほうがいいだろう。するとここ缶詰ブログにお越し頂いて、はたして良かったのだろうかとビミョーな疑問もあるのだ。
 

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 かくのごとし。湯煎してナイフで蓋を開けよ、と書いてある。なかなかワイルドではないか。そうして開けてみると、あまり馴染みのない濃い香りがたち昇る。インドカレーに似てなくもない香りだ。
 一口、頬張ってみる。ふむむっ、甘い。果実の甘みで、チャツネがたっぷり入ったカレーに似ている味だ。なかなか美味い。
 どんな原材料からこの味が出てるのだろうかと、裏側の日本語表記を見てみると...。
 やっ。表記シールが真っ白けだ。お湯に浸けたおかげでインクが消えてしまったようである。
 表面の英語表記は残っていた。「玉ねぎ」や「酢」など見慣れた原材料名が並ぶなかで、1つだけ知らない単語が書いてある。「Pomegranate」というものだ。そこで大判の辞書を紐解いてみると、何とザクロである。
 ザクロといえば爽やかな酸味を持つ果実。しかしシチューに酸味はないので、甘く煮詰めて使用したのかもしれない。
 その後、ひさしぶりに百科事典を開いたので、暫くあちこちをめくって遊んでしまう。テヘランからいらっしゃったシチューはすっかり冷めてしまった。すまんすまん。
 しかしこいつは缶詰さんとして扱っていいのだろうか。最後までビミョーさの残るトーキョーの夜である。



内容量:190g(チキン33g)
原材料名:鶏肉、ザクロペースト、クルミ、玉ねぎ、砂糖、酢、スペシャルスパイス(何だそれ?)
原産国:イラン 


ニューオータニ パンプキンクリームスープ

2004-11-11 14:03:19 | 汁物

 暖かい味噌汁が嬉しい季節となった。信州を訪れた折りにみすずの凍り豆腐を購入したのだが、こいつを味噌汁に入れると実に美味いのである。柔らかく汁の染みたところをハフハフ、アジアジとやると、ああ今年も冬がやってくるのだなあと思わずにはいられないのである。ちなみに昆布と鰹節なら吉祥寺の土屋商店なのである。こうして各地のみなさんにお世話になって一杯の味噌汁が出来上がるのだ。合掌。

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 で、本日の缶詰さんはホテル・ニューオータニで出しているパンプキンクリームスープなのだ。導入部分の文章と全然関係ないじゃないの、とおっしゃられる方もいると思う。気分は和食だったのにどうしてくれる、と軽くお怒りの方もいると思う。御意である。どうも前回のすっぽんさんから妙なのだ。「缶詰汁物にとり憑かれた哀れな男なのだろう」と解釈していただけると当たらずとも遠からず、これ幸いで御座います。

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 かくのごとし。これも鍋にあけて暖めただけである。この簡便さこそが缶詰ブログの目指しているところなのだ。従って手近なところにマッシュルームなんぞがあって一寸入れたくもなるのだが入れない。そのまま味わってみる。
 おおう。想像以上に濃くてしっかりとしたお味。いかにもホテルの洋食らしいではないか。パンプキンの他にもいろんな旨みが感じられるが、原材料名を見てナットクである。いろいろ入っているのだなあ。こんなに混ざってたら配分とか難しいだろうなあ。
 やっぱり私に作れるのは味噌汁くらいのものである。あ~美味かった。一人前たっぷりと入って368円なり。合掌。

内容量:165g
原材料名:ブイヨン、野菜(かぼちゃ、たまねぎ、さつまいも)、牛乳、生クリーム、バター、小麦粉、酵母エキスパウダー、香辛料、調味料(アミノ酸等)、(原材料の一部に大豆、牛肉を含む)
原産国:日本


村上すっぽんスープ

2004-11-08 18:32:05 | インポート
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 本日は心穏やかではいられない缶詰さんのご登場である。スッポンのスープなのである。
 古来、スッポンと言えば滋養に富んだ食べ物で、ビタミンはA、B1、B2、B6、Eが含まれ、他にもナイアシン、葉酸なども豊富だそうである。貧血、肥満を防ぎ、お肌もつるつるだそうである。
 しかし、しかしである。スッポンさんと言えば、ほら、何と言ってもあっちの方面の源として、絶大な信頼を得ているはずだ。
 何かの食べもの番組を観たときに、食しながら
「すでに汗が出てきています...」
とリポーターがおっしゃっていたのである。
「今夜は大変だねえ。うくくっ」
と、ご主人が謎めいた発言もなさっていたのである。
 さあさあ、はたして...。  

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 かくのごとし。
 鍋にあけて熱してあるのだが、一寸干し椎茸のような匂いがしている。原材料名には含まれていないから、ひょっとすると、これがスッポンの匂いだろうか。口に含んでみるとあっさりとした出汁の味だ。そして微かに栄養ドリンクのような匂いと後味が残る。これで680円もしたのだから、しっかりと味わうことにする。
 二口目。なかなか美味いものだ。しかし発汗は起こらず。はて? 思い切ってグイッと飲んでみる。う~む、美味いのだけれど。のだけれど。
 そうして「今度はどうだ、これでどうだ」と飲んでいるうちにすっかり飲み干してしまった。一旦キーボードを打つ手を休めて内観してみる。胃のあたりが暖かいような気がする。おおこれがスッポンの威力か! いや待て、熱い汁を飲んだからこれは当然だ。はて、さて...? 
今夜は...?



内容量:180g
原材料名:スッポン、鰹節、日本酒、食塩、醤油(大豆、小麦)、調味料(アミノ酸等) 
原産国:日本(村上スッポン本舗


缶詰のある風景『シャドー81』

2004-11-05 00:18:58 | 連載もの 缶詰のある風景
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 グラントはハムの缶詰をあけ、薄くくさびの形に切って、メルバ・トーストの間に挟むと、この“美味なるオードヴル”にがぶりと食らいついた。
「おい、ハドレー?~シャドー81だ」
「こちらPGA81~どうぞ」
「機内の様子はどうだね? 乗客はおとなしくしているかな?」
 ルシアン・ネイハム『シャドー81』訳/中野圭二 新潮文庫

 これは75年に発表された、一寸変わったハイジャックの小説である。読後にスカッとすること間違いなしの傑作なのだ。ミステリーとか冒険小説が好きな御仁は、ぜひ読んでみることをオススメする。
 さて、我がグラントは大変窮屈な状態でいる。これからジェット戦闘機の操縦席で食事を摂るところなのだ。操縦しながらの食事だから、こんな簡便なメニューなのである。
 メルバ・トーストはスーパーマーケットで購入することが出来た。しかしハムの缶詰というのが何だか不明である。
 方々を回ってみたが、輸入物のハムの缶詰というとSPAMかTULIP、あるいは三角型の大きなやつ(名前忘れた)ばかりだ。このうちSPAMは以前ご紹介したので却下、三角型は約500gもの容量なのでこれも却下した(物語上そんな大きいのを持ち込むはずない)。
 残ったのはTULIPのポーク・ランチョンミートだ。
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 かくのごとし。
 上記引用文に“美味なるオードヴル”とあるが、これは言うまでもなく揶揄である。それでもこうして小説の中に缶詰さんのシーンが出てくると美味そうに思えるから不思議だ。
 メルバは乾燥したカリカリトーストで、ほんのりと自然な甘みがある。ランチョンミートは塩分が多めでSPAMよりは脂肪がずっと少ない。
 お味の方は...みなさんのご想像にお任せするとしよう~こちらシャドー81。

内容量:200g
原材料名:豚肉、ポテトスターチ、乳タンパク質、食塩、香辛料、ポリリン酸Na、酸化防止剤(アスコルビン酸Na)、発色剤(亜硝酸Na)
原産国:デンマーク