モルディブのツナ缶4種。左上:塩水漬け、左下:植物油漬け
右上:オリーブオイル漬け、右下:天然水漬け
あの大震災から1年が経過した。
震災直後、世界の国々から、我が国へ支援の手が差し伸べられた。
その支援額の多寡をあれこれ言うことほど、品のない話しはない。しかしここで筆者は、インド洋に浮かぶモルディブ共和国が行った支援の様子を、あらためて申し上げたいのであります。
オリーブオイル漬けと植物油漬けを開缶!
このツナ缶はモルディブの特産品で、現地の漁師が一本釣りで釣り上げたカツオやマグロを原材料にしている。
震災直後、モルディブ政府はこのツナ缶を支援物資として約8万缶、日本に提供すると表明した。だが、それを聞いた市民たちから
「我々も支援したい」
「ツナ缶なら家にもある。これも一緒に届けてほしい」
続々と声が上がり、実際にツナ缶を持ち寄ってきた。最終的には60万缶以上が集まり、被災地へ届けられたのだ。
モルディブの人口は約32万人(2010年)。1人当たり2缶を提供してくれた計算になる。
義援金も、震災から36時間で700万ルフィア(約4,500万円)が集まったという。
世界中のダイバーが憧れる島国モルディブ。
その面積は淡路島の約半分で、主な収入源は水産業と観光業だ。
けっして豊かな国とは言えない。1人当たりの名目GDPは日本の約7分の1という数字なのであります。
植物油漬けでニース風サラダを作ってみた
ツナにうま味がないと、このサラダは美味しくない
外務省のサイトを読むと、1985年以来、日本はモルディブにとって最大の二国間援助供与国になっている。
このツナ缶も、70年代に日本の支援で建設された水産加工場で作られたものだ。
2004年のインド洋大津波のときには、日本の無償資金協力で建設された防波堤が、同国マレ島を津波の被害から守ったこともあった。
だからこそ、
「今度は我々が日本を支援しよう!」
モルディブの人々は思い立ったのであります。その温情が、このツナ缶には詰まっているのであります。
さて、肝心のお味であるが...。
オリーブオイル漬けのほうを頬張ると、ものすごく淡泊なお味であった。
オリーブオイルの香りはするが、何というか、魚の滋味そのもの。
原材料を見たらそれもそのはず。何とツナとオリーブオイルしか使われていない。
つまり塩味がついてないのだ。
これはきっと、料理素材と割り切って製造されているのだろうと、推測するのであります。
もうひとつの植物油漬けは塩味がついたノーマルなものであった。身肉を噛みしめるたび、カツオのうま味がにじみ出てくる。
こうして想い出しても唾が湧いてくるほどだ。
・ツナステーキオリーブオイル漬け(ステーキは切り身の意)
内容量:198g
原材料:ツナ、オリーブオイル
・ツナチャンク植物油漬け(チャンクは塊りの意)
内容量:180g
原材料:ツナ、植物油、塩
原産国:モルディブ
※日本ではまだ発売されてないツナ缶であります。近い将来、輸入されることを期待しようではないか!