缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

アンチョビーぎゅうぎゅう詰め

2008-03-28 11:45:23 | 魚介

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 このあいだ、おやつ代わりに煮干しを囓っていて、ふと思った。
 煮干しの元は、カタクチイワシという種類の魚だ。
 この魚は目がとても大きく、一寸びっくりしたような顔つきをしていて、なかなか愛らしい。
 その大きな目をまじまじと瞠った(みはった)まま、釜で茹でられ、乾燥させられ、煮干しになられている。
 折り重なるようにして何匹も亡くなられている。Aliciotte3400
(気の毒な...)との念が沸き上がった。
(すまぬ、許せ)との反省も起こった。
 しかし反省しながらも、筆者はがじがじと煮干しを囓ることをやめなかった。『瀬戸内ひうちなだ産・防腐剤無添加』という実に美味い煮干しだった。
 カタクチイワシは稀にみる優秀な人材で、どの業態からも引く手あまただ。
 ある時はシラスとしてその透き通った眼差しで漁港のおばさま方を賑わせ、ある時は目刺しとなって居酒屋のおじさん方を癒している。今はあまり見なくなったが、畳鰯もカタクチイワシを採用していた。
 そして、イタリア料理には欠かせないアンチョビーでも大量採用されているのだ。




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 今回は久々の瓶詰さん。その内容量、堂々320g!Aliciotte4300
 これは神戸の会社が輸入しているアンチョビーの瓶詰で、フタには『アリチョッテ』と書いてある。実は去年の4月に購入したもので、これまで1年間、大変にお世話になってきたんであります。
 1尾の大きさがとても大きく、味も濃厚。ソースを作ったり、茹でたブロッコリーと和えてパスタで食べたりと、まさに面目躍如の大活躍。我が家でも「やはり採用して良かった」との声が高かった。

 


 

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 かくのごとし。
 温野菜にアンチョビーソースをかけたものであります。
 このソースの製作はとても簡単。フライパンにバターとオリーブオイル(1対3)、ニンニク、アンチョビー2尾を投入し、弱火でじっくりと加熱する。
 熱で次第にアンチョビーの身が崩れ、ニンニクがほどよく焦げたら胡椒を振ってできあがり。すべての材料をフライパンに入れてから加熱するのがコツといえばコツで、オイルが熱くなったところにアンチョビーを投入すると、かなり激しくはぜて周囲に飛び散りますです。
 こいつを、茹でたブロッコリーやじゃがいも、人参やインゲンにと手当たり次第にかけていくと、いくらでも野菜が食べられるんであります。

 こうして、食べも食べたり320g。現在はこの瓶詰、残りわずか3尾となった。
(どんだけカタクチイワシを食べてんだ、オレ)という反省と、さらには人間の業というものを深く知るために、本日も煮干しを噛みしめながら考えようと思う。合掌。




 内容量:320g
 原材料名:いわしフィレ、オリーブ油、塩
 原産国:イタリア




キョクヨー ほっけ塩焼き

2008-03-18 10:35:47 | 魚介

Hokke1400

 時間のないときにかぎって、余計なことをしている。
 そんな経験はありませんか。
 筆者はどうも、そういうことばかりしている。
 例えば、今。こうしてブログを書いちゃってる。
 今日は午後から取材があって、出掛けなければいけないのだ。
 取材の前には、それなりに先方のことをお勉強しておくことになっている。
 現在、すでに午前10時。
 なのにまだ資料を読むでもなく、缶詰の写真を撮ったりしております。




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 やり始めたからには、まずは開缶。
 これは以前食したニッスイのさんま塩焼きが気に入ったので、他社の商品も試してみたくなったのだ。
 今回は幼少の頃から親しんでいる大手、キョクヨーさん
 さ、画像をクリック拡大して、中身をとくとご覧あれ。
 調味液がほとんど入っていないですね。
 これは最新技術を駆使した高真空缶詰(厳密にいうとそれに近い)なんであります。
 中が液体で満たされていない缶詰というのも、今はあるんです。
 詳しい内容は日本缶詰協会のHPに譲るとして...。
 塩焼きとか炭火焼きなんていう食べ物は、こういう製造法がいいと思う。




Hokke3400

 かくのごとし。
 ほっけの塩焼きが缶詰になるなんて、想像もしてなかったなァ。
 この皮の色つや、身の立体感。
 では、失敬して一口...。
 むっ。美味いです。
 炭火焼きと銘打っているだけあって、香ばしい匂いが立ち昇ってきます。
 あの、夕方に町を歩いていると、魚屋さんの店頭から漂ってくる匂いがあるでしょう。
 店頭で干し魚を焼いてる匂い。あれ、たまんないですよねー。
 ひれのあたりが焦げたり、滴った脂が燃え上がったり。そういう、いかにも
「焼いてます。オーブンではなく、直火で焼いてます」
 みたいな匂い。もう、たまんないなー。
 ま、この缶詰はそこまでリアルな匂いはしませんが、しかしその情景をまざまざと想起させられるくらいの香りをもっている。なかなかの実力者です。
 やはり人間、想像力で生きているんですなァ。




 内容量:65g
 原材料名:ほっけ、食塩
 原産国:じゃぱーん(極洋



追:この記事は『関西女のプチ日記』“あじ塩焼 炭火焼 キョクヨー”にトラックバック!


巻き寿司の元の缶詰 from AMERICA(桜町荘セレナーデ)

2008-03-04 11:09:22 | 連載もの 桜町荘セレナーデ

Makizushi1400
巻き寿司の元とローマ字で書いてある

「ニューヨークには、もう行かれましたか?」
 レコード店の、ジャズ担当の男が訊いてきた。
「はぇ? えっと、まだ行ってませんが...」
「そうですか。やはりジャズといえばニューヨークですよね」
「はあ」
「今度、行かれる予定は?」
「えっ? いやその...」
 時は1986年。国鉄国分寺駅近くにあるレコード店、新星堂でのことだった。大学でジャズに目覚めた僕は、自分のアパートに近いこのレコード店をよく利用していた。
 ジャズ担当の男は推定年齢40歳というところ。学生である僕に対して、いつもていねいな口をきいた。
 しかし、変わった男でもあった。僕がウィントン・マルサリスの新しいアルバムをチェックしていたら、いきなり話しかけてきたのだ。
 その第一声が「ニューヨークにはもう行かれましたか?」
 なのである。




Makizushi2300
やっ、中身はかんぴょうではないか

 どこからどう見てもビンボー学生の僕だ。ジャズを聴きにニューヨークになぞ、行けるわけがない。
 しかし彼はあくまでも澄んだ瞳で僕を見つめる。
 何となく、話を合わせたほうがいいような気がする
「まっ、近いうちに行ってみたいですな
 妙な緊張をしたのか、言葉遣いがおかしくなった。
 しかしその言葉は、彼を満足させたようだった。
「この新譜はおススメですよ。買いです」
「はあそうですか」




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かくのごとし
このまま食べても美味

 当時の国分寺は実に魅力的な町であった。
 レコードでジャズとファンクを聴かせる、ピザの美味い店もあった。
 プロのジャズギタリスト、宮ノ上貴昭が経営するジャズバー『きりきりぶらうん』もあった。
 そして新星堂の向かいには喫茶店の珈琲館があり、そこのマスターがまた、実に個性的な男でもあった。
 そのエピソードはいずれまた書かせていただくことにして...。
 ともあれ、この缶詰さんである。
 以前ご紹介したいなり寿司の元と同じシリーズである。
 ブログ仲間のNoritanが、米国出張の際に買ってきてくれたのだ。
 今回のこの巻き寿司の元、実は食する前から、覚悟をしていた。
 米国の缶詰は、とてつもなく甘いものが多いのである。
 ましてや甘辛く煮つけたであろう、巻き寿司の元なのである。
 しかし意外や意外。そのまま食べても実に美味い。かなり塩辛いのだが、もともと寿司ネタなのだから納得である。それをそのまま食べると、酒のあてに最高である。
 何となれば今回は巻き寿司など作らず、このまま毎日ちびちびと食べていこうと思うのであった。



 内容量:240g
 原材料名:かんぴょう、しいたけ、醤油、グルタミン酸ナトリウム
 原産国:ちゃあんと日本製であった