缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

男おいどん、涙のSeaLect

2007-07-24 14:34:05 | 魚介

Sealect1400

 おいどん、夏本番を前にして、思い立ったんよ。
 何がどうしたというわけではないが、思い立ったんよ。
 男なら、なさねばならぬことがあると。
 四の五の言う前に、やらねばならんことがあると。
 本日、セミの声を聴きながら、おいどんはそう決心したんよ。





Sealect2300

 見れ、ぱっかんと開缶。
 むむっ、この匂い。確かに以前、嗅いだことがある匂いだど。
 これは懐かしや、ローザ・スパイシーツナクリアカリーと同じ系統の匂いではないかい。
 あれは辛いタイ缶詰との出会いでもあったよなー。
 辛いタイ缶への、あくなき挑戦の道しるべとなった缶だったばいねー。
 あのときは本当に辛くてたまらんかった。
 息を吸い込むたびに、涙が流れてハナ垂れたばいね。
 無芸大食では無敵を誇るおいどんが、あっさりと負けたばい。
 てことは、あれか! これはあのときの敵討ちか!





Sealect3400

 かくのごとし。
 今回は、料理などせんのよ。
 おいどんも男。開けたらすなわち喰うのど。女々しく料理などしてられんのど。
 では一口。
 うむっ、やはりあのときと同じ辛さ。ばってん、それほど辛くはなか。
 同じとんがらしの辛さだが、何とゆーか、透明感がある辛さ。
 これは、一体なーにか??
 ココナツミルクで白濁して、油にもまみれて、いかにも憎らしいカタキ面。
 なのに、何ともさーやかなお味。ほんのりとレモングラスのかほりまでしとる。
 大きなツナの固まりが、旨味たっぷりで大サービス。
 そうか、見た目で判断してはいけんということか...。
 おいどんも、いつの間にか、人を(缶を)見た目で判断するような大人になってたばいねー。
 このままじゃ、ロクなことにならん。
 ご先祖さまお天道様に顔向けもできんようになる。
 くそっ、しかし見てろよ、いつかきっと。やるときはやる。見ちょってくれよご先祖さま。

 あっ、いけん。男泣きしたせいで、何を決心したのか忘れた。





内容量:タイ語のため不明(おおむね150gであろう)
原材料名:タイ語のため一切不明
原産国:これくらいは分かる タイランド




日水 真いか味付

2007-07-10 12:00:46 | 魚介

Maika1350

 こないだの日曜日、とうとうセミが鳴いた。
 梅雨入り宣言のあった翌日に、まるで真夏のような日差しが照りつけたり、そうかと思えば最近は、毎日涼しい曇り空である。
 そんな中でのセミの声は、ひどく私を感心せしめた。
 季節の移ろいを感じにくい現代、
(おい、オレはちゃんとここにいるぞ)
 と、セミ君が声をかけてきたように思えたのである。




Maika2350

 本日はレトロ調の缶詰さん。
 なので、文体も昭和文学風にしてみるのである。
 あっ、いけない。
「なので」などという文頭は、昭和レトロに似つかわしくないではないか。
 ともあれ、この真いかの缶詰さん。久々のパケ買い(パッケージに惚れて買うこと)をしたものであった。
 この書体に、惚れた。
 うじゃけたような赤茶色に、惚れた。
 ただし...。
 昨今は、昭和ブームというものに便乗して、正しい昭和を知らないくせに、再現してみせるエセ商法がまかり通っている。
 この缶詰だって、400円近くもしたのである。
 それなりに昭和を感じさせてくれなければ、
(イカのくせに高い。やはり便乗商法か知らん)
 と思うかも知れぬ。




Maika3400

 近代缶詰の証であるプルトップ式だが、上面のアルミ素材は非常に厚い。
 開缶時に「バキリッ」と、小気味よい音が響いた。
 醤油色のタレに潜む真いかは、艶やかに輝いて妖艶でもある。




Maika4400

 かくのごとし。
 イカ2杯が入っているが、個体がかなり大きい。
 缶詰より取り出すときに、箸にかかるずっしりとした重みが素晴らしい。この感触だけでも
(あ、少なくとも300円分は元を取ったぞな)
 と思わせる。
 では、失敬して一口...。
 むうん...。
 砂糖かミリンか、その甘みが強調されている。
 現代のいわゆる「甘辛い」という味付けより、ずっと甘い。
 しかしこの甘さが、何か遠い過去の記憶を呼び起こそうとしている。
 これは確かに、昭和の味付けと言ってよいだろう。
 筆者が半ズボンをはいて、駄菓子屋や紙芝居に通っていた頃の風景が浮かんでくる。
 ニッキあめ、ココアシガレット、ソースせんべい...。
 遊び終わった夕暮れ時には、少年は腹ぺこである。
 魚屋の店先で焼く焼き魚の匂いに、たまらず唾を飲んだものであった。
 この焼き魚の匂い、本当にたまらなかった。
 そんな切なさまで想い出した分で、200円は払ってもいいだろう。
 そうすると、合計で500円。充分に元は取れたようだ。

 どうも昭和の人間は、金銭感覚がケチくさいようである。




 内容量:280g(固形量120g)
 原材料名:するめいか、砂糖、しょうゆ、寒天
 原産国:日本